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9月に実施させて頂いた生命保険会社様の女性若手営業職500名向け60分講演のアンケート結果を頂く事ができました。この講演のタイトルは、「~明日から営業がもっと楽しくなる~いきなり30億セールスの売る力」です。

楽しい研修とは何か?

この講演の結果は、一言で言えば、会場中が一つになるような大きな満足感で「楽しかった」と皆さんが感じた事、これに尽きます。では、楽しい研修とは、どのようなものなのでしょうか?それは、どのように作り出す事ができるのでしょうか?今日は日頃研修を導入されている人事部や研修部門の皆様向けに「楽しい研修に関する一考察」をご紹介させて頂きます。

講師スキルで生み出す「楽しい研修」

まず講師のスキルとして、講演と言われるような短時間のものであったとしても、共に学ぶ、自ら考えるというような研修形式にして、「楽しい」と感じて頂く方法が考えられます。講演と言われる60分や90分と言う短い時間の場合、参加者とのやり取りをせず講師が一方的に決まったことを話て終了という場合が殆どです。私は、そのスタイルが好みではないので、60分、90分でも研修形式でゼロから課題と対象者の方に合わせて設計していきます。そして、会場にどんどん入っていき、参加者の方々と対話をしながら、学びを深めて行きます。もちろん、どのような答えが皆様から頂けるかは、マイクを向けてみないと判りませんので、殆ど全編アドリブの世界と言ってもよいかもしれませんが、みなさんの目線の皆さんの研修になりますので、楽しい度はどんどん上がって行きます。

では、なんでもかんでも対話をすれば良いかと言えばそうではないと思います。例え事前の打合せで講師が「60分の中で、ワークをひとつぐらい入れましょう」と言ったとしても、研修導入責任者の皆様、そこで安心してはいけません。(ここで言うワークとは、演習という言い方でも、いいのですが、参加者の方にも何かやってもらうという意味で使っています。)実際に盛り上って「盛上がりましたね」と主催された側としては、なんとなく表面上満足となったとしても、本当に参加者の方々の役立つワークでなければ、いくら会場が盛り上がっても、意味がないと思うからです。盛上げるだけなら、面白い事を必ず3分に一回は言って笑わせるだけでもいいはずです。

参加者満足と主催者満足の両立

本当に心から「楽しかった」と思って頂く背後には、「これなら役に立つ」という参加者サイドの満足感と、事前に設定した課題をきちんと落とし込めたという主催者側の満足感が同時に必要だと思います。これは、私が講師としての仕事のキャリアより、人事コンサルタントとして、つまり営業視点で主催者側と課題に関して突き詰め、主催者満足を追及して来たキャリアの方が長いからかもしれません。つまり「楽しい研修」は、参加者の気づきを深める為に大変重要ではありますが、結果として(最初からこれをゴールにすることはないとしても)楽しい研修をゴールにしてはいけないと考えます。

今回の講演は、500名という大人数であったこともあり、アンケートは特に用意されておらず、2日間の先方企業様のイベント全体のアンケートがあるのみでしたが、沢山のコメントをこの「売る力」講演に頂いた為に、そのコメントを主催者様からご共有頂きました。今日は、アンケート結果を分析しながら、結果的に「楽しい研修」となった今回の研修の主催者意図達成を見て行きましょう。

主催者意図の達成度

まず、今回の意図は、「営業は楽しい」と実感して頂き、成績優秀な方々にさらに躍進して貰う意識付けです。60分という短い時間でしたが、営業が楽しくなるように、3つのコツをお伝えしました。この3つを皆さんが持ち帰って頂ければ成功、つまり主催者満足という事になります。

  • 伝えるという事のコツ「伝える力」
  • スランプを脱出するコツ「セールスで成果を上げる13の徳目」(講師の成果を上げる為の秘訣)
  • モチベーションを維持するコツ「仕事におけるビジョンを持つ」

