MR質問箱

「先生に会えない時代」の面談どうする?
MR研修参加者のよくある質問をまとめました。

価値共創型MR

「時間作ったんだから、早く用件言って!」という場合、私なら、すぐに話しはじめて、途中でインタラクティブなやり取りを試みます。しかし、結局、一方的に話す形で終わったときは、価値共創は成功しませんし、売上にもなりません。私はお客様を選べるので、そういう時は、「ご興味がないようでしたら、今日はこの辺で」と商談を打ち切りますが、みなさんは、そんなことできませんので正解が難しい質問ですね。できるだけ先生に患者さんを想起して頂くような質問も用意しておくのはどうでしょうか?

※価値共創型MRとは弊社の造語で、提案型MRの一歩上をいく、先生と共に価値を生み出せるMRのことをいっています。

お客様自身もまだ気づいていない課題に「気づかせるように導く」為の仮説は、私は最近は立てないようにしています。なぜなら価値共創にならず、お客様との深い関係を作れないためです。また、そもそも「気づかせる」という営業の世界で使う言葉も、傲慢な感じがして好きではありません。英語の文型で言うと第5文型という形です。〇〇に〇〇させるというやつです。それより、「一緒に考えさせて頂いて」結果的に、あっ!そうだね!という点を探して行くのが、私の理解する先生のインサイトを探るであり、インサイトを引き出すということだと考えています。

仮説を立てるのが悪いとは思いません。ただ、先生と難しい話になったら怖い、ちゃんと返事ができなかったら困るという背景で、仮説を立てるのが癖になっているMRの方が非常に多いと感じます。なぜなら、このインサイトを探る為に事前に仮説を立てているのですが上手く話が進みませんという質問が非常に多いからです。そんな仮説は、先生に思惑どおりの患者さんがいなかったり、ご興味がなかったりすれば簡単に崩壊します。また、仮説に強引に持ち込んで、会話が弾むとも思えません。エビデンスは持参しても、仮説は持参しなくて良いと思います。

※価値共創型MRとは弊社の造語で、提案型MRの一歩上をいく、先生と共に価値を生み出せるMRのことをいっています。

 

基本的にGL違反にならないように価値共創するということで納得してしまえば、受講された各MRの方々をみると、特にそこが問題にはなっていないようです。

たとえば、「一緒に治療実績を積み重ねる」はOKですが、「一緒に適応拡大の可能性を探る」はNGなどです。
これは、実際に私が間違えて使って指摘された例文です。効能外NGというやつですね。つまりGL遵守が使命ですので、なんでもかんでも共創すれば良いという分けではありません。

ただ、研修の中でご紹介している価値共創のプロセスで言えば、先生と共に患者さんのことを考えた結果、共に良いと思う成果が生みだされ最終的に「先生のパートナーになる」というサイクルは、多くの製薬会社で言うところの患者さん中心、Patient Centric、Patient Centricity、”A” Patient活動、など様々な言い方をされて目指すところと完全一致しています。そして、研修をする中で多くのMRの方は、なぜそのようなスローガンを会社が掲げているのか、ようやく判ったというようなコメントをされます。そうです、そこを目指さなければ、生き残れないからです。

DXが進み先生もうっかりすると、こちらと同じぐらいの情報をすでに持っている状態では、MRの存在価値がなくなってしまうからです。だから、患者さんを一緒に思い浮かべて、その治療について共に考えるMRを目指して頂きたいのです。プライマリーでは難しいと感じるかも知れませんが、逆に言えば今、希少疾病や特殊な病気の製剤を扱っているなら、マストもマスト、今すぐ「先生お困りごとはないですか?」というこれまでのスタイルを転換する必要があります。

AIが進化して、営業不要論なども一部にはでてきています。そのような時代に優れた成果を出す営業として生き残る為には、人でしか出来ないことをする必要があります。その購買プロセス、決定プロセスにもお客様にとって「楽しい」「嬉しい」「驚いた」などの刺激を「経験」「体験」として差し上げるのが重要だという考え方です。先生に「今日も楽しかったな、〇〇くんとの面談は」と思って頂くのは嬉しいことですが、ただただ、面白いことを言ってウケた楽しさではなく、短い時間であったもプロフェッショナル同士の火花を散らすような会話のやり取りの楽しさ、その楽しい経験を最終的に目指して頂ければ、「顧客のメリット」という点を実感して頂けると思います。

キーワードは、少しむずかしいのですが、「顧客経験価値」です。
マッキンゼーのレポートのタイトルにある「顧客体験はプロダクトに勝る」です。

つまりどのような優れた商品・サービスであっても、お客様が実際に営業と共に体験したという経験には勝てないよという考え方です。つまりお客様にとっての価値共創のメリットとは、My MRくんでは体験できないあなたとの共に患者様、そのご家族様のことを想い考えた「経験」です。そこで感じた「ああ、そうだね!」という「アハ!」体験です。

因みに、私の研修もお客様と一緒に作っています。担当の方に何度か面談させて頂いて「エリア特性は、どうなんだろうか?」「それぞれの皆さんが、困っていることはなんだろうか?」「どうすれば、それが解決できるのだろうか?」ということをお聞きしています。「あっ、そうですね!じゃあここはこうかも!」という体験を一緒にさせて頂いています。だから、研修自体が恐ろしい勢いで毎回変わります。

 

あるひとりの患者さんを思い描いて、その患者さんについて一緒に考えるのが良いと思います。「患者さんを想起する」これが大切。患者さんがいない場合は、特にまだ見ぬ患者さんについて先生と語り合う必要があると感じています。できるだけ具体的に40代女性〇〇病に罹患して3ヶ月、症状は〇〇、中等症バイオ製剤投与中」など、その病気の患者さんがいるかいないか(薬が売れるのか売れないのか)を聞くのではなく、お忙しい先生には申し訳なくとも一緒に考えさせて頂く為に、できるだけ具体的に聞いて下さい。

この患者さんを思い描きながら先生と未来を語り合うのがAIが発達してもMRという職業がなくならないと私が思う最たる部分ですので、これが出来ないとこれからのMRは困るわけです。多くの製薬会社は、すでにこの方向性に舵を切っていて、「患者さん中心」「Patient Centric」「A-Patient活動」「Patient Journey」というゴールを掲げています。

これは、難しい質問です。お互いの気持ちをすり合わせる時間をお客様とのインタラクティブ・ターンと私は名付けていますが、掘下げをしながら、共に何かを生み出せないか探っています。

また価値共創においては、顧客経験価値の創出が重要と言われていますので、相手の感情に合わせてもっと顧客経験価値が生み出せないものか、アプローチを考えます。シュミットという人が論文を書いています。Relate Act Think Feel Senseの5つの要素です。ご興味あれはシュミット、顧客経験価値で検索してみて下さい。

質問全文:先生の価値観を掘り下げていった結果、先生の課題解決や関心事が自社製品ではなく他社製品を使用したほうが、良い選択になり得るなと思ってしまった場合、どのように切り返していけば良いのでしょうか?

回答:「なるほど、先生はそのようにお考えになるんですね」(私はちがうけど)的に相槌を打って、また切り替えしてしまいます。やわらかく受けるのですが、私はそう思っていないというような相槌です。お客様ではなくくても、誰かと喧嘩になりそうな時、でも相手の意見を受け入れられないときは、「あなたは、そう思うのですね」と一旦言います。

営業活動の場合は、そのいっけん拒否されたやり取りの時間も無駄にせずに、そこから掘下げます。「せっかくですから、先生のこのような場合の優先度をお聞きしたいのですが・・・」のようにです。ライバルの製品が強い場合、くじけそうになることも多いかも知れませんが、次は自分の製品の適応拡大があるかも知れません、その時のために先生の価値観(考え方)をしっかり聞くようにしましょう。

ただ、本気で先生と一緒に考えて、それでも他社製剤を使ったほうがいいと2人で結論が出た場合は、その患者さんは、私は諦めるかな。会社には怒られそうだけど、そこは患者さんファースト。これについては、いろいろなパターンで御社の場合は如何ですか?的に質問してみましたが、ある外資系の製薬会社さんでは、きちっと「その場合は、礼儀正しく辞退してよい」というルールがあるとのことで、感動しました。

効果的なDTL/伝え方

印象に残る長さということで言えば、文字数で20文字以内です。短く・判りやすく・エッジのたった言葉を選ぶのが大切です。私の研修でも、短く・判りやすく、エッジのたった言葉・写真(ちょっと他はみないような写真なども)を使っていくことを心がけています。もっと知りたい場合は、引退したジャパネットの高田社長の本、「伝えることから始めよう」を読まれると良いと思います。

研修の中で、先生に信頼して頂くひとつの手法として、戦略的に自分の専門性と人間性を定義しておくこと。その専門性を伝える際は「ちら見せ」すると良いというお話をしたところ、このような質問を頂きました。この方は次のように質問を続けています。

「MRにとっての専門性とは、権威ある施設を担当した経歴や計画達成をした数でしょうか?ただ、これらは対社内向けのような気がします。 対先生(医師)への専門性と考えると担当してきた領域などでしょうか?対医師向けの専門性で思いつくことがあれば教えてください。」

これについては、いろいろ思いつきますが、たとえば、自分の経歴の中でたまたますごい先生と係わったことはありませんか?「私も〇〇地方時代に、〇〇医大の〇〇教授(すごい有名な先生)にしごかれておりまして」
みたいなフレーズをちょっと重要な局面でちらみせするのも、ひとつです。

また、「パーキンソンに関する論文を年間100本以上読むのを今、5年継続していますが、まだまだ勉強不足で先生には鍛えて頂きたいのですが」とか、「うつ病に関するお役立ちメルマガを毎日配信しており、すでに〇〇施設xxxx人のドクターに喜んで頂いています」というようなことです。

自分のことだけでなく、会社としての専門性や会社としての能力もちら見せすることができます。「手前味噌ですが、弊社〇〇領域には毎年〇〇万ドル研究開発費をつぎ込んでおりますので・・・」とか「弊社も医薬品を提供して今年で90年でございますので」とかです。これを、どのように嫌味なく相手に伝えるのがベストなのかの練習もしておいて下さい。

私は、製薬会社さんの研修を引き受けると、まずは主力製品の製品名と一般名と効果効能、禁忌、発売開始日などを確認して、つぎに競合の製品を調べて行きます。製品名をずっと使いながら、みなさんとの質疑応答などのやり取りの中で一度だけ、長い長い一般名をスラスラ言ったりすると、みなさんの印象に残りませんか?ひとつ手の内を見せてしまいましたが、他にも沢山研修内でのしかけをしています。商談も同じです。

そのまま使って安全性と有効性をGL遵守で説明したら15分はかかりそうな資材が殆どですよね。みなさんに出来ることはなんでしょうか?

