In セミナー/講演

実は私、先週はじめてのWebセミナー、いわゆるWebinarで死にかけました。新型コロナウィルス感染拡大防止の在宅勤務で、みなさんも今後社内や社外に向けてオンラインでプレゼンテーションや説明会等を開催される方も多くなって行くと思いますので、参加者を巻き込んで楽しくオンラインで学びを深める為に、ITリテラシーレベルは、恐らく最低の私が、今回悪戦苦闘しながらも、気づいたポイントを共有しておきます。

プチ自信満々でスタートしたものの

私の企業向けはじめてWebセミナーは、「管理職研修の振返り」に「オンライン・ミィーティングのコツ」という新しいコンテンツを組合わせた90分でした。結果的にアンケートで沢山のお褒めの言葉を頂いたのですが、激しく想定外の連続でリカバリーに必死になり自分でも驚きました。

企業向けのWebセミナーは、はじめてでしたが仲間内ですでに2度、ZoomとGotomeetingというソフトでオンライン読書会を開催していましたし、現在コンサルに入っている経営理念策定のプロジェクトもWebexというソフトで何度も開催しており、実はそれほど心配していなかったのです。ある意味、プチ自信満々。これが大きな間違いだったという事は開始5分で思い知らされます。

Webセミナーはネット環境に依存する

そもそも私の周りにいる自主運営の読書会に手を上げて参加されるお姉さま方は、ポジションの高い方ばかりで在宅でのインターネット環境も完璧に整られていますが、普通はそうではないのです。今回のセミナーでは、たまたま社内のWifiも負荷のかかっている状態だったようで、なんと約15名の参加者とオブザーブの方で、まともに声が聞こえてくる方が3-4名程でした。研修の作りは、リアルとは異なる構成。受講者の方が集中して参加できるようオンラインに最適化したもので、かなりインタラクティブ(双方向)重視で作っていた為、これは相当焦りました。

また携帯でテサリングの方も数名いらっしゃいました。しかし会社支給の携帯は2G/月だったようで、画面ONでお願いした為に一気に容量を使ってしまわれたようで申し訳なかったです。尚、カメラ機能のない携帯の方もいらっしゃいました。

私も実はこの4月にフレッツ光を入れるまでは、ポケットWifiの100Gプランでした。100Gって凄いだろうと自画自賛でしたが、容量と速度は別物で、これまでの速度は、4.1Mbps程度、それが光に変えたら一気に420Mbpsになって、思わず速度測定画面を二度見しました。

私自身がそうであったように、今回新型コロナウィルスによる緊急事態宣言で、まさに急に在宅になってしまった為、そこまで考えられない、企業側もとてもそこまで手が回らないというのが現状と思います。しかしながらコロナ禍が無事終わったとしても、今後生産性向上と多様な人材確保の為に在宅勤務は今後一気に進んで行くでしょうから、このあたりのネット環境を整えるということも企業にとっては、緊急課題になってくると思います。という事で、セミナーや会議開始前には、まずは回線状況のチェックを是非。

ヘッドセットなどの機材の整備

音声を綺麗に取るにはカスタマーサポートセンターの方のようなヘッドホンにマイクが付いたヘッドセットというものがあると良いのですが、今回2名の方だけがマイク付きイヤホンで残りの方は全員PCのマイクでの参加でした。これも考えて見れば当たり前で、いままですべて対面で仕事をしてきたのに、いきなり在宅勤務が始まったのですから、そのような機材があるはずもありません。携帯を購入するとおまけでついてくるマイク付きイヤホンがあるだけでも、だいぶ音質がアップするのですが、PCで音を拾っているからいいんじゃないの?という事で、何も使用しないと折角良い事を会議で言っても理解して貰えないという事になります。

ただ、オンラインでの会議はどんどん増えているという事でしたので、このあたりの機材は、会社支給にならなくとも、自分自身のビジネスパーソンとしての生産性向上の為に投資しても良いと思います。私が購入したものは、ロジクールのH800というワイヤレスヘッドセットで12000円ぐらいでした。Bluetooth使用も可能ですが、使っていません。私の場合、1台PCがダウンしたら即予備のPCに移動したい為、USBレシーバーを差すだけで、直ぐに使えるのが便利です。

