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ブログも久しぶりになってしまったのは、まじめに働いていたからです、、、という言い訳からのスタートですが、5月1日にはじめてオンライン研修を実施してから8月末までの4か月で企業向けのオンライン研修を44回実施させて頂きました。講演中心の方やもっと実績のある講師の方でしたら、こんなものではないと思いますが、まったくオンラインの実績のない私に、よくぞここまでご注文をいただいたものだと思います。ちなみにまだ納品残を約26本予定しています。

今日は、数をこなしてみて判ったオンライン研修のコツを共有させていただきます。オンライン会議などでも参考になると思います。結論から言えば、リアルからオンラインへの研修の切り替えに悩んでおられるなら、すぐオンラインに切り替えをされることをお勧め致します。コロナが収まるを待っていた会社とすぐに行動した会社の差はひらく一方と先日私の友人のカリスマヘッドハンターの森本千賀子氏が講演で話していましたが、まさにその通りです。

オンライン研修は、リアルを超えられる

オンライン研修のメリットは、手軽さです。移動時間もなく、会場設営もなく、受講者への告知を考えても翌月の研修を企画することが可能です。また、1日研修、半日研修を分割開催することで、理解度のアップと定着化支援に非常に有効であることが判ってきました。これまでも経営理念プロジェクトですと半年、営業研修ですと3時間~4時間の4回コース、5回コースなどを実施してきましたが、現在取り組み中のものが8名までの少人数であることも大いに影響していると思われますが、特に講師と受講者の関係性構築に大きなアドバンテージを感じています。

体感値でリアルを超えて来ているので、エビデンスを取ってみましたが、現在実施中のオンライン研修6回コースのご満足度の平均が5回目が終わった時点で、5点満点で4.86まで上がっていてびっくりしました。(この平均は例えば大変満足の中に1名満足という方がいらして、普通と答えた方がゼロという状況です)昨年の連続研修の満足度ですと4.0、4.1と4点を少し超えたところという会社が多く高い会社で4.3という事からも、特に少人数で連続研修とした場合のリアル越えは事実だと思います。すべて数字を並べたらこれだけでオンライン研修の有効性の実証研究の論文がかけそうですが、忙しいので止めておきます。

以下、リアルを超える成果を掴むオンライン研修のコツ(2020年夏時点)を共有します。

1.講師の実力はリアル研修以上に重要・ポイントは声

オンライン研修では、講師の上手、下手にリアル以上に大きな影響を受けるように思います。これは、オンライン研修だけでなく、オンライン会議・面談でも同じことですが、重要なのは、声です。アルバートメラビアンの法則というのがあります。人に与える影響について、Visual(見た目・しぐさ・表情・視線)55%、Vocal(声の質・声のトーン・速さ・口調)が38%、Verbal(言葉・内容)7%というものです。アルバートメラビアンには、申し訳ないですが、これがオンラインになるとVisualとVocalが入れ替わります。見た目情報が少なくなる為です。

私の感覚では、声と見た目の比率は軽く見積もっても逆、声の質やトーンが50%越え、下手をすると60%超えてしまうのでは?という体感値です。そのため、私のように、すでに発声練習だけでも40年近くと長期に渡って声にこだわり練習を続け(中学で放送委員会、高校で放送部、大学でアナウンス研究会)、営業職になってからは、人に信頼される声、Yesを引き出す声と、さらに声のトレーニングに血道をあげてきた講師は圧倒に有利という状況になるのだと思います。

2.コンテンツは、オンラインに最適化が必須

リアル研修のパワーポイントは、すべてオンラインに作り直し、最適化をしないとアウトです。また私の経験の範囲ですが、特にこのようなコンテンツ(内容)が向いていないということはありませんでした。リアルで5時間の研修を5時間下さいという講師は注意したほうが良いと思います。そのままやる気満々ですね。私はリアル5時間なら内容を 絞って90分×2回、または×3回でご提案します。

ちなみに、たとえば、3回に増やしてしますとコストはリアルよりアップするのですが、実際にやってみると会場費も移動費もかからず、なにより受講者のもし働いていたらこれだけ稼げたのにという業務時間の遺失損益が減りますので、結果的にコストパフォーマンスが最強という事でお客様には喜んで頂いています。

オンラインに最適化してパワーポイントや先週はすべて作り直しです。元のものをそのまま使う場合でも、意味のないところで時間を使うのは嫌なので、よほど強調したい部分を除いてアニメーションなどは全部消してしまいます。私もはじめのころ、オンライン会議は疲れるなぁと思いましたが、リアル研修のようにパワーポイントをバンバン送って行くような設計にしてしまうと、受講者の方が疲れてしまいます。

3.リアルの70%のコンテンツしか入らない

これは、もうどうしようもない事実ですね。90分で私の場合パワーポイント65枚程度です。通常の90分ですと90枚~95 枚です。ほとんどの研修では、最後にこれをやってみようというチャレンジ目標を3つ書いて頂くのですが、90分オンラインですと、そちらも2つになります。それが駄目かと言うと、理解と落とし込みという意味では、ある意味受講者の負担になりにくく、実践によりつなげやすいように思います。5つお伝えして3つしかできないより、3つだけお伝えして、確実に実践して頂く方が良いのではという考え方の転換です。しかし、こうして文章にしてみると、私はオンライン研修においては、「いかに受講者に負担をかけないか、疲れないようにするか」という点を重視しているのが判りますね。