ルールだからと2度めの商談でまた同じ資材で説明していませんか?同じものを出されて同じ順序で説明されたら、3度目のアポが取れなくなりますよ。また、先生に説明するときにスライド出さないと落ち着かないのか、目次(アジェンダ)のページを表示しっぱなしにして話していたりしませんか?そのようにGLやコードのルールを守りながら、出来ることを改善するだけでも、効果があると思います。また、中身は変えられなくても、最初の15秒と最後の30秒を工夫したほうが良い結果になります。

講師として私が心がけているのは、みなさんには全く応用できませんが、1スライド1メッセージです。また何かを伝える時に「写真」で表現します。皆さんのパワポは字がびっしりで、下手をすると4分割でグラフが4つのようになっています。他業種に比べても、なかなかない形です。一番近いのが官庁系のパワポですね。ちなみにIT系は30枚などやたら枚数が多いです。私のパワポはスカスカです。その代わりハンドアウトはびっしりの時もあります。手元資料を別に添付する、もしくはお渡ししてポイントを話すというイメージです。

あります、だいたい1分間に300字程度です。10秒で50字ですね。私は結構10秒50字、ちょうどぐらいです。
ただし、私の場合、同じ10秒50文字でも、みなさんが飽きずに聞けるように緩急をものすごくつけていますので、ちょっと普通は違うかも知れません。早口でも緩急、いわゆる抑揚がしっかりしていると分かりにくいということはないので、駄目ではありません、相手の様子が伺えない電話で早口になると、いいことないですよ。電話をする前に自分の前に鏡を置いて笑顔を創りながら話をすると、対面で話すときの間に近くなるので、おすすめです!

効果的なDTL/聴き方

みなさんは、KOLドクターやキークライアントが決まっているので、できるだけ祈って(SOV)帰って来るのではなく、軽めクロージングまでは行ったほうがいいと思います。逆に、相手に変化が見られないのは、それまでの面談の過程で何か上手く行っていないからかも知れません。共感が足りなかった、途中で(研修内でいうとオウムとカエルのところで)話しが十分はずんでいなかった・先生の価値観を十分聞けていなかった・心を動かすトークで未来を見せていなかったなど、面談の過程で自分の力不足がなかったかどうか点検して下さい。

話を弾ませ相手との距離を縮める「言い換えトーク(研修内ではオウムとカエルトーク)」は、短い時間で面談を垂直立ち上げして、インサイトを探るプロセスに入る為には必須のスキルです。でも、明らかに答えるのが面倒だから、「そうだよ」と先生が合意されているパターンは難しいですよね。

結論は、小さな石を積み重ねるです。野球であればホームランではなく、バントで進みます。相手が先生ですので、立場をわきまえつつ試して頂きたいのですが、私の場合は「そうだとしたら、〇〇ですよね」「そうだとしたら、この場合はいかがですか」的に私は、その小さな合意をつなげていきます。応酬話法というのとも異なります。そんな反論をいちいちしていたら、相手の本音(みなさんで言うところの先生のインサイト)は見つけられないからです。その小さな合意を積み重ねた後、「先程〇〇と先生おっしゃいましたが」という方法で少し間をあけてつなげてみて下さい。適切な質問ができるかできないかは、スキルですので、ある程度実践をつんでいくことが必要です。

私は、そのような場合はプロセスを見直すか、ちょっと強気に出るかのどちらかです。

良く顧客を4つのタイプに分類せよとか言いますが、大前提として、先生に合わせて、先生をよく見て、「いかにして心地よくお話し頂くか?」を考えるのが重要です。

話が弾まないときは、まずプロセスの頭に戻って「共感が弱かったかも」、またはその次のプロセスの「話しをオウムとカエルで弾ませる」のが弱いまま、価値観を聞いてしまったかもと、少し前のプロセスに戻って、「反省」するようにしています。

また、本当に「オタクの研修はどんなものがあるの?(早く話せよ、忙しいんだから)」的なお客様や共創して新たなものを作る気持ちのないお客様は、こちらからお断りしてしまうので、あまりそのような目に会うことはありません。

昔読んだ神田昌典さんの書籍「非常識な成功法則」で、彼がとてつもない大きな商談を決めたコツは、「興味がなさそうですね」と商談途中でノートを閉じて他に話しを持って行きますと帰り支度をはじめたことだと書いてありました。

「突破せよ!」を出版する時、医薬経済社に電話した際にその手法を使いました。なんのご縁もない医薬経済に飛び込みで電話をして、電話を出た人が面倒くさいというような感じだったので、「ご興味なければお断り頂いて結構ですが、このまま東洋経済さんにこの企画持ち込みます」とちょっとだけ(かなり)強気にでまして、すぐに提案書が社長まで行き4日で出版が決まりました。

同じところを回る、ルートセールスであるみなさんには、難しいと思いますが、そのような時に「先生この件については、あまりご興味ございませんか?できれば私もお忙しい先生のご興味のあることに絞ってお話しさせて頂きたいのですが」というような失礼なことを言う前(または後ろ)のクッション言葉、「私は、先生とご一緒に〇〇病の患者さんに笑顔の戻る生活をサポートさせていただきたいのです」などのボキャブラリーをそういう先生には用意しておかれても良いかもしれません。

「と仰いますと?」の方がご自身が流れが良いと感じる場合、そこを無理に変える必要はないと思います。私も相手が発言して自分に有利なことだと、わざわざ「今、〇〇様、XXXとおっしゃいましたが、それはつまり?」などど、わざと使うことがあります。

ただ、大丈夫だと思いますが、研修の中で価値観を掘り下げるという話しを聴き「掘り下げ質問」という言葉で「と仰いますと」という言葉が即浮かんだのでしたら、ちょっと補足があります。

私がもっと猛々しい営業をしていた20年以上前に流行った提案型営業の手法で「顧客に課題を気づかせる」というのがありました。その手法では、よく相手にしゃべらせる魔法の言葉として「とおっしゃいますと」で掘りさげなさいと言われました。この考え方ですと「お困り事」の掘りさげになるので、私の考える「価値共創型」、一緒にお客様と考えるゴールまでたどり着けないので注意が必要です。

書籍では、P20の「使役言葉」を脳内変換というところで、製薬業界にまん延する1980年代のアメリカで開発された営業スキルとして言及しています。

相手に「良く聴いてもらっているなぁ」と感じてもらっている効果を検証するには、いったんご友人かご家族でなにか一つの話題を選んで、「と言うと?」(「と仰いますと?」)で返す時と、「つまり、そういう風に感じているだね」で返した時の反応の違いを比べると面白いかもしれません。どちらも、良く聞いてもらったと感じることと思いますが、後者の方が、相手の立場にたって一生懸命考えないと出てこないので、その分「聞いてもらった~」となるのではないでしょうか?ぜひ実験をしてみて下さい。

これは、研修内の演習で先生に禁忌を聞かれた際に、禁忌を答えただけでは、ただの御用聞きになりますので、そこから会話を広げて先生の価値観(理想・判断基準・最優先事項)のひとつでも聞き出すようにして下さいとお伝えしたことに対する質問ですね。参考例をひとつご紹介します。

はい、〇〇の禁忌は〇〇と〇〇です。
先生、対象の患者さまがいらっしゃいましたか?(なぜ聞いてくれたのか?)
ドクターの答えを待って、、、私共も、この製品をまだご自身の病気に気づいていない多くの患者さんに
お届けしたいと考えておりますが(クッション言葉)、先生は〇〇の患者の疾患啓発には、どのようなことが大切だとお考えですか?(掘りさげ質問)

と展開します。禁忌を聞かれて〇〇と〇〇ですとだけ答えた時とは、情報量が雲泥の差です。みなさんも良い展開をぜひ考えてみて下さい。

まず、ひとつ手法としてお伝えしたいのが、そういう人も考えている可能性があると信じて、こちらも口を閉じてみることを試すことです。人は考えをまとめるまでに平均12秒かかるそうです。そういう先生だと、どうしよう、どうしようと焦ってこちらから話そうとすると、相手の考えは判らないままです。うちの息子が病気?というほど親に似ずに引っ込み思案というか、控えな性格で彼と話す時は、私のペースでは絶対口を開きません。このように人にはタイプがあるので、その場合ちょっと待つというのもひとつの手段になります。

排他的な先生というのは、世の中すべてに対して拒否なのでしょうか?それともMRにだけ排他的なのでしょうか?先生にもご友人やご家族もいらっしゃると思いますので、思い切って会話でジャブ(試し打ち)をしてみて下さい。そして、会話の最後にパーソナルタッチをしてみて、次回のきっかけを探ることも有効だと思います。

価値観とは、理想・判断基準・最優先事項などをさしています。さて、大切にしていることですが、無理なくお話頂けるように、クッション言葉を工夫することがまずひとつ。

  • クッション言葉:この病気の患者さんのQOLを上げるサポートを私もさせて頂きたいのですが
  • 価値観掘下げ:この疾患の治療で先生がもっとも大切だと思われることは、どのようなことですか

また、掘り下げるだけ掘下げたつもりで、実は会話が広がりすぎないようにコントロールすることも大切に思います。いわゆるとっ散らかった状態にならないような注意です。ただし、お客様が(みなさんの場合先生が)最初に言ったことが一番重要とは限らないので、あるところまでメモを取りながら聞いたら、「〇〇と〇〇と〇〇ですね。この中で・・・」と自分なら、小さくまとめて、またそこからお話を伺って掘下げていきます。

注意点は、あまり早いうちに、ひとつのことを掘下げないということでしょうか?

