In 導入事例

株式会社トライアンフ様は、従業員149名(2018年現在)、企業の組織力向上を支援する専門パートナーとして、採用代行、採用コンサルティング等、組織・人事・採用エリアでのコンサルティングとアウトソーシングサービスを提供されている会社です。代表の樋口弘和社長は、『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』「即戦力は3年もたない~組織を強くする採用と人事」等、採用・人材育成関連で沢山の良書を世に出されており、人事・人材業界では有名な方です。

そのトライアンフ様がこの11月に事務所を移転され、新事務所に新しく作られた大型研修室にて、初研修、いわゆる「こけら落し」という事で、「ビジネス・スキルとしての営業力」研修を実施させて頂きました。トライアンフ様は、自らが人材育成企業のモデル企業を目指されており、「社員の成長」=「会社の成長」という人事戦略モデルをお持ちです。その為、新しい研修機会は、まず「社員の成長に為に」という事で「手上げ制」です。


樋口社長からも「楽しい研修に」と研修開始前に直接お声がけ頂きましたが、心から社員方のご成長を願われている事が、伝わってきます。「こんなに沢山参加するのか!」と嬉しそうにおっしゃる姿も社員の方への愛に溢れています。「学ぶ事は楽しい、これから、この場所で一緒に成長して行こう」とご参加の皆さんに喜んで頂く事がゴールです。皆様の心に響くもの、そしてすぐにご活用頂けるものという事を心掛け実施させて頂きました。

ビジネスの種を生む可能性を持っているのは誰か?

研修は、2部構成となっており、第1回は、「ビジネス・スキルとしての営業力~説得力と聴く力」、1カ月後に開催予定の第2回は、「ビジネス・スキルとしての営業力~説得力と伝える力」、どちらも2時間の研修です。営業職の方に限らず、ビジネスパーソンとして必要なスキルとして営業力を学んで頂く企画です。営業専任の方は、30%程で、他の方は非営業職の方です。

第1回の説得力と聴く力の背景テーマは、「お客様との価値共創」です。新しい営業に対する考え方をまずは学んで頂きました。営業職の方は、「これからは、ただモノやサービスを作るだけではダメだ、新規ビジネスの種(ニーズ)をお客様の所から拾って来い」と言われませんか?

確かに、今やモノやサービスをただ、創ったり考えたりして一方的に売るのは、完全にNGです。お客様と色々な体験を共にし、共に創り出す事が出来た時に、お客様との真の絆が生まれます。お客様に満足して頂き単にCS(Customer satisfaction)を上げるのではなく、ロイヤルカスタマーになって頂く事がとても大切なのです。これを、CSからCXへ (Customer Experience 顧客経験価値)等という言い方をします。

ところが、それには、従来の営業職だけでなく、お客様と接点のあるすべての方が行動できるかどうかが、鍵となります。営業職だけが、頑張るのではなく、お客様と接点のあるすべての方が営業職と同じマインドを持つ必要があるのです。この考え方が判ると、たとえ営業職でなかったとしても、自らビジネスの種を見つけるチャンスがあり、それが出来ると自分自身が組織の中で成功し成長する可能性がぐっと上がるという事が判ります。そのような事が出来ると仕事も一気に楽しくなりますし、そのような事が出来る人はどのような業界でも「使える人」になります。

育成責任者の方とは事前に詳細な打ち合わせをさせて頂いており、上記のような考え方を含め冒頭は、アカデミックな要素も強く、(判り易い事例でご紹介したつもりではありますが)価値共創や顧客経験価値などのキーワードも使った難易度高めの設計でしたが、流石自ら手を上げてご参加頂いた皆様、結果は、その皆様のポジティブな姿勢とシンクロして、心から皆で笑いながら学びを深めて行くと言う、講師の私が、自分で申し上げるのも僭越ですけれど、素晴らしくパワフルな研修スタートとなりました。

モチベーションは、自分でコントロールする

育成責任者の方が、ビジョンを持つという事についても是非盛りこんで欲しいとの事でしたので、第1回の構成は、価値共創からスタートして説得力に入り、そこから聴く力と熱意。熱意の部分は、ご要望があったとは言え、我ながら凄い組合わせだと思います。いったい聴く力からどのように熱意の所へ進むのか?でも、弊社の説得力のモデル(図)を使うとそれが可能なのです。そして、ビジョンを是非と責任者の方がおっしゃったとおり、アンケートを拝見すると熱意のパートで学んで頂いたビジョンの部分が結果的に多くの方の心に残ったようでした。