4.インタラクティブさは、20%増で

研修設計のポイントはインタラクティブ(双方向対話型の研修)さです。リアル研修でもこの点は重視していますが、20%増ぐらいの感じで、常に話しかけながら実施しています。そのためにあみ出した技は、パソコン2台使いの大型モニター2台使いです。パワーポイントを共有してしまうと、受講者の顔は通常どのソフトでも小さくなってしまいます。(マイクソフトチームスは大きくできますが、今度はパワポの画面が極小に)そこで、PCを2台用意して、別のアカウントから会議システムに入り、1台のモニターでパワーポイントを共有、もう一台で受講者の顔を並べて表示しておくのです。

当初は回線が落ちた時のバックアップ用であり、受講者から見てどう映っているの確認用という事で2台目はノートPCだったのですが、現在はこの別アカウントで受講者を大きく映す有効性に気づき、それを標準にしています。パワポ画面を共有して話すだけでなく、受講者の方にもお顔を拝見しながらやっていることを事前にお伝えし、みなさんの様子を拝見しながら「○○さん、ここ笑いすぎ」とか、「○○さん、大きくうなづいて下さってありがとうございます」と話しかけながら進行しています。演習を入れるだけがインタラクティブではないということです。

この大型モニター2台使い、ぜひ大切な会議でパワーポイントを使って発表というような時にも試してみてください。効果抜群です。ちなみに、私は、このほかに、回線が落ちた時のためにもう1台、別回線で入るので、都合3台のPCを使ってオンライン研修をしています。

5.開催時間は90分、認知限界は、8名程度

開催時間は、90分をお勧めしております。それ以上の集中を維持するのは、受講者の方への負担になると考えるためです。人数に関しては、8名であれば、確実にひとりひとりとやり取りしながら、研修がすすめられます。10人を超えるとかなり怪しくなり、15名を超えたら25名までは変わらないように感じます。更に25名を超えると回線が重くなりすぎてフリーズが起こる可能性が確実にアップするので、おすすめしません。

ただし、コストギリギリなものの、もっと一度に多くの人に早く知って欲しい、活用して欲しい、またはみんなで考えてみんなで参加するから意義があるという場合には、ご要望に合わせてお受けしています。しかしながら研修形式の場合、事実として、先日25名のオンライン研修で講師評価が5点満点で3.75まで下がったものがありました。通常は4点を超えてくるので、かなり驚き、また点数を上げられなかった自分の力のなさをおおいに反省致しました。

6.アンケート活用で納得感のあるコンテンツ絞り込みを

課題および受講者ニーズに対するコンテンツの絞り込みは、リアル以上に気を使う必要があります。この対策のために、今回はリクエストを頂いた研修では、終了後すぐにURLを配布する形でオンラインのアンケートを実施しています。設問は定量質問4問、定性質問3問が標準です。最後の質問は、さらに気づいたこと、改善してほしいこと、更に学びたいことなどを自由にお書き頂くようになっていますが、ここに受講者からのリクエストや質問がたくさん来ます。これに振返りメールを返したり、次の研修の冒頭で回答したり、リクエストを誰が見ても明らかに取り入れたことが判るようにカスタマイズして行くことで、受講者との信頼関係が強固になり、満足度も加速度的にアップして行きます。

また昨年までは手書きのアンケートでしたので、10点満点で評価を取っていましたが、オンラインでの回答のしやすさを考えて今年から5段階評価に変えています。手軽さを強調すること、別に高い得点がなければお仕事を頂けないというわけでもないので、記名方式から無記名方式に変えました。(無記名の方が点数は低くでます。)

最後に機材の配置など

今後は、全社会議をオンラインでファシリテートするお仕事や、経営理念の全社浸透をオンラインで行うコンサルテーション&ワークショップの運営、また社内会議システムを使ったリアル&オンラインのハイブリット研修など、まだまだチャレンジングな研修が控えています。また、新しい発見がありましたら共有してい行きます。大切なことは、やってみることですね。最後に機材の配置などを共有します。

通常のセッティングです。PC2台と24インチのモニター2台にマイク、ライトです。

↓は、設定です。右のモニターは足元のデスクトップにつながっていて、左のモニターが左のPCにつながっています。マイクは、Yetiというマイクを使っていますが、いつも調子が良いとは限らず、手前の本棚に予備のヘッドセットがかけてあります。手前から大型のライトで照らして、右手の反射板で反射させて顔に光を当てています。

オンライン研修には機材トラブルは兎に角つきものでして、音声トラブル、PCフリーズなどに次々襲われてバックアップに乗り移っていくと、最後は、机の上がごちゃごちゃになります。正面の携帯は、自分が反省するために動画を取っています。androidでは、45分ぐらいで勝手に切れてしまうようですが、できるだけ撮影するようにしています。自分で後から聞いても、ものすごい迫力と説得力で、これでは疲れるだろうなと思います。

バーチャル背景は、マイクロソフトチームスが優れています。動いたときのうねりが少ないのです。他にはWebex、Zoom、GotoMeetingなどの会議システムでは、バーチャル背景を使わず研修をしています。

背景をもっときれいにしようとクロマキー合成ようの背景を購入しましたが・・・・

そもそも勝どき研究室は、仕事以外のものを置いていないので、リアル背景でも普通にきれいなので、クロマキーを使う必要もないかと思い、現在は使っていません。バーチャル背景は、ケースバイケース、あくまで受講者の方の集中力を維持するには、どちらが良いかという判断で使っています。以上、オンライン研修44回実施してみた知見の共有でした。