やったことがないものは、不安ですよね。しかし、この「話しを弾ませる」ところで共感を生み出しておかないと、先へ進んだとして、あまり良い結果になりません。共感できない相手に自分の本音を言ったり、共感できな相手からクロージングされたくないからです。この「共感」を創り出すということを、短い時間でいかにやりきるか?がとても大切です。

研修内で先生の価値観(理想・判断基準・最優先事項など)を聴く際に、例文にも、判りやすく全部「そもそも」を付けましたが、付けないでご自身の慣れ親しんだ言い方で大丈夫です。聴きたいのは、そもそもの先生の価値観です。

怖いかもしれないけど、現場で試すのが1番です。同じ質問を沢山頂きますが、これ私に「はい、ロープレが効果的です」と言って欲しいのだと思います。製薬会社のMRのみなさんは、本当に慎重な方が多いです。言い換えればいきなり学んだことを先生のところでやるのは怖いのです。

でも、「量質転換」なのです。沢山やってみて、自分でカスタマイズして、また沢山やってみてが大事です。そのように回答すると、だいたい「でも、柏さんのような飛び込みセールスのできる人と違って、僕ら行き先決まっているんです」という回答が帰ってきます。そういう方に限って行くべきキードクターの中で30%以上、接触できていないところを残していたりするのです。現在関係ができているところだけでなく、まだまだ新しいやり方を試してみる施設は残っていませんか?ドクターだけでなく、広く医療従事者と考えて見るとどうですか?

そういう場合はあります。そのような場合でも、こんな風に考えて下さい。それは、聞き方がざっくりしすぎて答えにくかったのだと。だから聞き直せばいいです。英語を学び始めたころ、外国の方に話かけて「え?何?」と聞き返されて焦りましたが、だんだん慣れて来ると、よく考えてみれば日本語の普通の会話でも「え?何?もう一回言って?」と聞き返されるので、え?通じなかった?と焦るより、落ち着いてその場合もう一度聞けば良いだけです。

また、切り返すフレーズを言う際のクッション言葉もいくつか、自分の中で用意しておきます。

その際、なぜ先生にそれを聞きたいのか、短くクッション言葉で付け加えると効果的です。「先生は、〇〇の治療に関して重要視していることはなんですか?」「うーん」(人は考えをまとめるまでに12秒かかると言われています、まずは落ち着いて」「私は、〇〇病で多くの患者さんを診られている先生のお考えをぜひお伺いしたいのです」

私の場合、「痛い目に何度もあったから」身につきました。
覚えているものでは、前職のFranklinCovey時代、「〇〇研修紹介して下さい」という問い合わせに対して訪問した先で、一方的にある研修の説明をしてしまい「ガツガツしないでくれる、FranklinCoveyなんだからさ」とものすごく馬鹿にされた言い方をされたことです。

あとは、小さな事ですが、笑顔も研修の時は「笑顔ドメ」ではないですが、話の最後に口角をあげて笑顔を止めるような表情を多用しますが、商談の時には、笑顔の最後をゆるやかに、もやもや(あ~説明できない)ふんわりという感じに緩めて終わらせます。

相槌も研修のときは、力強く1回ですが、商談では、ゆるやかに小さく2回連続的な相槌をすることが多いです。(口で説明するのが難しすぎますが)たぶん、商談で力強く1回の相槌をたくさんすると暑苦しい感じになると思います。ここでも、お客様に心地よくお過ごし頂くにはどうすれば良いかが判断基準になります。

※本を読まれた、もしくは研修に参加された方しか判らない質問ですみません。

ご質問の方は、私の説明が至らなかったために、おむすび・おにぎりと、オウムとカエルが混乱していますね。タイプの問題ではありません。

おむすび・おにぎりは、相手がおむすびと言っていたら自分がおにぎりだと思っても、面談中はおむすびて通しましょうという話でしたね。相手が大切に想っていることばや、普段何気なく使うことが癖になっているような言葉をみつけて、お客様と同じ言葉・同じ用語でお話しすることが大切です。お客様に商談中心地よくお過ごし頂くためです。

一方、オウム返しとカエル返しは、話を弾ませる工夫のところででてきました。相手の言葉をそのまま返すのをオウム返し「忙しかったよ」「忙しかったんですね」。そこから、さらに相手の感情に着目して、気持ちや言葉を言い換えるのがカエル返しです。同じ言葉を繰り返すというオウム返しと「おむすび・おにぎり」は根本的に異なります。

 

「私が一方的にお話させて頂きましたが、ここまでご質問はありますか?」「ないよ、つづけて(早く終わらせて)」
みたいな展開ですよね。まずは、先生に話しかける時間を意識します。

一方的に話をして良いのはオンラインの場合では5分が限界です。自分のタイムマネジメントのまずさで、相手を退屈させていないかをチェックします。また、そもそもですが幾らさまざまなルールの中で活動されていると言え、面談の時間をあげると、また製品の説明を最初から安全性・有効性偏りなくされたら先生もたまったもんではありません。

そのような状況は、すべてクリアできているとして、私は切り替えの質問を二方向から用意しています。

ひとつは、お客様が興味を持たれるであろう「核心の質問」。例えば「〇〇大学の〇〇先生のところでは〇〇ですが」「ところで、最近〇〇に係わるMRランキングがでましたが、1位は・・・」のような「ところで」が頭につくようなイメージです。

もうひとつは、「チャーミングな切り返し」というものです。ご興味がないのであれば、ここで終わらせましょうというような展開なので、行く施設が決まっているみなさんでは活用が難しいかも知れませんが、チャーミングに「ご興味ないですか?では、この話はやめましょう。最後にひとつだけ質問させて下さい」のように展開します。

実際の質問はGL遵守でお願いします。

質問の続きは、「真っ先に患者さんの『数』をイメージしましたが、『困った患者さんがいた』とか『難治例に当たった』という可能性もあるのではと感じました。」というものです。

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もちろん、先生の様子から「あなたが感じたこと」をぶつけて見ていただいて良いと思います。
「難しい患者さんが多かったのですか?」というようなイメージです。

それが、当たる外れるより「気持ちを察する」MRになることで先生との距離を詰めていけると思います。だから、内容の言い換えというよりご自身の対話のレベルを上げるためには、先生の気持ちを察する練習をした方が良いと思います。気持ちを察するなどと言うと、なんだか昭和の営業的回答で申し訳ないですが。そのような小さな事を速やかに積み上げて行くことだと考えています。

という回答をアンケートではしましたが、ここで気になるのが、なぜそこまでディテールに拘ってしまうのだろうか?というところです。製薬企業は営業職に対して、非常に手厚いケアをしています。特に大手製薬企業は、ありとあらゆる想定トーク集やスクリプトが用意されている印象です。それは、GLやプロモーションコードを逸脱しないためでもあります。だから、MRは常に上から何かおりてくるのを待つようになってしまって、そうこうしているうちに「現場の状況で自分で考える」という営業として大切な能力の劣化がはじまっている状況です。こういう、この場合はどうしたら良いですか?この場合だったらどうですか?というすべての状況が、気になる方は劣化進行中の可能性があります。

質問続き:「該当の患者さんが来たらね。」と言われたら・・・その際に疾患啓発の環境づくりを一緒にしていきたいと話をしても、「そこまでして疾患誘導はしたくない。自然に任せたい」という先生も多くいます。その際はどのようにクロージングをされますでしょうか。   また、疾患啓発(ポスター掲示等)をしていただいていても、患者がこない。訴えがあれば処方をするよと一向に採用まで結び付かない際のアプローチの指針等をお教え頂きたく存じます。

「(研修)ニーズが上がってきたらお声がけしますね」と私もていよく断られますよ。だから常にやり方を工夫して、再現性を高めるようにしています。

会社の戦略として、〇〇という薬の診断推進をという場合もありますよね。これまでに、あるワクチンの疾患啓発活動をお手伝いしたことと、これまで全く処方薬がなかった、実は患者さんも病気とは認識していなかった製品の発売のお手伝いをしたことがあります。

具体的に考えると、こちらの「この資材で疾患啓発をしてもらいたい」ニーズが相手に響かない状態ですよね。分解して考えてみましょう。

1 熱意の見直し

疾患啓発のような息の長い仕事(時間のかかる仕事)では、自分のモチベーションが下がらないようにすることも大事だと思います。なんのために、この仕事をしているのかという自分の想いは明確ですか?その想いは必ず伝わるものだと私は考えています。具体的には、断られた時に自分の熱意を伝える「短いフレーズ」(ここ大事)が用意されているか?ということです。このワクチンを通じて先生と共に患者さまとご家族様の未来を変えたいというような「未来に向かう」フレーズがおすすめです。

2 時間を無駄にしない工夫

せっかく頂いた貴重な時間、その時間で先生の〇〇病に関する価値観(理想・判断基準・最優先事項)を伺いたいので、それを引き出すフレーズ。(いきなり聞かずクッションになる言葉をセットで入れる)

3 その先生だけでなく周囲にも丁寧に「想いを伝える」

もうやっていると思いますが、先生だけでなくその施設の医療従事者の方にも丁寧に啓発活動を私ならします。いつもなら、すぐにイエス・ノーの答えが欲しいのですが、このような疾患啓発に関わる場合は外堀も埋めると思います。ある疾患の仕事をするのに、実は私もその疾患の傾向があったので近所の病院にいって話を聞いたことがあります。自分の処方して欲しい製薬会社さんの製品をなんとかゲットして、会計を待っている間に「ご参考までに」と看護婦さんから別の製薬会社の同種同効薬の資材を渡されました。その製薬会社さん、流石の売上なのですが、実際やられたと思いました。

病気によっては、年間新患数20人から25人ということもありますよね。
「対象患者はいないよ」、「そうなんですね、せっかくですから先生の〇〇症に対する治療で重視されることを教えて頂けませんか?」などと、そこから価値観を掘り下げることに毎回チャレンジして下さい。簡単に引き下がらないでくださいね。

掘り下げて聞きたいのは、先生の理想・先生の判断基準・先生の最優先事項です。それぞれ治療に対してや薬剤選択についても同じように先生の考えを理解しておきたいです。ただし、どの先生にも、せっかくですからぐらいでこのような先生の価値観が聞けるかと言えばNoですので、その先生に合わせたクッション言葉を用意しておきたいです。

「対象患者さんいらっしゃらないですか。では、せっかく頂いた時間ですので地域で一番〇〇病の患者さんを見られている先生にこそ、お伺いしたいのですが・・・・・・」のように展開できるフレーズです。私も、行き詰まることが多いので、いろいろ用意していますが正直それほどバリエーションがあるわけではありません。大事なのは相手に合わせて使うことと、噛まないで淀みなく言う事です。

他の方の質問でも応えていますが、患者数が少ない、または現在はいないというような疾患啓発の場合、時間のかかる仕事になりますので、自分の熱意を伝えるためにも、自分の想いを明確にすることも大切です。

 

質問:先生に、「治療の際に何を一番に考えているかや薬剤選択の理由」を質問した際、あいまいな返答や、何となくかなといった返答の場合、もっと具体的な質問を行い、「Yes、No」で返答できる方法に変えた方がよろしいのでしょうか?