内容を少しご紹介しましょう。

「モチベーション(熱意の源)は、自分でコントロールする、コントロールできる」と言うのは、私にとっては当たり前で、これが出来ていないと、スランプの時に落ち込んでしまって脱出ができません。実際前職でリーマンショックを経験した時に、何かを貰ったり、褒められたり(レコグニション)に動機づけを頼っていた為に、成績は下がりっぱなしで怒られるし、給料も激減したことで心肺停止状態になりかけました。

モチベーション理論ではハーズバーグの2要因理論が有名です。周囲の状況でモチベーションが上がったり下がったりする衛生要因と言われる要素ではなく、自分でなんとかできる動機づけ要因に目を向ける方が健全なのですが、この目を向ける要素にも実は順位があります。

達成した時に褒めて貰う事でモチベーションが上がる、いわゆる承認欲求にモチベーションの源泉を求めすぎると、樋口社長の言葉をお借りすれば、結局環境に左右され「自力で意欲形成ができない状態」となります。まさにリーマンショックの時の私の状態です。今回人材系のお仕事をされる皆さんの基本知識としてモチベーション理論をご紹介し、何故という仕組みが判った所で、そこから自分自身への応用の仕方をお伝えしました。

アンケートにも沢山のビジョンに関するコメントを頂きました。

“「熱意を伝える」ために『モチベーションをコントロールする。』という表現をしていたことが最も印象に残っている。今の自分にとってモチベーションの上下が短所としてあるため、自分のためだけではなくチームのため、お客様のため、自分のモチベーションをコントロールしていきたい。”

“今までは「まずは目の前のことを丁寧に・一生懸命やって、そしたらいつか成長しているかな/できるようになるかな」と曖昧なイメージしか持っていなかったが、今後は○○に注意して(学んだ事を列挙して頂きました)具体的な目標設定をしてみようとおもう。

“ビジョンの明確化と「お客様のためにではなく、お客様の立場で考える」事が一番印象を残ったことです。”

“ビジョンを明確にするという話もとても印象に残りました。りんごの例や、カラーバス効果についてお話し頂いたことは本当に納得できました。自分が日々どこに意識を向けるかによって得られる情報も成果もそこに似通ってくるものがあり、何事においてもどんな未来にしたいかを自分の中でハッキリさせておくことはとても効果的なんだなと思いました。”

“講師のエネルギーに圧倒されました!目標を立てて達成するのが趣味、と仰っていらっしゃいましたが、有言実行すること、立てた目標をリマインドする仕組みを自分で作ることが大切なのだなと改めて感じました。”

このように、たった2時間のひとつの研修をきっかけに、自分の仕事に対する姿勢までも見直すことができるのは、素直な気持ちで聴いて頂いているからこそだと思います。流石に自ら手を上げて参加された皆様だけありますね。説得力を高める為には、ビジネスパーソンとしての軸がしっかりとあり、その軸があればそこから熱意が生まれるという事をお伝えしたかったのですが、弊社のミッションでもある「想いをエネルギーに生きる人を育てる」がこの研修でも発動され、想いを持って力強く生きる方が、お一人でも生まれた事を願います。

手上げ研修の難しさとは・・・

このように手上げ型の研修は、やる気のある方が手を上げて参加できるのですから、本来素晴らしい場になるはずなのですが、実際運営される際に人事責任者の方が頭を悩ます事があります。その筆頭は、参加者確保ではないでしょうか?〇〇アカデミー、○○ビジネスカレッジなど、社内に手上げ式の学びの場を設けておられるお客様も沢山いらっしゃいますが、「参加者確保が難しい」という事を本当に良く聞きます。今回のように沢山の方に学んで頂くには、幾つかポイントがあります。

まず大前提は、「受講者ニーズに沿った研修企画であること」です。そして、その切り口は「会社の為だけではなく、自分の成長の為に役立つ」と思われるものである事です。技術的な学びから汎用性の高いビジネス・スキルまで、様々テーマはありますが、どのような場面でも使えて、業種が変っても持ち歩ける「ポータブル・スキル」の研修は人気が高くなります。そして、その内容を伝える「告知文」と業界では言われる「研修のお知らせ」の文章が魅力的であることが重要です。

