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3月某日、「MRのモチベーション低下をどうする?~不安・閉塞感を突破させるマインド&スキルとは?~」というタイトルでコントラクトMRの派遣やマーケティング支援などで製薬企業を側面サポートするMIフォースさん主催のセミナーで登壇させて頂きました。オンラインと対面のハイブリッドセミナー、300名を超えるお客様にご参加頂きました。ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。あのような大量のいいね!を頂きましたことは、コンサル冥利につきます。

講演のテーマは、MRのモチベーションの低下について。不安・閉塞感を突破させる考え方とスキルについて、熱く語らせて頂いたのですが、この講演が、とんでもなく好評で今、3月の弊社の資料ダウンロードサイトからの資料請求のご依頼は200件を超えています。そして、自分自身も営業職でありながらお恥ずかしいことに、全く御礼のメールなどが追いついておりません。この場を借りてお詫び致します。

しかし、要はそれだけ、MRのモチベーション低下について課題があったということではないかと思います。本日はその講演のダイジェストをお届けします。

その講演の中で参加された方に「うちのMRのモチベーションは?」という質問に匿名で投票して貰った結果は、以下の通りです。

うちのMRのモチベーションは?

  • かなり下がっている  15%
  • 下がっている     60%
  • うちは下がっていない 25%

「かなり下がっている」と、「下がっている」をあわせると、なんと75%のMRがモチベーションダウンしているという認識です。これは、かなりすごい数字ではないでしょうか?モチベーションに課題を感じる育成担当者が集まってきたというのを割り引いてもすごいことだと思います。仮に約5万人のMRに対して75%がモチベーションダウンをしていたら、単純計算で37500人。業界の先行きに光が見えないレベル。そんなに大量のやる気のない人達が、あちらの施設、こちらの施設でウロウロしているかと思うと、胸が苦しいです。

講演では、このような状況を招いた理由について考察しました。まず原因としては、コロナ禍の訪問規制により製薬各社ではDx化が進み、オンラインでの情報提供が手厚くできるようになったことがあげられます。今、世の中的にはAIの活用で10年、20年で現在の職種の49%がなくなると言われているのに(野村総研・スタンフォード大学の調査より)、結果的に他業種より速いスピードでDx化が進んだために、これまでとやり方が、ガラッと変わってしまったのが製薬業界だと私はみています。つまりこういうことです。

先生からしてみれば、領域や製品によっては、「毎日来てもらわなくても、必要な時にこちらから情報はとりますよ」という状態です。でも、情報は日々変わっていて、お伝えしたい情報もある、なにより患者さんのためにも先生とコンタクトを続けたい。ということで、この状況を回避するために、各製薬会社さんでは、以下のような施策をとり、結果として何が起こっているのか、そして、それがMRさんのモチベーションの低下にどのようにつながってしまっているのか、というお話をさせて頂きました。

 

では、その状況を打破するために、どのような要素でモチベーションはあがると思うかという質問をご参加のみなさんにさせて頂きました。回答のランキングは以下の通りです。複数回答可で、1位は同票でした。

  • 1位 達成感を感じた時     121票
  • 1位 認められた時       121票
  • 3位 給与            111票
  • 4位 成長の可能性を感じた時  97票
  • 5位 仕事の内容そのもの    87票

さて、この結果は、モチベーションが下がっているMRへのアプローチとして適切でしょうか?コロナ禍以降先生に会う機会は以前より減ってしまい、達成感を感じるための現場の経験が不足気味のMRさんも増えています。とくにコロナ禍以降入社されたMRの方は、その経験不足傾向が顕著です。また、この2年、各社で営業所統廃合が進んだ結果、ひとりの営業所長やエリアマネージャーの面倒を見てあげるMRの数が増えてしまい、いわゆるマネジメントの認知限界超え(業種にもよりますが、通常はマネージャーの目の届くのは7-8名それを超えると認知できなくなる)を起こしている会社も多く、承認欲求を満たすほどメンバーとの面談やコンタクトが取れていないという状況もあるのではないでしょうか?いわゆる目が届かない状態で、とても手厚く褒めて育てるなど、夢のまた夢。

さらに給与は、すでに他業種より高いのに、これ以上給与を上げてもという状態でしょう。育成担当者やマネージャー層も、まだまだ頭の中がコロナ前、コロナ前のような面談数が確保できていれば、MRの経験が確保できればという解決策しか持っていないという印象を受けました。

弊社からの解決策については、マインド面とスキル面の両面から考察させていただきました。マインド面は、仕事のビジョンを改めてしっかりと個々のMRさんが持つこと。これは会社のためだけではなく、この不確実な状況でも自分自身が成長するためにも必要なことだと思います。これについては、拙著「突破せよ!新時代を生き抜くMRの掟」の最終章、スランプ脱出の掟その③「仕事のビジョンを持つ」にも書かせて頂いていますが、5月出版予定の「パーパス浸透の教科書」に詳しく書かせて頂いていますので、ぜひご一読頂きたく思います。

スキル面については、DTLのスピードが他業種営業に比べて圧倒的に不足していますよというお話をさせて頂きました。もし新しいMRトレーニングを検討されるのであれば、DTLスピードアップに着目したものにされると効果がでると考えます。

とはいえ、領域や製品によって大きく変わってくることと思いますので、簡単ではないことは重々承知しています。みなさんの今回のご反響をもとに、今後クロージングスキルなど「DTLのスピード」に関わるトレーニングを弊社では意識的に増やしていくこと、また新しい書籍の発売に合わせてということになりますが、モチベーションアップに関わるMRの仕事のビジョンに関わる発信を続けていこうと思います。

2024年04月07日

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製薬会社 MR(医薬情報担当者)研修

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