具体的に聞かないと具体的な返事は来ないです。私は、スランプの頃に具体的に聴くための各フェーズのフレーズ集を作って持ち歩いていました。ただし、一般営業と異なり先生がお忙し過ぎて・・・ということもあるので、その場合その先生に合わせたエッジのたった聞き方をしているかどうかも重要です。

オンライン面談

上司はアポを取る時に「上のものが先生のお話しを是非直接お聞きしたいと」と利用しておいて、実際の面談では、自分がメインでお話ししましょう。その方が、自分自身も成長できますし、先生と最後までやり取りするのは、自分自身ですから、先生との関係ということでもメリットがあります。いつも上司が話すのは、おそらくあなたが話さないからです。

上司にとっても、そこでどうしても一症例欲しいというようなKOLの先生でもない限り、あなたの話しを横で「冷静に聞いて」大事なところでサポートしようと考えているはずです。だから、面談前にどちらがメインで話すか上司の方と作戦を練り、遠慮しないで話ましょう!
オンライン面談については、ものすごく簡単に言うと「声が命」ということと、「映えと盛り」が大事です。

まずは、手振り(ジェスチャー)を多く使うことです。人は動くものを追いかけるためです。そのために、オンラインの場合でも私は画角を若干引き気味にして、必ず手も映るようにしています。手の向きによっても、相手に与える印象は変わります。手の平を見せると「あなたを受け入れていますよ」のサイン。手の甲を見えて抑えるような動作をすると「断定します」の動作です。

表情は、私は好奇心全開でオーバーリアクション、かなり派手にくるくる表情を変えています。プレリードックという動物に似ています。草原で背筋を伸ばして目をキョロキョロする小動物です。お客様に「興味があります!」という事を身体全体で表現するイメージです。もちろん、これは個人差もありますし、学術的なエビデンスの話をする際は、抑えめなど工夫が必要だと思います。

また、男性には全く役に立たない話ですが、マスクの場合の対策で美しく、しっかりと眉がかけるアイブロウなど化粧品を変えました。最近は、男性も専門のサロンで眉を整える方が増えているようですよ。

スライドを映しっぱなしにするのは、本当にやめた方がいいです。スライドを映しっぱなしにすると相手の画面が小さくなって、本当に相手が考えていることや微妙な心の変化をつかめなくなります。

また、文字がいっぱい詰まったスライドで重要な所が赤字のもの(しかも真っ赤な赤)などもできたらやめた方が良いでしょう。こういうスライドをお使いのところが本当に多いのです。

私は赤・青・黄色の原色は危険色と言われ相手に良い印象を与えないので、重要な所で赤字にしたい場合でも、くすんだエンジっぽい赤しか使いません。ただし、PPTの資材は、MRさんは順序すらも変えることができない場合も多いと思いますので、臨機応変でお願いします。

対面面談では、「お客様の顔もろくにみない」で、「カチャカチャと音を出す事」が問題だと思っています。しかし、Web面談でブラインドタッチができれば、単一指向性(片側からしか音を拾わない)のマイクを使ってマイクの後ろにキーボードをおけば、ガンガン打っても大丈夫です。

ただ、キーボードを打つ時に顔に力が入ったり、手の動きが画面に映っていると「集中してお客様のお話を聞かせて頂いています」という演出ができなくなりますので、そこはネガティブなポイントになります。オンラインの場合特に視覚情報が少ないので、魅せる情報をましましにするために、対面より積極的に手も使って「身振り手振り」もしますが、こちらもキーボードを打っている人にはできないことになります。

良く保険会社のできる営業が、契約書をこちらに向けて反対側から逆さまに日付などの字を書いたりしますが、私も対面営業のスキルとして、相手の顔を見ながら手元のメモを取るというスキルを習得しています。完全ではありませんが、手元の場所だけ確認したら、字がちゃんとかけます。また、そのメモは、スキャン(スキャナーがデスクの横にだしっぱなし)をして検索可能なPDFに変換、EverNoteというアプリでオンライン上に分類、保管しています。

 

機材は、会社が買ってくれないとか言っていないで、これからの時代、オンラインで成果を上げるのはマストなので、絶対良いものを買ったほうがいいですよ。

カメラはロジクールストリームウェブカム、マイクはおなじくロジクールのYeti Nanoです。
カメラが値上がりしていまして20000円ぐらい、マイクは15000円ぐらいです。トラブル対応の為に、全部2個づつ。
会社が火事とか一斉停電になると怖いので、自宅にも1セット、都合3セット持っています。
ロジクールウェブカムは、ロジクールキャプチャーという専用ソフトで温かみのでる色目にするなど、さらにカスタマイズしています。
オンライン面談のコツは、書籍「突破せよ!」で、ページ数を最大限に使って解説しています。

クロージングのコツ

テストクロージングというのは、お客様が興味があるのかないのか、途中で試しに聞いてみることを言います。セミクロージングという言い方もします。私の場合は、「仮にこの研修を導入されるとすると何月ぐらいがベストですか?」とか「ご予算をいったん脇においたとするば、現時点で〇〇様はこの研修を導入されたいとお考えですか?」など多くのバリエーションがあります。ご自身でも例文をいくつか考えておいて下さいね。

アンメットメディカルニーズを解決する会社の方向性からすれば、今後その狭い部分で勝負することが多くなると思います。その際に、仮説を立てすぎない方がいいよと質疑応答でも答えています。あくまで私見ですが、あまり狭い所にこだわらなくてもいいと考えています。先生の価値観(理想・判断基準・最優先事項)を引き出す質問をしたり、そこから先生のインサイトを引き出す方が重要ではないでしょうか?毎回「先生、〇〇病の中等症の成人の患者さんいらっしゃいますか?」という入り方で、「その患者さん、いま、いないよ」という展開では、先へ進めなくなったりしますよね。もちろん大切な1DTLですので、そのような場合も大切な1DTLを無駄にしないように、先生の価値観(理想・判断基準・最優先事項)を「そうですか、失礼しました。でも、先生せっかくご診断事例を豊富にお持ちの先生とお話できたので、ぜひ伺いたいのですが、先生は、〇〇病の治療において、どのような点を重視されておられますか?」みたいなトークで、切り込んで頂きたいです。

ぜんぜん駄目ですね。私なら、クロージングでYesだったら、何例使って頂けるのか、薬局にまずどの容量を何本入れるのかなど詳細をお聞きします。大病院だったら、薬剤部にはどのようにつなぐのかとか、詳細を決めることはたくさんあるかと思います。

「おうちに帰るまでが遠足です」。Yesをもらっただけでは、売上伸びません。そこからの勝負も勝ち抜いて下さい。コロナでの新薬上市は、採用はされるけど、処方が伸びないという話を良く聞きますが、言い訳です。毎日会えていた時と同じように、次の訪問で使用感を伺おうなんて、ゆっくり考えているから進まないのでは?と、「私は」いじわるなので考えてしまいます。新しい時代はスピードが大事です。特に大病院の場合、以前のように翌日また行くということはできません。その場でできるだけ話しを進めてください。

せっかく頂いた時間が独り相撲ような状態で終わるのは辛いですよね。でも、そもそも、相手に変化が見られないのは、先生の性格のせいでも、製品力のせいでもありません。自分のクロージングプロセスにおいて、どこかにボトルネックはなかったでしょうか?共感が足りなかった?やり取り力、話を弾ませる会話(研修ではオウムとカエルのところ)で話しが十分はずんでいなかった?先生の価値観(理想・判断基準・最優先事項)を十分聞けていなかった?心を動かすトークで未来を見せていなかった?など、面談の過程で自分の力不足がなかったかどうか点検してみて下さい。

みなさんは実際に製品を販売するわけではありませんが、エスキモーに氷を売れるのが真の自立した営業です。私ですか?へぇというところにも仕事に行きますよ。研修会社に営業研修を販売したり、コンサルに入ったりしていますが、これなど、エスキモーに氷的な販売ですね。

もう判ります!私が、そうだったので。また、私の場合、余裕のある時はできても、たとえば競合で強いのがでてきたりして、自分が焦ると余計にクロージングが強くなります。そもそも、説得しようとか思わない方が結果はいいですよね。

私の前職はFranklinCovey社という世界的に有名なコンサル・研修会社で、そこで12年間研修の営業をしていたのですが、なかでも痛い思い出は、興味があると言われて伺ったお客様のところで、お客様の想いやお考えも良く聞かないで、早めで強めのクロージングをかけてしまい、「ちょっと、FranklinCoveyなんだから、そんなにがっつかないでよ!」とお叱りと受けたことです。もうその時の応接室、光の入り具合、すべて思い出せるほど強烈に恥ずかしい経験でした。穴があったら、入りたいどころではなく、穴を掘りまくって地球の反対側まで行きたい気分でした。

みなさんの場合お忙しい先生相手で焦る気持ちもあると思いますが、クロージングの確率をあげたいと思うならば、急がば回れ。テストクロージングは、本当に軽くから始めたほうがお得だと思います。さじ加減を練習してみて下さい。言い方も大事です、未来を一緒にのぞいてみましょう。もう一度言いますが、大事なのはSOVではなく、毎回きちんとクロージングをかけること、いきなりかけるより、テストクロージングでワンクッションがお得です。

まず配分を考えておきます。簡単に言えばずっと話しを聞きっぱなしだとクロージングできないので、最後にクロージングの時間を〇分取ろうと最初から計画します。

それよりも、ひっくり返すとか、こちらのペースに巻き込むとか、そもそもベースとなる考え方が相手を倒しに行くようなお考えなのが、少し心配です。戦うのではなく、「先生と一緒に患者さんのことを考える」という考え方の方が良いと思います。ただ、このような言葉は、ガツガツしていて言葉としては、私はとても好きです。

 

