In 営業力強化

日経新聞の2019年弁護士ランキングで労務部門第6位と独立2年でいきなりトップ10入りされた、倉重公太朗先生と最強営業についてYahoo!ニュース(個人)で対談をさせて頂きました。タイトルが凄い「カニの女王様」が教える営業の極意です。最強営業の話をという事でしたが、対談では営業力から経営理念の浸透までお話は多岐にわたりましたが、今回はそのこぼれ話を。第2回で「コロナで変わる商談スタイル」についてお話させて頂きましたが、今日はそのこぼれ話、深堀バージョンです。

コロナで変わるオンライン面談のコツ

まさかこんな事態になるとは、誰が2月の時点で想像したのでしょうか?2020年2月、私たちは新型コロナウィルスとの闘いを始めました。当初の大方の見込みを大きく外し最終的に緊急事態宣言の発令となり、外出自粛がデフォルトとなった為に私たちの仕事の仕方は一気に変わりました。いわば日本総強制働き方改革推進とでも言うような、医療従事者の方や生活に必要な現場を任されている方を除きリモートワークが一気に進みました。

我が同士の営業職の方々もお客様訪問ができず悶々としている人も多いのではないでしょうか?前回の倉重先生との対談では、オンライン面談のコツについて以下のようにコメントさせて頂きました。

  1. ミュート(消音)にしない、画面も出来る限りONで
  2. 画面共有のパワーポイントは最小限で
  3. お客様の反応をリアルより注意して確認
  4. インタラクティブな対話を意識
  5. カメラ目線で

上記に関しては、詳しくは倉重先生との第2回対談をお読みください。本日はプラスアルファでオンライン営業や社内でのオンライン面談のコツをお伝えします。

「オンライン面談は疲れる」がデフォルトだ

オンライン面談は疲れます。逆にカチッとしたスーツを着て相手企業に緊張して到着、上から下まですべて相手に見られているという対面面談における緊張感もなく、オンラインの方が楽だと思っているなら、それは大きな間違い、その面談には効果がないと思った方が良いと思います。この対談の後、弊社もオンライン化がどんどん進み、5月1日にはじめてWebセミナーを実施して死にかけたばかりなのに、(ブログ:はじめてWebセミナーで死にかけた)もう現在週に3-4本づつ企業向けのオンラインでのセミナーに登壇しています。5月は全部で13回、新研修のデモを入れると16回です。しかし、これがリアルセミナーの1.5倍から2倍は疲れるのです。

自分でも馬鹿だと思いますが、当初はオンラインの90分だから午前と午後に1本づつ連投でも大丈夫だろうと、10時から90分、次が13時から90分と、うかうかダブルヘッダー(2回登板)の予定を入れてしまいましたが、はじめてのダブルヘッダーの日に翌日寝込みそうになるくらいヘトヘトになりました。実は昨日もダブルヘッダー登壇でしたが、案の定今日の午前中半分死にかけて、午後から提案書を書く頭が回らないので、こうしてブログを執筆中です。しかしながら機材セッティングもプロとして完璧を目指したいので、セッティングの手間なども鑑みると勢いダブルヘッダーとなるのですが、6月からは10時からと14時からと間隔を空けて頂きました。

オンライン面談(セミナー)では、テンションを上げる

セミナーでも面談でも一緒ですが、オンラインでの対面の場合は、まずテンションを上げます、元気度120%ぐらいの感じです。昔実家の母が電話に出るとき「○○でございます」と声のトーンを一気にオクターブ上げしていましたが、あれに近いものがあります。研修始める前に写真を撮るようにしているのですが、アドレナリンを出しまくっているので軽く5歳ぐらい若返って見えます、本当です。(20歳の子が5歳若返ると中学生になっちゃいますが、だんだん大人になると5歳ぐらいどうという事もなくなりますの来月60歳)

そして、終わると10歳ぐらい一気に老け込みます。身振り手振りもリアルセミナーの倍ぐらい派手に動かしているので、精神と肉体両方にきます。しかしながら、人は動くものを無意識におってしまうので、その方が効果的なのです。その際、お友達と話す時のリアクションの80%ぐらいのスローモーションを意識して動かした方がより効果的です。派手に動かすけど、決して速く動かすわけではない、ここ大切な所です。これはリアル面談でも同じですが、せかせか動かすとお客様に心地よくお過ごし頂けない為です。

