In 事例 ソリューション MR研修 掲載, 営業(MR職), 導入事例

活かせベテランの知恵、日系製薬会社エキスパートMR向けの2時間研修の事例を共有します。MR職というのは、製薬会社における営業職medical representativeのことです。

本日(2021年2月5日)の日本経済新聞朝刊に、「シニア人材も成果主義 競争促し生産性向上」という記事が掲載されていました。働き方の多様化で定年がキャリアのゴールではなくなるなか、シニア人材にも競争を促し生産性の底上げを狙う企業が出はじめていること、またバブル期の大量採用世代が50代に入り、今後シニア社員の比率は高まり続けること。さらに、4月以降は改正高年齢者雇用安定法の施行で、70歳までの就業機会を確保するよう努力義務が企業に課せられることから、定年の延長や廃止を決める企業が増えており、シニア社員の能力を引き出す仕組みづくりは急務であり、各社給与制度、インセンティブの見直しなどで、生産性向上を試みているという記事でした。

みなさんの会社の状況はいかがですか?年齢構成がどんどん上になっていくのではないでしょうか?今後シニア層に活躍して頂かないと大変なことになるというのは、自明です。しかし、中には今回お手伝いさせて頂いた製薬会社さんのように、人口構成よりもっと切実に営業職であるMR職の年齢構成が上になってしまっているところもあります。各製薬会社さんは、さまざまな特徴あるご製剤を持っておられますが、なかには特に専門知識の蓄積がものを言う製剤が存在する為です。

そのような課題を伺っているうちに、昨年エキスパート人材向けのキャリア研修のようなものをうっかり引き受けてしまいました。本日はその元々キャリア研修的なオーダーだった研修のカスタマイズ事例共有です。

実は、私はキャリア研修が好きではありません。良くキャリア研修で行われるWill Must Can分析など昭和過ぎてくらくらします。今どきmust(しなければならないこと)を考え「させる」とか、使役言葉を使う研修などやっても意味がないと思っています。最終的にこうありたいという仕事のビジョンを持つことはご自身の成長の為にも非常に重要ですが、研修内で、強制的なキャリアの棚卸や3年後、5年後の自分の具体的なゴール設定など、コロナ禍でこれだけ仕事の仕方が変わって明日も判らないのに、やる意味はあるのでしょうか?もしも現時点で、これまでと内容を変更せずに30歳キャリア研修とか、40歳キャリア研修とかを実施しているのであるなら、すぐ止めた方が良いと思います。他の研修会社や講師の批判ではありません、モチベーションのドライブは内側から出てきてこそだと思うからです。私は、あくまでも弊社ミッションの通り「想いをエネルギーに生きる人を育てたい」だけです。

世代別のアンケートを実施

さて、このキャリア研修風のものを引受け、お申込書だけ頂いてしばらく悩んでいましたが、このエキスパート研修の前に全MR職に対しての90分の喝入れ講演があることを思い出し、そこで年代別に切ったオンラインアンケートを実施することを思いつきました。そして、その結果は・・・・・・・

年代別アンケートを分析すると、特に50代が私の講演を絶賛して下さっている事が判りました。私の講演は、E-detailingで先生と一患者さんに向かい合う為の面談のコツを中心にお話させて頂くものでしたが、その中でプロパーからMRという名前に変わった所で、本来の営業魂を忘れていらっしゃるじゃないですか?昭和のやり方が全部だめなんて言っていません、ITに頼るところは頼る、でもITの使いこなしに、昭和の時代にメインだったエモーショナル(感情知性)な部分をエッセンスとして是非入れて下さいというような構成でしたが、多くのシニア層にその部分が響いたようです。

当日の50代の方のコメントは以下の通りです。なお、はじめてのオンライン講演形式で機材トラブルに見舞われ、ITツールを自分が一番使いこなせない事を露呈、幸いにも「それでもチャンジする60歳」を皆さんが応援して下さっています。コメントを一部ご紹介させて頂きますが、激しくカスタマイズしているために、実際の内容に関するコメントでご紹介できる部分がほとんどありません。

昔、他の講義をいくつか受けましたが、時代の進歩を感じた

ITに頼るところと昭和を忘れないでという所。

講師の若々しさと話のテンポ・歯切れの良さ。素晴らしい!