信頼関係構築

私の自分ブランディングを選ぶ基準は、儲かるか儲からないかです。また、私の営業の基本姿勢が、「お客様に心地よくお過ごし頂く」ということですので、もう少し配慮した言い方をすると「お客様が心地よいか、心地よくないか」が基準です。
みなさんの場合は、こういう人に見えた方が、「処方頂けるか、頂けないか?」が基準になるのではないでしょうか?第3者ではなく、自分で決めた「こう見えた方が儲かるはず」という定義です。

短い時間で相手との関係性を構築するためには、戦略的に自分をどのように魅せるかという「自分ブランディング」が重要です。自分の能力をどのように見せたいのか?自分の人間性をどのように見せたいのか、わけて考えるのを研修ないではおすすめしました。特に営業であれば意識したい点というのは、それぞれの方の個性もあるのでマストの部分はありませんが、自分だったら「どんな営業から買いたいか?」というのは、ひとつの基準になると思います。また、留意すべき点としては、会社が組織として、戦略的に自分たちが、どう見えた方が良いかということを、決めて公にしていると思います。経営理念とか、ミッション・ビジョン・バリューとか、パーパスとか言うものです。所属組織の方針などもあるかも知れません。「患者さんによりそうMR」のようなスローガンかも知れません。そのような組織におけるビジネスの優先順位であったり、企業の価値観だったりに基づいて決めると尚良いと思います。

「チラ見せ」です。初対面でも信頼関係を一気に構築できるように自分をどのように魅せるかのブランディングをしたら、それを言いたくなるかも知れません、パワーポイントのトップページに自己紹介とか付け加えたくなるかも知れません。でも、これNGです。実はあえて発信はしません。効果的な使い方はチラ見せです。トークの中に織り込むのが癖になっています。アンケートにも、「他社含む〇〇〇〇名を超えるMRの方に同様の研修を行っていると考えると末恐ろしく」なったので、自分を磨きます!というような事を書いてくださった方がいらっしゃいましたが、これも、自分の営業の癖でうっかり研修内でも言ってしまっただけで、脅かしてすみません。累計なのでたいしたことはありません。

その先輩の言うように、短い自己紹介の中でそれが表現出来たらいいですね。でも、親が〇〇病だったのでとか自己紹介では重すぎる場合もありますよね。また、おっしゃるようにすでにお付き合いのある先生には、そこからあえて「自分がMRになったきっかけの話」などし始めたら、殴られそう。(笑)結局自分のことを長く話すことは、相手に取っても負担なので、私は自分のことは最小限、あくまでそいう事は、商談中にチラチラと織り込みます。もともとドクターは、患者様の役に立ちたいので、患者さん以外に使う無駄な時間を恐れているとも言えます。私は、自分のことを、どのように話すかということよりも、その人に響く熱意を工夫して事前に仕込むという事前準備をしています。そのお客様にどのくらい好奇心を持っているかは、結構伝わるものだからです。みなさんの業界だと、小さなことでも熱意は伝わるので、研修をするその会社の製剤だけでなく、競合が何社あって、その薬はなんという名前で、それぞれどのような特徴や適応があるのかまで調べておいて、ここ大事なのですが「必要に応じて」使います。殆どの場合、それらの情報は使われずに終わりますが、その一瞬のやりとりで、深く相手を調べているのが伝わると、「熱意」が伝わることが多いです。

アイスブレークのパーソナル・タッチは、できるだけ短くを意識しています。「早くはじめろ」と思われたくないからです。対話後は、一言投げて戻ってくれば時間を気にせずやり取りしますが、デメリットになった記憶はないです。つまりパーソナルなことに少し触れてみて相手との距離を縮めるパーソナル・タッチは対話のはじめより、対話後の方がみなさんの場合より効果的だと思います。

もちろん閉口一番「先生!今日も輝いていますね!」というような超絶短いパーソナルなるなことに触れるのは良いと思いますが、ここで言うパーソナル・タッチは、もう少し展開したい場合です。「先生、今日もロジカルなお話ありがとうございました、私も先生のようなお話の仕方学びたいです、どのような学びが先生のようなお話の仕方に近づくのですか?」とか「おすすめの書籍などありますか?」など普通の話から「今日の先生の〇〇病のお話とても深くで感動しました、先生は学生時代からこの疾患にご興味を持たれていたのですか?」的な話など、ちょっと深掘りするパーソナル・タッチの話です。

はい、私は必ずメールにも、最後にパーソナルタッチを入れて感情を表現するようにしています。相手の個人的なことに「今日の〇〇のお話、ものすごく楽しかったです」というようなものから、「〇〇様のロジカルなお話ってぷり、今日も素晴らしく、キレキレのトークのやり取りを楽しませて頂きました」みたいな、ちょっと踏み込んだものまで、さまざまです。

あまりに仕事と関係ないときは、「追伸」として書くこともあります。ただ、追伸という言い方は本来目上の方には失礼な言い方だそうですが。このちょっとした楽しいやりとりの為に、メール何往復もしてしまうことは良くあります。私は年に数回ですがメールマガジンを配信していますが、そのメールマガジンは30%ぐらいが事例の更新などの仕事の話で、その他は追伸と称した、個人的なネタバレ話ばかりです。いつの間にか「いつも長い柏の追伸」とか、「仕事と全く関係ない柏の追伸」などというタイトルで追伸を書き始めますが、どうやら追伸だけを読まれているお客様も多いようです。

それでも、お問い合わせやご注文を頂く際は、みなさんメールマガジンに返信する形で下さるので、このくだらないメールマガジンが私にも、お客様にも役立っているようです。

楽勝で第一選択薬決定!といかない場合、同種同効で同じ製品がいくつもある場合、差別化には工夫が必要ですよね。この質問をして下さる時点で、ご質問者の方はかなり有望です。

先生のタイプもいろいろあるので、熱意で上回れば良いかといえば、ケースバイケースです。でも、熱意だけあっても、暑苦しくないですか?熱意だけあっても、専門性がなかったら、話をするだけ無駄と先生が思われませんか?

証券会社や保険会社の営業のように、結局みんな売っているモノ同じじゃん、という状態ですと「お客様にいかに心地よくお過ごし頂くか」とか「自分を売り込め」が強くなります。だから、不動産や保険の営業はプレゼンを始める前に、自己紹介のパワポだしたりします。いきなり自分を売り込まれたら暑苦しさも倍増、私など、早く説明しろよ!ってそのような展開では、いつもイラッとくるタイプです。だから、自分も嫌なことはお客様にもしたくないので、商談中に自分の能力を「はさみ込む」という手法を取っています。

私のおすすめは、自分や会社の能力と自分の人間性をバランス良くおりまぜながら、自分の想い(熱意)をお伝えしていくという手法です。相手の動きをよく見ながら、どれをどこで見せるかは、よく考えてください。みなさんは、製品を売るのではなく、インテリジェンスを売るお仕事に近いのですから、持っているエビデンスの見せ方もこれと同じです。最初から、今日お持ちした新しい症例、エビデンスは・・・・といきなり話はじめてしまうより、先生との対話の中で、「先生、それなら・・・・」とタイミングよく出した方が効果的ではないですか?

 

 

同種同効の製品が他にも沢山ある場合、差別化の為に自分のインテリジェンスを最大限活用して先生に他社より有益な担当疾患に対する情報提供をしつつ、人間性の部分でも「あいつなら」と言って頂けうように差別化が必要になります。先生のタイプも色々なのでケースバイケースですが、証券会社や保険会社の営業のように、売っているモノが同じ状態ですと「お客様にいかに心地よくお過ごし頂くか」とか「自分を売り込め」が強くなります。いきなり自分を売り込まれたら暑苦しさも倍増ですね。

不動産や保険の営業はプレゼンを始める前に、自己紹介のパワポだしたりしますが、私は「それより早く説明を!」ってイラッとくるタイプです。だから、自分も嫌なことはお客様にもしたくないので、商談中に自分の能力を「はさみ込む」という手法を取っています。

頭から自分はこういう人間だということを並べ立てずに商談中に戦略的に「チラ見せ」しています。
みなさんのような医薬品だと、バランスが大事だと思いますが、「会えない時代の営業」なら「先生に選ばれる」または「一発で仕留める」の2択しかないので、選ばれる為の自分ブランディングは急務だと感じています。先生に安心感と信頼感を感じて頂くためには、自分はどのような人間であるべきなのか?どのような想い(熱意)を持っているのか?ここを戦略的に定義することが重要です。

大丈夫です。そんなことを気にしていたら私のように業界部外者は、失礼だからと研修はできないという事になります。まず事前勉強が大事です。また、マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループのような世界三大コンサルのようなところは、ひとつのコンサル案件で億のお金が動くそうですが、そのような会社では20代でも言うべき事はビシッとプレゼンする方は沢山いらっいしゃいます。この自信は背後にどれだけエビデンスを持っているかというもの大きいと思います。

たとえば先生の専門である疾患の論文を今月は何本読みましたか?一般人が論文検索のできるGoogleスカラーで検索すると論文がでてきます。それでもし、たったの2本だった場合、まだまだあなたの方の情報が少ないという事です。きちんと調べて勉強してエビデンスも揃えているからこそ、先生とお話しさせて頂く価値があるし、それは若いとか関係ありません。また、単なるご提案ではなく、先生と一緒にひとりでも多くの患者さんにこの製品をお届けしたいのですという攻めの姿勢が有効だと思います。

それでも必要なKOLドクターなら、私なら行きますね。「面会しに来ないで」を10回連続で言われたらちょっと考えますが、1回言われたぐらいで、自分から行かないという事はないです。さまざまな領域のMRさんとの研修を日々していますが、領域に関わらず皆さん「ルートセールス」であるが故に「先生に嫌われる」ことを極端に恐れている印象です。「面会しに来ないでくれ」と言われたら衝撃だったと思いますが、そこは少しずうずうしく再訪すべきと思います。結局その施設は行かなければ処方は増えず、もしくはいかないままだとライバルの適応拡大であっさり外されるとおもいますので、行って怒られるのと、行かないで処方がなくなるのは結果的に売上は同じです。

