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母校である明治大学専門職大学院グローバルビジネス科のオープンキャンパスで「MBAで稼ぐ力を身に着ける~人生100年時代の自己投資戦略」講演を行いました。当日キャンセルもありますよね、と90-100名様ぐらいを想定していましたが、なんと130名を超えるお客様。明治大学専門職大学院グローバルビジネス科、オープンキャンパス始まって以来の、ご人数だったそうです。

そして、私はその学びたいという熱い意欲をお持ちのMBAコースを検討されている皆様に更に熱く語って来ました。MBAとは、経営学修士、Master of Business Administration(MBA)の略称です。単なる明治の学校紹介ではなく、学校選びのポイントから、学んだ事と自身の経験を使ってビジネスを生み出すコツまで、ちょっと偉そうではないかしらと、心配だったのですが、もう本当に沢山の方に「良かったです」とお声がけを頂き、終了後も沢山のご質問を頂きました。

MBAを持っていても日本企業では役に立たない

今回もっともお伝えしたかったメッセージは、MBAをただ漠然と取得しても何も変わらないという事です。特に危険な事は、MBAという資格に対する過大な期待です。最近仕事で閉塞感を感じる、このままで良いのだろうかという不安、この状況を打破するには、MBAではないか?MBAを取得すれば出世コースに乗れるかも、昇進できるかも等の理由で「今の自分を変える為」に来られる方が多いのです。

35歳ぐらい迄の方で「学びたい・自分磨きをしたい」という方なら、まだギリギリセーフ、今後の軌道修正を効くかと思いますが、35歳を過ぎているなら、回り道をする余裕はないと考えた方が妥当だと思います。

他には、まもなく定年、「このままではまずい何かしなくては、そうだ今までの経験を活かしてコンサルタントして独立しよう」その為にはMBAがあれば仕事もどんどん来るのではないか?と言う方もお見掛けします。同期入学ではありませんが、私の学校でも早期退職の退職金で2年間勉強に専念しますという方がいらっしゃいました。そんな事言っていないで、まだ50代の前半なら早く次に就職して、MBAは夜間でいいじゃないですか!と思いますが、入学してからそのような事を言っても遅いので何も言えません。ものすごい額の預貯金がありセミリタイア気分の方は別です。

つまり、大切な点は、ただ漠然とMBAを取得しても、思い描いた結果は殆ど幻想に終わるという事です。

米国などですと、トップマネジメント層はMBAホルダーが当たり前、MBAを持っていれば就職や給与にも影響を与える事ができるようですが、実は日本ではステータスとしてのMBAは、殆ど役に立ちません。むしろ生意気な資格、面倒くさいやつの持つ資格ぐらいに思われる事の方が多いように感じます。MBAと名刺に入れてしまう卒業生もいますが、そのあたりかなり現実とのギャップがあるように思います。

そのような日本の会社での現状から、最低限日本国内のMBAを取得する場合は、明治大学専門職大学院のようなEPAS(国際認証)などを受けている学校を選ぶ必要があります。社内ではなく、対外的に認めて頂く訳です。国際認証機関「AACSB」および「AMBA」からのダブル認証を受けているのは、日本では名古屋商科大学のMBAコースです。

ビジョンを描いて戦略を立てる事

講演では、ご自身の最終的にありたい姿をビジョン(映像)としてありありと思い描き、戦略的に学校を選び、戦略的に授業科目を選ぶ事をお勧め致しました。明確なビジョンを描いて挑戦するならば、経営に関する幅広い知識と自分のゴール達成に役立つ専門性の拡大で、知見を広めるだけでなく、何より自分自身に自信がつくという大きな成果を得る事ができます。

具体的には、戦略的授業選択に関するお話をさせて頂きました。入学を検討している大学院の公開されているカリキュラムを2年分選択して並べてみるのです。仕事を続けながら学ぶ方の場合は、週に何日まで週末や夜間を使って授業選択ができるのかを目に見える形にしてみるのです。私の場合は研修会社勤務と言う事もあり、講師の質に日頃からコダワリがありましたので、選択させて頂いた先生方の実際の授業を公開授業で確認したり、インターネットで動画検索をしたり最終的に検討していた3校分ぐらい、じっくり調査しました。実際に並べて見ると、学校によっては専門領域の先生が一人しかいない事に気づいたり、特定領域の授業が多かったり、オープンキャンパスでこの先生に学びたいと強く思った先生の授業は実際には、他の講師の方と2人授業で1回だけというような、カラクリも見えてきました。

また私の研修では良くお話させて頂く、「良いビジョンの作り方」もご披露させて頂きました。

終了後にご参加の皆様とお話させて頂く中で、ビジョンを持つメリットの話がとても印象に残りましたと数名の方からお声がけ頂きました。もしそのようにビジョンを持つメリットを若いうちに私も気が付いていたらならば、もっと最短コースで進めたのにと思います。

修士論文での挫折体験も

お話の中では、良かったこともダメだった事もオープンにお話したかったので、修士論文でへなへなになった失敗談もお話させて頂きました。そして、このような挫折体験も含めて、やはり体系的に物事を考え、既知の事例(先行研究)に自分自身の新たな知見を乗せて学びを深める過程で多くの事や考え方のフレームを学んだ事を共有させて頂きました。論文もないまま卒業となってしまうビジネス・スクールもありますが、この辺りは学びを深めたい場合は、確認すべき点となるでしょう。

コンサルタント起業で失敗しないコツ

自分自身のビジネスの経験をすべて活かして、企業を指導し、時にはセミナーを開催し、アドバイス等を行うコンサルタントという仕事は、仕入れもオフィスも不要の為、特に定年後に多くの方がチャンレジしてみたいと思う職業ではないでしょうか?私の友人でも、年に数人がコンサルタントとして起業しています。そして、上手く仕事が回っている人は、本当に一握りであると感じます。私はたまたまマーケティングに卓越した能力を発揮する良い友人を持ち、そのアドバイスに忠実に仕事をスタートしたので、とても良いスタートを切る事ができたと感じています。限定的ではありますが、MBA起業でコンサルタントを最終目標にされる方も多いので、コンサルタントとしての起業で失敗しない7カ条も最後にご紹介させて頂きました。

今回の講演を設計する過程で、起業家の方向け講演に新境地です。なんでもチャレンジさせて頂く事は、自分自身の領域の幅が広がるように感じます。

ラストは、皆様とのご交流を

最後は、私の研修では御馴染みですが、ご参加の方同士の振返りで終了させて頂きました。45分の短い講演でしたが、ご参加の皆様が学校選びに、自分磨きに、そして最終的に起業家として独立をされる際のご参考になっていましたら幸いです。

2018年12月実施