スタートの1分は決めておく

オンライン面談、Webセミナーの場合、最初の掴みが非常に大切です。なぜなら対面と異なり少ない視覚情報でかつ短い時間で相手の人となりを判断しなければいけないからです。オンライン面談の場合、いきなりアイスブレークなしで商談に入ったりしていませんか?やってみると判りますが、ある目的をもってお互い時間を作ったので、こんにちは今日はよろしくお願いします、早速ですが・・・・的にはじめたくなるのですが、30秒でも良いので、短くアイスブレークのネタを用意しておくと効果的です。逆に言えば対面より、そこは難易度が高く練られた確実にインパクトを残せるものが必要となります。お客様の場合、お客様の嬉しい事を共有させて頂くなど完璧な準備が必要になってきます。

私はWebセミナーの場合は、端的な自己紹介と捨て身の自己開示から入ります。昨日のセミナーの冒頭ですと、「前日もWebセミナーだったのですが、終わってやった~とソファに横になろうとして本棚に後頭部を強打、ですから今日はちょっとセミナーに切れがないかも・・・・」的な話から始めました。私の場合は、すでにお客様もカッコいいコンサルタント的なことは決して期待されてないので、対面でも同じような感じとなりますが、いずれにしても企業研修とは思えないスタートを切るようにしています。因みに最後の3分も私は最初から何を言うかを決めていて、プロなのに練習ばかりでカッコ悪いのですが、頭と最後は特に時間をかけて練習をして臨みます。ちなみに昨日もオフィスでキャスター付きの椅子に座ろうとして、思った所に椅子がなくそのまま転倒おしりを強打と、私の場合、毎日こういったエピソードにはことかきません。

ビデオオンなら用意したパワポにこだわらない

対談の際にも、パワーポイントの共有画面は、カッコよく見えるし楽ですが最小限にしましょうとお伝えしていますが、もしお客様がビデオオンでご対応頂けているなら、もうこれは可能な限り最小限が望ましいです。カッコよくプレゼンできてもお客様の心を動かせなければなんにもなりません。

とにかく画面の相手の表情や動きに最新の注意を払っています。商談をクローズする際に、相手の感情を追いかけるのは基本中の基本ですが、オンラインでもそこは変わりません。面談中は兎に角、お客様の動き、特に気持ちの動きに集中して下さい。

私の営業スタイルのおすすめポイントとして「相手の事を徹底的に調べること」というのがありますが、相手が複数のプレゼンテーション的な状況の場合は、オンラインの場合でもお一人お一人の情報を事前に頂いておくと、やり取りもスムーズです。私のセミナーの場合ですと、事前にお名前や所属、お役職などを頂いて、相手の方のポジションや状況に合わせて投げ掛けやコメントをするようにしています。落ち着いて対応する為に最初に当てる3名の方と最後に当てる3名の方をバランスを考えて事前に決めておきます。今月の案件ですと毎回15名づつ、ときどき間違えますが進行をスムースにするためにできるだけ暗記するようにしています。本当に時々間違えるので大口は叩けませんし、事前に決めた方がいても表情やしぐさで、この人!と思った方に発言して頂いたり、性格悪いので、わざとビデオオフの方に当てたりしていますので勿論計画通りには行きません。しかし、たとえばお客様の役員会などでプレゼンする場合は、全部メンバーのプロフィールを事前に読んでイメージトレーニングをされてから臨むと効果的と思います。

前回のセミナーですと、ディスカッションの場面でZoomのようにブレークアウトセッションのできないアプリケーションだっため、可能な方だけではありますが、通信料節約の為にディスカッション時のみ全員ビデオオンにして頂いてやって頂いていたのですが、みなさんのお顔を拝見しているうちに、気持ちがひとつになって来るのを「感じた」ので(ここ大事な所です)、最後に用意していたパワーポイントを2枚使う事を止めました。もちろん時間をかけて作ったパワポですから、カッコよく使いたいのはやまやまでしたが、それよりリアルと同じく対話(インタラクティブさ)を優先した方が効果的だと思ったからです。

みなさんもご商談やオンライン会議などでお客様やチームメンバーに対してパワポを共有しながら話されることもあるかと思いますが、脅かすわけではありませんが、お客様や部下は片手でSNSをチェックしたり、携帯のゲームをしているかも知れませんよ。気温も上がって来たので、ミュートにしてランチの冷やし中華を茹でているかも知れません。そんな会議や面談に効果があるとは思えません。ぜひ、可能な限りお顔を見ながらを心掛けて見て下さい。

立ってやるか、座ってやるか?