面談機会創出/アポ取り

迷惑かもしれません。ただ、研修を実施した製薬会社さんの電話のアポ取り率はすべて大幅にアップしています。
たしかに、売り込みの迷惑電話と思われる可能性は高いものの、私達は先生と患者さんに必要な情報を届ける為に、お電話をさせて頂いているので、この言い方が正しいかは別として必要悪ではないかと考えています。ひとつの製剤ですべての患者さんが治ることはありません。その大切な情報をお届けする、先生の治療の選択肢を広げて頂く、どのような想いを届けたいのかはっきりさせて電話をかけましょう。

アポ率1%を10%にされた外資系製薬会社さんがあります。ほかにも、ある日系製薬会社さんでは、215名中115名(53.4%)の方が1週間以内にこれまで行けていなかった施設のアポを電話で取ることができたという結果のご報告を頂いています。どちらもオンコロジーですが、皮膚科学領域のお客様も、半年かけてチームでスクリプトを練り上げながらアポ率向上の数値を取っていましたが、数字は非公開ですが右肩上がりになったそうです。2023年の最新の情報ですが、500名で受講されて485件のアポが取れています。これまで、まったく訪問できていない先です。内HPが200件です。古くから販売している製品で、適応拡大があったわけでもなく、私も勇気を貰える驚きの結果でした。

「資料を送って」というのは、一般的には、「お断わり」の文句で、確実に読まれないとうすうす感づいておられるのでは?「〇〇の話はもういいよ」は、よりストレートに言っていただいていますね。この先生に対しては処方合意に向けての工夫が必要になります。

まずはなぜ、ご自身が断られるMRになっているのか考えてみてはいかがでしょうか?「製品の力不足」せいにしたくなるところですが、同種同効で7剤も8剤もあるMRさんでも、面談ができています。そして、一剤ですべての患者さんは完治しません。つまり患者さんの為にも行くべしなのです。

私も6年もスランプだったので、人に大きなことは言えませんが、まずはプロセスを見直すことです。共感や先生との話を弾ませる対話が不十分なままであったり、「〇〇の話はもういいよ」という答えの場合は、先生も何気なくお決まりのセリフを毎回話しているからだと、私ならポジティブに受け取って、そこから切り返していきます。もしアドリブでの切り返しに不安があるならば、アポ取りスクリプトだけでなく「拒否された場合の切り返しスクリプト」が必要です。また、答えになっていないかも知れませんが、該当疾病や競合の状況について、ご自身でも勉強していく必要があると思います。

メールでのアポイントのコツは、研修内でお伝えした「電話でのアポイントのコツ」のテンプレートと基本的には同じと考えて結構です。全体の構成は「相手のメリット」を中心とした依頼にして下さい。(電話でのアポイントのコツを詳しく知りたい場合は、書籍「突破せよ!」に詳しく書いていますのでぜひご一読下さい。)メールで注意することは、サブジェクトが目立つように工夫をすることです。

私もお客様に年に数回メールマガジンをお送りしていますが、特にサブジェクトの目立つ工夫をしています。メルマガの開封率は悲惨な状況と言われる中、特に開封率が低いと感じたことはありませんし、お客様は研修をご検討される時にはメールマガジンに返信される形で気軽にご連絡を頂いています。

他には、商談後すぐに送る「サマリーメール(要約)」。皆さんの場合は、製品に関することはルール上、明記できないかもしれませんが、サマリーメールというと、「日報風」に書かかれてしまうMRの方が多い印象です。

※ダメメール例 本当にこんな風に箇条書きになっていたのでびっくり。こんなサマリーメールなら、出さないほうがマシです。

  1. ご挨拶
  2. 弊社のご案内
  3. 弊社の〇〇薬のご案内
  4. お話させて頂いた内容以外でのご質問・ご指摘ございましたら、ご連絡頂ければ幸いです。

ルールの範囲内という事を前提にではありますが、もっと、相手を想像して、Touch the Heart心の琴線にふれるような事を書かれた方が良いと思います。テンプレ禁止。書籍「突破せよ!」の90ページ、サマリーメールで印象アップにさらに詳しく書いています。

日本語の「心の琴線」という言葉の方がわかりやすいかと思って例に出しましたが、かえってわかりにくくてすみません。Touch the Heartは、まさに相手の心にそっと触れるような個人的なタッチです。もともとの意味には、心を動かす、(人を)感動させるというような意味が含まれています。

「先生のお考えの深さに感銘を受けました」
「先生の患者さんを治そうとされる強い想いが素晴らしいです」

Touch the Heartの双子の兄弟的位置づけの言葉に、personal touchがあります。パーソナルタッチは、個人的な事にちょっと触れてみる。「今日はロジカルなお話しありがとうございました、私も先生のようにお話できるようになりたいです」「日焼けされましたね、ゴルフですか?(王道)」などです。こちらは、共感を戦略的に生み出す際に仕様します。

大切なポイントは色々ありますが、一番重要と考えているのは、「自分の声とスクリプト(台本)」です。「突破せよ!新時代を生き抜くMRの掟」(医薬経済社)で詳しく解説しています。

アポ取り怖いのですね、自分でこういう時は引こうという言い訳を作らない方が良いとおもいます。私なら2人までは同時にお願いします。3人は流石にちょっと押しが強いと思いますので。そして、改めて電話する場合も日は改めません、時間を置いてまた電話します。大きな病院などでは、受付はどんどん変わります。

また、お客様に直接一度断られても私なら、こちらは日を改めてまた電話します。なぜなら断ったことも忙しいお客様の場合、いつまでも覚えていなからです。再挑戦して、「この前かけるなって言ったよね」と言われても「てへっ、すみません」的に私はごまかします。テレアポは、断られるのが仕事なのです。しかし、幸せなことに『量質転換』、沢山やればやるほど自分の仕事の質が上がる分野でもあります。

また、他業種では大企業の代表電話の次の番号にかけて受付をすり抜けることもあります。たとえば、末尾5555なら5556にかけてみると、同じ会社のある部門にダイレクトにつながることがあります。「あっ、すみません、間違えてしまいました。人事部にかけたかったのですが」と言うと、たまに「人事なら5558ですよ」と教えてもらえます。面倒がらず、どうしても、アポを取りたい時に使う手です。

アポ取りの息抜きみたいなものですね。みなさんには、使えない技ですが、アポをどうしても取りたい時は、そのくらいやるよという例ということです。アポ取りの確率を上げるには、「恥ずかしいなぁ」「断られるって嫌だなぁ」「怖いなぁ」という気持ちを、伝えるべき製品が情報がある、それを待っている患者さんやご家族の方がいるという強い自分の想いが必要ですが、そう考えると2人同時ぐらいできそうではないですか?

研修の中での電話でのアポ取りの基本の中で、私が基本は「会わないと損をしそう」ですと言ったことに対する質問ですね。私の例を上げると、医薬経済社から「突破せよ!新時代を生き抜くMRの掟」を出版していますが、その自分の書籍の企画を売込む為に医薬経済社に飛び込みアポ電をした際に、「ご興味がなければ東洋経済さんかミクスさんにお願いするつもりですので結構ですが」とさらっと言いました。電話に出た人も気の毒です。

みなさんの例で言えば、たとえば受付や秘書さんに「この製剤に関しては新規の情報ですので、このままですと患者さんの不利益になるのではないかと心配です」とか「先生の治療の選択肢を広げて頂ける情報ですので」とかが例となります。ただ、医療現場におけるスクリプトはレギュレーションの遵守が重要ですので、ここは皆さんで作って、社内ルールを御確認の上、ご活用頂ければと思います。

そのような場合に、先生の価値観を知っているか、いないかが勝負の分かれ目となります。価値観とは先生の理想・判断基準・最優先事項などです。もし1度目の面談でなければ、前回の情報から繋げていくストーリーのスクリプト(台本)を事前に用意したほうが良いと思います。メモ程度で大丈夫ですから、これとこれを話すというような感じで。他にやるべきことは、まずアポを取る最初の一言が「先生の立場にたっていたか?」という事を振り返って見て下さい。「用件は何?」のあとにあなたが言ったことです。「〇〇製剤のご説明に上がりたいのです」というトークだと、前述のように「オンラインでもう見たから判ってる」「知ってるから大丈夫」となる確率が高まります。「先生がこだわっておられた〇〇の件に関する〇〇製剤のお話です。」「沢山の〇〇病の患者さんを見てられる〇〇先生にこそ、ご感想を頂きたい〇〇製剤の件です」というように、少し工夫するだけで、ヒット率が変わります。これを私の場合、じゃんじゃんアポ電をするので、どのトークのヒット率が高かったかメモをしておいて、どんどんトークをブラッシュアップしていました。できることからやってみて下さい。

KOLの先生でなかったら、お互い不幸なので新規の所を攻めて行くのも良いと思います。ちなみに、私にも何度挑戦してもダメな所がありましたが、アメリカで開催されるトップセールスの集う会議に参加したとき世界で一番売れる女性と話す機会がありまして、その方に、「どんなレベルの人と話すの?」と聞いたら「オール・レベルズ」と言われて衝撃を受けました。つまりどの階層の人にもすべてアプローチするということです。みなさんで言えば看護師さんから、薬局の人から、薬剤部長から、何から何までということです。先生がどうしてもダメなら、他の人からせめて見てはどうでしょうか?