実際のアンケートの沢山のコメントは、重複回答が数値化されていましたが、ベスト3は以下の通りです。お伝えした順番こそ違いますが、短い時間であったにも係わらず、それぞれ、狙いとしたテーマを、しっかりお持ち帰り頂いていることが判ります。この状態ですと、主催者満足度が高いと言えます。

  1. 第一位 スランプ脱出法などモチベーションアップにつながった/ 13 の徳目が為になった
  2. 第二位 自分自身のビジョン・目標を明確にすることが大切であると学んだ
  3. 第三位 伝え方、声のトーンや間の取り方が勉強になった

このように、主催者の意図と講師の研修設計が噛み合いますと、きちんと参加者の方にも伝わり、結果として「役に立つことばかりで、楽しかった」となるのだと思います。そのビジネスパーソンとしての成長意欲を信じたいと私は思います。

アンケートコメントより

【スランプ脱出・モチベーション/13の徳目】

  • 営業活動をする上でモチベーションの維持が大事だと思っている為、具体的な解決方法を教えて頂いたのが良かった。
  • スランプになった際、乗り越える為に続けること・自分自身の仕事におけるビジョンを持つこと・自分の腕が大切だという事・想いをエネルギーに変える事等を学んだ。
  • スランプに陥っていたタイミングで、前向きに仕事をする為のエッセンスを頂けた。
  • 悩みが増えて来た中、今回の話を聞けてよかった。
  • スランプに入っても持ちこたえるために、”自分の中で必ずやること”自分を改善させるルールを決めるというのは、とても勉強になった。「13の徳目」はすぐにでも、意識して実行して行きたい。
  • 日々の活動に根差した具体的な講演だった為有意義だった。

【営業は楽しい】

  • 営業が「楽しい度」と「営業力」は正比例する→「なぜなら営業は売れたら楽しいから、売れる事が大切」ということに「なるほどな!」と法職リーダーとしても嬉しく、チーム員に聞いて欲しいと思った。
  • 自信を持って営業が楽しいと思ってもらえるような職員を育てる為に、工夫をしていかなければならないと思った。
  • 「売れたら営業は楽しい」が印象的だった。
  • 特に営業の仕事に自信を持てない職員には勇気づけられる内容で、有意義だったと思う。

【仕事におけるビジョン】

  • 自身のビジョンを明確化していきたい
  • ビジョンを明確にすることが大切だとわかった、しっかり考えたい。
  • 今月の数字が上手く入ってなくて不安になっていたが、今こそ自分のビジョンを明確にして、目の前の仕事に一生懸命取り組む時だと思えた。
  • 自分の目標や課題を明確にして成功につなげて行きたい

【営業スキル】

  • 営業を楽しくするには、伝える力・聴く力が大切だという言葉が印象に残った。
  • 明日から使える営業テクニックばかりで勉強になった。
  • 声のトーンと間の取り方が勉強になった。
  • お客様に共感できる営業になりたいと思えた。

【その他】

  • パワーを感じられる話し方、ご自身の経験を踏まえての内容に感銘を受けた。
  • 営業をこなして来たカッコいい女性の秘訣を聴く事ができて、大変ためになった。58歳の方の声ではなく、すごく張りがあったため、声や服装は大事なのだと思った。
  • 人として輝く為の話を聴けて良かった

90分の別部門での研修では・・・・

因みに、こちらの講演は、若手の方向けでしたが、2か月後に同じ日本生命様の別の部門で90分のマネジメント研修をさせて頂きました。こちらの研修は、50数名というご人数でしたので、さらに共感が波のように広がる「楽しい研修」となりました。気づきを沢山お持ち帰り頂くには、「研修が楽しい」ことが重要。でも、本当に大切な事は、きちんと参加者の方の課題を解決すること、そして主催者の方と合意した研修意図が明確に伝わることだと思います。これからも、ご満足度の高い研修をデリバリーできるように、お客様とお打合せを重ねて行こうと思います。

関連ブログは、こちらです。

日本生命保険相互会社    女性営業職500名講演

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