実は、今回事前にご共有頂いた、この研修の告知文はとても良く練られたもので、私も驚きました。これは育成担当の役員の方からの発信として全社に対してメールされているのですが「特定の層でなく全員の役に立つスキルだと確信している事」や、その上で「一緒に会社を良くして行く為に、どのようなマインドを学ぶと良いのか」が、短い文章の中に納まっていました。またさらにご担当者の方が告知を工夫されていて、メールで一度だけでなく五月雨式に、最初は研修のメリット、次は講師のエピソード等と直前まで参加者意欲を高め、研修に惹きつける工夫をされていたのも印象的でした。「手上げ研修は、集めるの大変なんだよね~」「無料の研修だと当日キャンセルも多くてね」などとぼやく前に、することは沢山ありそうだなと、私も今回学ばせて頂きました。

そのように、意欲を高めた状態でお集り頂いているからこそ、良い研修の場も作れますし、しっかり研修の元を取って頂くだけ、集中して学んで頂けるのだと思います。

営業職の方への響き方

今回は、どなたにも喜んで、そして楽しんで頂けるような構成としましたが、やはり営業職の方には、格別に響く部分が多かったようです。終了後は、営業の方の質問の列ができました。

私も以前販売していたような組織・人事のアセスメントツールを販売していらっしゃるチームもあり、訪問先は同じ人事・総務部ですし、私自身ご苦労を伺う毎に共感する部分がありました。本当は5回コースぐらいで、営業部門の方だけ、がっちり鍛えて差し上げたいぐらいの気持ちですが、幸いな事に、もう一度第2回が開催される為、この2回目の機会を最大限に活用して頂こうと思い、次回までに自主勉強会の開催をお願いしました。繰り返す事で自分の中に定着して行くという実感も皆さんに味わって頂きたいと思います。

そして、またまたお節介炸裂で、次回は、終了後休憩を挟んで希望される方だけ残って頂き、短い時間ですが、更に実践的な補足とスペシャル質問タイムを設ける事にしています。このような仕掛けを予め用意しておくと、営業職の方のご満足度も上がると考えた為です。自社研修室ですから、受講された皆様がご希望なら少々時間が伸びても大丈夫ですしね。

営業職の方のアンケートのコメントを拝見すると、ご自身の事におきかえて考えながら受講して頂いた事が判ります。

“意外と話が上手くなくても、色々な手法を取り入れれば、営業力は磨けるのだなと思いました。”

“共感、傾聴、洞察、で会話の流れを大きく変えるために必要なスキルや知識はとてもシンプルだということ。それを、取り入れるか取り入れないかで、得ることができるポジティブなチャンスの量が全く違ってくることが印象的でした。”

難しい事をガリガリと学ぶよりも、身近な事例に置き換えて一緒に考えて頂く事で、「私でもできそう」(そもそも私自身が魚屋からコンサルタントへ転職したのが45歳です)と思って頂く事が大切ではないかと思います。

また、相手のニーズを探る洞察の所は、「12Mですか?320Mですか?」というインターネットやケーブルテレビの契約をする営業職のNG事例でご紹介させて頂きましたが、アンケートの中で2名の方が、ご自身の事例に置き換えてハッとしたと書かれているのが印象的でした。きっとこれからは、お客様のニーズを広く拾って来て下さる事と思います。

“事例で出されるとバカな聞き方してるな~と皆笑いますが、自分自身、アウトソーシングのお問合せがあったときに、「新卒ですか、中途ですか?」「常駐ですかリモートですか?」と回答していてハッとした。(話の目処をつけるための回答であってもアクションは例文と同じ)”

“改めて聞くと当たり前だが、普段の営業時に出来ていないと気づかされることが多々あった。

特にインターネット契約の例で、目の前の要望、課題にだけ答えるのではなく、その背景までヒアリングすることの重要性を再認識した。“

このように、今回の研修は私にとっても手ごたえ抜群で達成感も高く、今後の皆様のご成長がとても楽しみな研修となりました。次回は12月に予定していますので、またビジネスで汎用的に使えるスキルを皆さんにご紹介できればと思います。