モチベーション

過去最低の数字で超低空飛行中、なんとかスランプを脱出したく、目の前の事に集中して辛さを紛らわす目的もあって考えました。
最初は9個でしたが、フランク ベドガーという米国のセールスパーソンが同じことをやっているのに気づき、彼にならって13個に整え直しました。
あとから考えても、この目の前の一つに集中して、結果的に沢山のことを成し遂げるという方法は、よかったと思います。

今言えるのは、自分の会社の価値ある製品をひとりでも多くの方に使っていただきたいという心意気。
でも、もしこのままの関係性を継続しようと思っても、その部分でディスカッションのできないMRはMR不要論に巻き込まれていくのだと思います。たとえば、ミクスの調査の企業ブランド評価レポート(皮膚科編)では、求められるMRの第1位は「医師に対しての生涯教育支援」です。これは会社に求める事ですが、先生に対して価値を提供できなければ、存在価値はあるのか?という風潮はこれからますます強くなると思います。だから、なかなか難しいではなく、なんとかして、先生のタイプに合わせて自分が変化して、価値共創できる関係性を創るべきだと思います。

いろんな方がいて良いと思います。私が前向きに見えるとしたら、私は、成し遂げたいことがいつもあるからです。

私は、営業の成功を積み上げたというより、一度「成功」したかに見えて職種を変えて、物売りセールスからコンサルティングセールスになったところで、全く売れない数年を過ごしました。間抜けな話ですが、その時販売していた研修は、「7つの習慣」という書籍にもなっている(スティーブン R コヴィー著、キングベアー出版)人の心に火をつける個々人にやる気を生み出し、組織全体を活性化させるというようなゴールを達成するための研修でしたが、販売している本人は12年間のうち半分の6年ほどは、売れなくて悶々といしていたのです。

結局その12年間で「7つの習慣」という書籍からの学びを深めていったのですが、もっとも自分の中に打ち込まれたのは、「目的を持ってはじめる」という第2の習慣(英語:Bigin with end in mind)だったように思います。

今、MRさんという職種は激動です。これまでは専門性も資格も必要な営業職の中でも花形中の花形の高給を貰える職種でしたが、MR数は2023年現在9年連続で減少、各製薬会社の早期退職募集も留まる所を知らないというような状況です。その中で生き残りをかけて戦うのであれば、今、仕事に情熱が持てないというのは、おせっかいかもしれませんが、とても危険な状態だと思います。

自分の存在意義、仕事をする意義(パーパス)から、3年後、5年後に自分がどのようになりたいのか?(ビジョン)その為には、どのようなことに今、取り組めば良いのか?順不同でかまいませんので、棚卸しをされてみてはいかがでしょうか?私自身は、MRさんという、世の中を良くするための仕事をとても応援したい気持ちでいっぱいです。

 

 

講師について

研修でお話した通り私の場合、商談時に自分の人間性をどのように魅せるかというのを、戦略的に定義しています。人間性は生まれつきだからと、そのままにするのではなく、どのような人間性の人なら相手に信頼して頂けるのか、どのような人間性を示したら相手に心地よくお話頂けるかと考えた結果が「明るく・パワフル・庶民的」です。

この最後の親しみやすさ、庶民的なという部分は、外資系出身の多くのコンサル(だいたい超高飛車で)が駄目な部分だという分析から、逆をついています。私の場合は、日系企業に20年、外資系に12年、その後独立ですので、日系・外資の両方判るというのもひとつの売りだと認識している為です。物を売るときは、逆をつくのが効果的です。レッドオーシャン(競争の多い市場)からブルーオーシャン(競争の少ない市場)へ移動するのです。

もともとのきっかけは、昔の取引先IMSという会社のスローガン「医薬の進歩を英知でささえる」にビビッと来て、「なにか医薬の進歩をささえるお手伝いがしたい、なんてカッコいいんだろう」と思ったのがきっかけでした。もともと私の会社の事業は、経営理念と営業研修です。MRさん向けの研修は、2020年の6月に始めました。偶然3社連続で、製薬会社さんのパーパスを創るお手伝いをしたことがきっかけです。ミッションやパーパスを創るには、社員の方と協同で半年以上ディスカッションを重ねますが、その際に、だんだん製薬会社で働く皆さんの課題を理解していったのだと思います。

また、私には研修業界という競合の多い所で、食べて行くためのポリシーがあります。「青い海でしか泳がない」というポリシーです。競合の多い環境をレッドオーシャンなどと言いますが、要するに人と競争しない所で仕事はするというポリシーです。要は、抜きんでるためには「人と違うことをする」ということですが、これは、かなり昔、商社時代からの私の営業の基本姿勢です。MRさんのトレーニングは、俺たちの業界は特殊だからという事で、社内で実施するか、MR出身の方ばかりが研修をされていましたので、これは、もしかしたら、業界外の講師が飛び込んだら、青い海でのびのび泳げるのでは?と気がついたのです。MRさんの研修をはじめてからは、業界外の部外者という事で、研修担当の方と、一緒に考えて創るという事を徹底しましたら、お客様の課題によって、次々にさまざまなコンテンツが生まれました。

つまり、まとめると以下の3つです。

  • 相手を徹底的に知ることから始めるといういつものスタイルだった
  • 「人と違うことをする、私は、青い海でしか泳がない」という仕事のポリシーに合致した
  • お客様と価値共創をしていたら、コンテンツが増殖した

みなさんも、長い人生ですので、素晴らしいMRとして長く先生に感謝される人になる為に、自分にしかできない価値を見つけて磨いて下さいね。

タラバガニの30億の売上は、プロダクトアウト型で価値共創(お客様と共に未来を創り出す、価値を生み出す)ですし、始めた時がバブルの勢いが残っていて、女性営業など水産業界にいなかったという希少性もプラスに働いていましたので、あまり参考にならないと思いますが、ひとつ上げるなら「人と違うことをした」です。

  • 普通の商社マン 9:00出社 私:6時出社でまず全国の市場に電話をする
  • 普通の商社マン 魚は見ないで売るもの 私:全部自分で検品して売る
  • 普通の商社マン 魚はコンテナ単位で売るもの 私:サイズ毎に欲しい人に売る

当時の商社マンはとにかくひどかったですね。魚ころがしとか言うのですが、魚を全くみないで相場状況を見ながら転売して利ざやを稼ぐのです。もちろん、私もいらないサイズは転売していましたが、まず、すべての魚を検品してから売る為に15:00以降は毎日冷蔵庫めぐりで、冷凍銀鱈であれば、ブランドは皮が黒いし魚体が大きめ、5/7サイズ(5LBSから7LBSサイズ)であれば、110gの切り身がきれいに取れる感じに大きさが揃っている、などと詳しく調べてくるのです。それを翌日朝6時から、大型は築地に売って、小さいサイズは福島の一番に売ろうと、全国の市場に電話をかけまくります。そんなことをする大馬鹿ものはいなかったので、特に東京に来て魚を見ることができずに買っていた地方の方に喜ばれ沢山買っていただきました。

タラバガニの女王とその後言われるようになりましたが、こちらも話すと長くなるのでやめておきますが「美味しく。美しく。」をコンセプトに量販店向け製品を作っていました。自分で加工にずっと張り付いて、女工さんができないと言っても、まず自分が作って見せるというような馬鹿なことをしていた結果、沢山買っていただきました。

というわけで、今も研修はそれぞれのお客様の課題を伺いながら、すべてカスタマイズで作りますが(価値共創型です)、工夫重要ということではないでしょうか?

タラバガニが売れた理由をどうしてと言えば「人と違うことをした」からだと思います。(1つ前の質問で答えています)モチベーションは、これはギャンブルと一緒で、そのくらい売るとアドレナリンが沢山でて、常に興奮状態でしたね。やばいやつです。営業という仕事は「売れたら楽しい」のです。あとは、自分の確信を売るというのでしょうか?凍結した魚やカニを検品(良い商品かどうか見極める)していくうちに、量質転換が起きて自分でもすごいなと思えるほど、匠の技的に商品を見極められるようになったのです。その能力が神格化されて「女王様が言っているから、大丈夫」というように売れたら、これは楽しいのではないでしょうか?

みなさんの仕事で言うと、「〇〇疾患なら〇〇製薬の〇〇に聞いてみろ」と超巨大、超重要施設で話題になっていったら、ものすごく楽しくないですか?まして、みなさんの仕事は患者さんの命を助けたり、QOL向上のサポートなど崇高なお仕事です。そのような状況になったら、おそらく使命感に燃えてアドレナリン出まくると思います。

 

独学ですね。

「独学とはどういうことか」と言うとプレゼンテーションのコツとか、プレゼンの基本というような本をたぶん20-30冊は軽く読んでいて、そこから自分にあったものを選んで試してみて良かったものは続けています。沢山のプレゼンの本を読んだり、多くの司会の方をイベントなどで拝見したりしたり色々と研究した結果、私と多くのプレゼンの本と違う点は恐らくマインドです。

私の場合司会進行も「営業マインド」で行っているのです。営業職としてお客様と向き合った時に気をつけていること「お客様が心地よくお過ごし頂けるか頂けないか」が基本です。お客様をほったらかしにして一方的に話すなど持っての他、お客様の目線、動き、声の感じ、そしてお客様の気持ちの変化を伺いながらプレゼンをしています。テクニックに関しては、書籍にも詳しく書いています。ぜひ「突破せよ!新時代を生き抜くMRの掟」をご一読下さい。

20代は、水産業界に女性営業がいないので、若い・女性というアドバンテージもあったと思いますが(美人キャラでは残念ながらなかったのですが)、30代は、腕一本で働くようになり、40代でコンサル営業に転換してからは、戦略ということを考えるようになりました。

独立してからは、予算から開放されたのでニーズが感じられない時は引いてしまうようになり、押し付け販売がなくなりましたね。それでも、クロージング力があるので、1回と言われていたのに、最終的には3回コースでクロージングなどになっています。

「お客様に心地よくお過ごし頂くこと」「お客様と一緒に研修を創ること(共創すること)」。
営業に限りませんけど、ちょっと昭和的ですが「思い立ったら即実行」と「目標なき所に達成なし」。お客様に対しては、どうしたら心地よくお過ごし頂けるかを手を変え品を変えというのが、メインの考え方です。

オンライン面談になってから、対面より時間もはっきりと限定されていて、特に要件からスタートするような風潮が強くなっています。でも、一緒に研修を創りましょう、だから御社のMR育成のご方針をお聞かせ下さいという姿勢がないと、短い時間でうちはこんなコンテンツがあります、こんなこともできますとプレゼンして、「何か御社の御役にたてそうなことはありますか?」と聞くだけでは、つまらないですよね。だから、たとえば5剤のプロモーションをしているMRさんの研修であれば、その中のどの製品を特に重視されているのか、その為に必要なスキルは何かと掘り下げていきます。プライマリーとスペシャリティでは、やり方も異なりますよね。

2つ目の質問の「話す際に意識していること」は、相手の使った言葉をそのまま使うことです。その方が、お客様も心地が良いと思いますし、同じ言葉を使うことで共感を生み出すこともできるので、そのようにしています。また、売り込みと警戒されないように、相手のことを「ひつじのように穏やかな目」で見ながら(観察しながら)、心の中ではヒョウのように、相手の心の動きを追いかけています。

 