話の進め方が素晴らしい、失敗を失敗に見せないような話の進め方が印象に残りました。

表現のたとえが非常にわかりやすく、声も非常に聞き取りやすく内容以外の点でもとても勉強になりました。ありがとうございました。

不慣れなリモートでも、自信に溢れた素晴らしいレクチャーでした。ありがとうございました。

○○製薬の講義のために業界のみならず、○○領域の側面からお話頂いたので、現実味を帯びており内容が頭に入ってきました。 ありがとうございました。

エキスパート研修の設計要点

上記の講演におけるフィードバックをもとにエキスパート研修を設計しました。この研修は2時間研修で25名を40代と50代と分けて2回実施しました。40代の方はエキスパートではありますが、シニアでは決してないので、医師との面談における実践的なインサイトの引き出し方、数字へのコミットメントなどを押し出しましたが、50代の方は上手くご紹介できないのですが「面談実践スキル&生きざま」のような設計にしました。

自分が人生100年時代にどのような生きざまを選択するのか?というような事をクロージングのコンテンツとしました。キャリア研修的要素はすべてカット、今日からすぐに使える新しいスキルを学んでもっと成果を出し続けて頂きたいという願いとエキスパートの皆さんへの期待を込めて、実践部分に力を入れたのが、確実に伝わったのではないかと思います。研修満足度は、5点満点の平均4.19、理解度が4.44、講師評価が4.23となりました。アンケートコメントをご紹介します。

アンケートコメント実践スキルに関する部分

リモート時代でかえって1回面談時間は増えて面談回数は減るということに気づかされた。その1回の機会に如何に印象に残るかが肝要であると再認識させられた研修であった。

普段やっている⇒意識していない⇒やっていると思っていても出来ているかわからない⇒結果、しっかりやれていない  ということが判りました

昭和のMRと気付かされました。

現場に沿った形まで落とし込んで説明をして頂けた事が、非常に印象に残りました。

柏さんが薬剤の名前を言われる時にあたかもMRをやられていたと思わされるくらい流暢な薬剤の発音(英語同様に)ですが、製薬業界におられないので相当訓練されていると感じました。本日はありがとうございました。

(当社の経営理念における)Valuesにも『患者さん中心』と指標がある中で、最初に患者さんを思い浮かべられない事は問題かと思いますし、指摘の通りだと感じました。

アンケートコメント講師に関する部分

常に新しいことを取り込みチャレンジしていこうと思います!先ずは一日一つ新しい事を取り入れる。 昨日より今日、今日より明日、進化し続けます!

柏先生の講義のパワフルさは、自分が先生と面談するときにも熱量として伝わると思うので、今後はボリュウーム、笑顔も取り入れていきたいと思います。

バイタリティーのすごさに感服いたしました。 僕も年齢のせいにせず、前向きにMR活動します。 90歳まで柏の部屋頑張ってください

柏先生、熱いご講演ありがとうございました。視覚で分かりやすいPPT、的確なアドバイス、ヒントと元気を頂きました。何歳からでも学習できる、先生の向上心の高さ見習いたいと思います。 ありがとうございました。

テンポよく歯切れの良いプレゼンに前向きな気持ちを喚起されます。ありがとうございました。

「年齢のせいにしない」。とのお言葉は心にしみました。 柏先生の熱いテンションとモチベーションを私も見習いたいと感じました。 元気が出ました。 ありがとうございました。
冒頭での「私のたくさんの失敗例をもとにお話しさせて頂きます」という前置きから、親近感を覚えました。私も失敗を恐れず、経験を重ねていこうと思います。

配布いただいたハンドアウトの最終頁に書かれている「想いをエネルギーに生きる人を育てる」のお言葉通りの研修内容で、とても感謝しております。新しいことにチャレンジできる発想を授けて頂きました。PPVの過程に本日学んだことがあると感じますので、実践と継続、発展を目標に活動して参ります。

先生のパワーが聴講者のエネルギーに還元されていく感じがありよかったです

最後に研修の舞台裏を・・・・・

研修舞台裏、研修はすべて弊社の勝どき研究室から配信しています。ネット回線は落ちてもOKなように2回線、マイクもカメラも2台体制、壁やPCには間違いのないように事前に勉強してある研修をさせて頂く企業の製剤名やライバル会社の製剤名。そしてこの階層の営業所長研修の時の営業所長の顔写真も大量に貼りつけてあります。名簿には参加者がどのエリアのどの営業所なのかを明記して頂き、実際の営業所長の名前を出して、○○さん○○ですもんね~と時に共感コメントをだしたり、反対に営業所長に参加者メンバーのフィードバックをしたりする際に使っています。手元には、タイムスケジュールの書かれたパワポの一覧。結構な修羅場ですね。

MR職育成に関する情報をまとめました特設ページを開設致しましたので、情報収集にご活用下さい。

製薬会社 MR(医薬情報担当者)研修

ヘルスケア業界向無料セミナー「激化する訪問規制どうする?MR教育新時代へ突破せよ!」