オンライン会議やWebセミナーは座ってやれるから楽ですよね。私も、こんなセミナーのやり方でいいなら80過ぎてもできるなと当初密かにほくそ笑みましたが、実はそうでもないのです。もし更に御自身のプレゼンス(魅せ方)を上げたいと思われるなら、説得力を120%にしたいと思われるなら、立って話すという事も試してみてください。まずは、チームとの打合せなどで、ぜひ試してみることをお勧めします。

私は実はやってみました、本棚のなどの上にノートPCを置いて立ったまましゃべるのです。私の場合は、特に圧倒的に立って話した方が良い声が出るという事が判りました。その理由は、声の質を向上させる腹式呼吸です。座ったまま話すより、立って話す方ががよりお腹から声を出せるので、説得力のある声が出やすくなります。

機材と魅せ方の重要性

また、機材については前回も書かせて頂いていますが、パソコンについているマイクとスピーカーでは、聞こえはしますが、聞き易さや説得力という点においては不十分です。ヘッドセットか、最低でも携帯におまけでついていたマイク付きイヤホンでも、使えば格段に説得力がアップしますので、まだお使いでない方は、ぜひご用意される事をお勧めします。特にチームミーティングなどでビデオオフにされてしまうと、もうあとはリーダーであるあなたの「声の質」と「抑揚」にかかっていますので、御自身のプレゼンスを上げる作戦を是非試してみてください。

始まる前には、ぜひご自身の画面での見え方のチェックもお願いします。毎日沢山の方とWebinarをしていると、逆光で黒い塊になっている方、天井が70%顔が30%の方など、セミナーだからかも知れませんが、あまりにも気を使わなすぎで、これで本当にお客様やチームミィーティングの時だけは完璧なんてありうるのかしらと疑問に思う事もしばしばです。お一人お一人の考え方ですので、セミナーではご注意致しませんが、自分自身がYesを貰えるか貰えないかの瀬戸際でのオンライン営業・オンライン面談ではぜひ事前に自分自身がどう映っているのかを、チェックされてみて下さい。

お客様の為になることは何か?

さぁ、あとはオンラインだろうが対面だろうが、営業職の方は「お客様の為になることは何か」を真剣に考えることです。このYahoo!対談でご一緒させて頂いた倉重先生は企業労務の専門家ですが、凄いと思ったのは、「この時点で役にたつ事は何か?」と常に、そして徹底的に考え抜かれて、その為にできることを無料で公開される所です。4月26日には、「ハロワ崩壊」~露呈する雇用調整助成金制度の限界~という記事がYahoo!のトップニュースに並びましたし、その後は、超大作の『新型コロナ問題人事労務Q&A』、そのスピード感と内容、さらに無料という事で大きな話題になっていました。内輪のお話としてこれらの執筆の為に徹夜までされて書かれているという事をお聞きし、もう驚愕でした。真似できない、でも真似してみたいというのが正直な所です。

実は今回は、この私と倉重先生の対談の後に新型コロナウィルス感染拡大防止が大きな問題になったので、先生からコロナで変わるオンライン営業というものを是非加筆して下さいとおっしゃって頂いたのです。その発想が素晴らしいですよね。Yahoo!対談でも書かせて頂きましたが、私も倉重先生を真似て、これからも自分の気づきを「お役に立てるか立てないか?」基準で発信して行きたいと改めて決意しましたので、今回もWebセミナーから学んだ、オンライン面談・会議のコツをシェアさせて頂きました。

倉重先生との対談は、全4回です。

第1回:タラバガニの女王誕生からフランクリン・コヴィー社での挫折体験まで
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200507-00177214/

第2回:お客様やパートナーから合意を貰うコツから「コロナで変わるオンライン営業」のコツまで
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200507-00177244/

第3回:スランプの乗り越え方から経営理念の作り方のコツまでいろいろと
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200507-00177259/

第4回:経営理念が自分に合わない人はどうする?から、プレゼンテーションの極意まで
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200507-00177268/