私の1日なんで、まったく、参考にならないと思いますが・・・・

忙しい時は脳みそが新鮮な時間に大事な仕事をしたいので目が覚めたら、自宅から徒歩3分の会社に行きます。朝4時頃のことが多いですが、事務所の1階が新聞屋さんで、みなさん働いていているので、私だけという不自然な感じはありません。7時に自宅に一度戻って朝食。再び8時前には会社に戻り、午後は商談や運動のためにジムへ。夜は19時に主人の作ってくれる夕食を食べて20時就寝。週末は、シーズン中は山登りですね。

冬の間や仕事に余裕のある時は、23時就寝で5時起床。7時に朝食、8時前に出社して、18:30まで仕事です。最近は、このパターンが多く、運動はスポーツジムに週1回、パーソナルトレーナーのいるジムへ週2回というのを1年半ほど続けています。ただし、この目が覚めてから朝食までの90分程がおそらくスマホの時間になっていて、何をしたのか判らずという日々が多いので(年間にすると547時間の無駄)、ここで本でも読めば良いと思いますが、ダラダラしてしまうのが反省点です。

脳みそが一番新鮮なうちに大切な仕事をすることを心がけていまして、忙しい時は、目が覚めたら自宅から徒歩3分の事務所へすぐ移動して、仕事をするようにしています。でも、本当に忙しい時だけです、冬はなかなか布団からでれません。

その他に、気力と体力の充実も生産性アップには必要と考えていまして、友人との温泉めぐりや登山の予定は先にブロック。週に2回のパーソナルトレーニングでの筋トレもマストで予定に入れています。先に入れた予定は、「大きな石」と言って動かしません。大きな石というのは、前職でコヴィーさんが、一週間をバケツたとえ、大きな石と小さな石を入れる時間管理の実験をしているのを見たからです。大きな石を先に入れてから小さな石を入れるとバケツにきっちり収まるのですが、先に小さな石を入れると絶対全部入らないというCovey流時間管理のコツです。私達は、つい緊急性がありそうに見えるけれど、些細なことで時間を使ってしまうようなのです。このやり方で50歳のときのTOEIC高得点狙いも、55歳からの大学院再入学も乗り切りました。

などど偉そうに言っても、ちょっとまた仕事に余裕ができると、23時頃まで夜更かしして、起きるのが5時になり、出社が8時になり、仕事が終わらず帰るのが19頃になりという悪いサイクルにハマります。そうなると、仕事の生産性は落ちてしまい、結局終わらずに週末2日共に仕事というような状況に陥ります。

また、研修内で私のお客様の事前調査メモなどをリアルにご覧になると、どうやってこんなに調べる時間が・・・・とお感じになられたのだと思いますが、「お客様のことを徹底的に調べる」というのは、「お客様に心地よくお過ごし頂く」と並ぶ私の営業の基本姿勢ですので、結局、どれほど忙しくても優先度が下がることはないのだと思います。偉そうですが、意識してやっているというより、習慣としてやっている感覚です。

その他

あまり普通の組織と変わらないという印象でした。特にすごいと思ったのは、院内での先生の神格化で事務方がものすごく気を使うところでしょうか?また医療従事者向け勉強会の前座講演などでは、チーム医療を円滑におこなうためのコミュニケーション、説得力を持って戦略を判りやすく伝える等をテーマにお話しています。

難しい質問です。大きく言えば成功している方は、その素晴らしい能力だけでなく、人格的にも素晴らしい方が多いと思います。

では、営業職で成功している方はどのような方でしょうか?自分のビジョンをしっかり持って、決めたことを続けることが出来ること、そして何より完全にお客様の為にレベルではなく、お客様の立場に立っている方。だから、本当の成功者は自分が成功しようではなく、お客様に成功して頂こうと考えていると思います。私達も成功しようと思ったら、もっとお客様の立場で、先生の立場で考えて見る必要があると思います。(先生の立場で考えたら電話でアポ取りなんてできない?いえいえ、適切に情報提供できなければ先生の不利益になります)

他には、距離感の詰め方が絶妙な人。これは、思い当たることが沢山あります。日本を代表する生命保険会社のトップセールスの女性は(伝説の〇〇◯まりこと呼ばれていました)、商談が終わってエレベーターの前にいる私を追いかけて来て、ちょうどバランタインだったのですが、「柏さん、大好きです」とチョコレートを下さいました。その距離の詰め方に心掴まれました。同じようなことは、日本を代表する損害保険会社のトップセールスの女性でもありました。わぁ、いつの間にという感じです。もう距離の詰め方が絶妙過ぎなのです。

他にもあると思います。MRとして成功する要因は何か?沢山ありそうです。ぜひリストアップしてみて下さい。

そんなこと言ったら私なんか今年63ですから、全員年下です。(笑)毎回構えられて研修になりません。

人の若さは年齢ではないのかなと思っています。この場合ですと、中身を極めて年齢なりのアウトプットが出せるように研鑽することと、見た目を改善することですね。中身について言えば、沢山の失敗も含めてここまで積み上げた私の中身ですから、いまから30歳に戻してやると神様に言われてもお断りですね。また、私は、50歳になったときに、これから毎年1歳づつ若返って見えるようにしようと決意しました。年齢が気になるなら、そこに自己投資してみては?オンライン面談の研修で言うのですが、男性でもZoomなどの顔面補正機能を15%程度使うと、見違えますよ。ちなみに、私は今、週に2回パーソナルトレーナーについて筋トレをして身体を絞っています。すでに1年半続いていますが、健康とかっこいい身体の両方が手に入ります。

自分に自信がないと「教えて下さい」というアプローチがどうしても多くなります。書籍の中や研修の中でもお伝えしたとおり、このアプローチのクロージング率は高いのですが、あまり多用すると面倒がられます。なんでもかんでも教えて下さいの「教えてちゃん」は、社内でも面倒ですよね。

同じように先生もそればかりで攻め込まれては、面倒になります。先生に嫌われるのは、怖いですよね。多くのMRさんからも、怖い、怒られないか、出禁にならないかと沢山質問を頂きます。もし癖になって多用してしまうようなら、その「教えてください」ではないパータンを身につける必要があると思います。面談の中で必ず一回「自分の意見を言う」という目標を立てるのはどうですか?これは、みなさんの場合自分の意見は言ったらGL違反ですから、「自社の見解を必ずひとつ述べる」という事になりますね。

 

そのような場合は、遠慮します。

でも、物凄いKOLの先生にやっと会えたというような場合は、熱意で押します。その場合、熱意を示すクッション言葉を頭にどーんと乗せます。押してしまえという時には、割り切って押して下さい。電話などでもそうです。この時間は先生忙しいかな、外来めちゃくちゃかな、いろいろ想像するとかける時間がありませんが、朝からかける時は「朝から、すみません!」昼時にかける時は「お昼休みにすみません!」と、先に誤ってしまいます。この場合「お疲れの所すみません!」です。

ITがめちゃめちゃ弱く解答不能です、すみません。ただ、某超大手日本企業の製薬会社のDX担当と話した時の違和感は、DX事業部のメインの仕事が先生のあらゆる質問に答える想定問題を至急創ることだったことです。それって、御用聞きをIT化しているだけで、DXじゃないなぁと思いました。

効果的でないと考えるITツールの使い方は、サードパーティのMyXXのようなアプリを最初から下に見て(どうせポイントの欲しい人も回答しているだろうとか)きちんと対応せず、テンプレで返すようなことをすることです。「スタンプの押下ありがとうございます、先生からのスタンプが励みになっています」「返信ありがとうございます、引き続きコンテンツを配信しますので御覧ください」のような返信をするなら、そういうツールを使う資格はないなぁと思います。もちろん、真正面から対応する必要のない場合もあるのですが、そのテンプレ返しが癖になって、対応すべき先生にもテンプレ返しになっていませんか?ということです。

自分が話していたら、相手のことは聞けないので我慢すること。人は自分の考えをまとめる為に12秒必要であると言われています。先生のようにレベルの高い方は、5秒程度でも十分だと思いますし、私も日本の営業層のトップ階層にいるMRのみなさんとの研修では、5秒程度しか待ちません。でも、5秒というのは、実はオンライン面談のように他に気をそらすものがないと結構長く感じます。でも、我慢。怖くなって、自分がどんどん説明をはじめてしまうと、良い結果にはなりません。

トランプのジョーカーと一緒でアポの取れない先生に対して使うと思います。上が是非と申しておりまして・・・・あくまで先生とMRの一対一の関係が大事で、短い面談時間に上司同行で自分は殆ど話せない、それで話が進めば良いですが表敬訪問的な面談であれば、昔と違って次に会えるのは2ヶ月、3ヶ月先ですので勿体ないです。話が進まない場合、アポ取りの言い訳として使う、ちょっと怒られている感があるので緩衝材に使う、私はそんな感じで上司を使っていました。トップセールスの場合同行依頼が殆どないので、私の前職の上司は往復カバンを持ってくれたり至れりつくせりでした。

経営理念の本は、結構な専門書で難しいものが多いです。前職のフランクリン・コヴィー社で叩き込まれている「7つの習慣」も目的を持って始めるという習慣名と共に、私の経営理念研究に大きな影響を与えています。

  • 「経営理念の浸透 アイデンティティ・プロセスからの実証分析」高尾義明・王英燕
    企業文化が高業績を生む JP・コッター・JLヘスケット
  • パーパス経営 名和高司
  • 経営理念2.0 佐宗邦威
  • 私の論文「理念への共感」に着目した経営理念浸透
    ~理念浸透調査から考察する浸透 3 因子の影響と効果の実証的研究~
    明治大学専門職大学院 2018年度 第10号
    https://www.meiji.ac.jp/koho/pgs-journal.html
  • 7つの習慣 スティーブン R コヴィー

マーケティングについては、コトラーなどの古典やブルーオーシャン戦略などは読みましたが、あまり新しい本は読んでいません。大学院でサービス・マーケティングを勉強していましたので、無形の価値を提供する価値創造型ラブロック&ウィルツのサービス・マーケティングやヘスケットのサービスプロフィットチェーンなどを読みました。この考え方からお客様との価値共創というヒントをもらって、営業活動に活かすようになりました。

  • サービス・プロフィット・チェ―ンの実践法 ヘスケット
  • ブルーオーシャン戦略 W・チャン・キム

上記2冊は理論ですが、結局どんどん新しい考え方を営業活動に取り入れたいと思うと、読みきれないのでハーバード・ビジネス・レビューというアメリカの論文を翻訳して出しているダイヤモンド社の雑誌を購読しています。

https://dhbr.diamond.jp/