また、今回の件とは異なりますが、そもそもセキュリティが厳しければ厳しい程、サーバー一括管理型というのでしょうか、シンクライアント方式と言われるPCを使われている会社も多いようで、そうなるとPC側は最低限の機能のみでマイクもカメラもなしという事もおおいにありうる事のようです。このあたりが、個人でITリテラシーも高い方が積極的に参加されてくるBtoCオンライン研修ビジネスと私のようなBtoBオンライン研修ビジネスの決定的な違いになると思います。

という訳で、強制はできませんが、オンライン・セミナーではマイク付きイヤホンやヘッドセットなどをご用意頂くと、快適な環境で学びが深まります等の事前の案内をしておくと良いと思いました。

Zoom主催者側・開催のポイント

細かい操作や実施のコツはZoomのヘルプを見て頂くとして、私の方はセミナーを実施してみて気づいたプラスαをご紹介します。

①共同ホスト(主催者)

Zoomは、判り易い、使い易い設計ですが、セキュリティの問題をクリアできないと企業研修には使用できません。その為に、SNS上になどに会議URLを公開しない、ファイル共有は受講者には許可せずホストのみというような基本的な対策はもちろん、パスワードをかけ、待機ルームを作成して、承認してからミィーティングルームに入って頂くようにしました。ワンオペで講師がすべてやるのは難しいので、1名共同ホストになって頂く方をお願いしておき、遅刻者なども速やかに名簿確認の上承認して頂くようにしました。セキュリティの為にパスワードをかけることと待機ルームを活用する事は、必ずやった方が良いと思います。私はZoomは有料のProモードを使わせて頂いていますが、無料のモードでも設定から共同ホストをオンにすれば、共同ホストの設定は可能になります。

今回は、途中何度も回線の切れてしまう方がいらしたので、その承認を再度するという事も結構な作業になりました。たとえば100名をセキュリティの為に承認方式で開催するような場合は、必ず共同ホストやサポーターを設定しておかないと、講師ワンオペでは回らないと思いました。

②ブレークアウトセッション

Zoomで良い機能だと思うのは、ブレークアウトセッションです。全体を幾つかのグループに分けて小グループで密にディスカッションをすることができます。15名の読書会などですと、5名×3グループに分けて意見交換をし、ホストは各グループを回ってファシリテートして行くというような事が非常に効果的にできていましたので、今回もブレ―クアウトセッションを用意していました。事前に分けるという機能があったのですが、遅刻者を振り分けることができず再設定に。

自動で設定したグループに分けるのと手動で分ける方法を選ぶ事ができます。今回は通常の研修参加者に4名のオブザーブがいらっしゃいましたので、4つのグループを作ってオブザーブの方だけをグループ4にする予定でしたが、これが見事に失敗しました。音声は携帯からという事でダブルで入っている方が多く、自動で分けてから名簿を見ながら手動で調整しようと思っていましたが、全く誰が誰だか判らずウォーリィを探せ、本物は誰だ!状態になりました。また、このようなオンラインのインタラクティブなセミナーは初めての方も多く会社から1台のPCで3名入っているという方々もいらっしゃり、なんとか乗り切りましたが、グループ分けはもうグダグダになりました。

ちょっと進んでいるIT企業さんの会議室に行くと、会議室テーブルの真ん中に沢山の人が一度に使えるWEB会議用のマイクが置いてあります。今回はそうではなかったですが、当然会社のメンバーは会議室から入りますという事もおおいに考えられると思いますので、インタラクティブ(対話型)さを重視した弊社のようなセミナーの場合は、PCは一人1台でセミナーに入って下さいと事前にお伝えする必要があるという事が判りました。

③拍手

一人1台のPCで入って貰う理由は、Zoomに付属している機能をフルに活用して頂く為です。Zoom初めての方がいらっしゃるといけないので、最初に以下のパワーポイントを共有して使って頂きたい機能の説明をしました。自分が話さないときにはミュートにすること。基本ビデオオンでお願いしたいですが、回線が重い時はビデオオフ。こ質問はチャットで。これはホスト画面のキャプチャーなので表示されていませんが、参加者画面には手を上げるというアイコンもありますが、手を上げるを手をおろすというのをまたクリックするのが面倒なので、チャットのみ使用という事にしました。また、講師はひとりで孤独と戦いながら話続けるので、ぜひ「そうだ、そうだ」と思ったら反応ボタンから拍手やいいねをクリックしてください。5秒間、みなさんの画面に手のアイコンが出て、講師は心折れずに話す事ができますとお願いをしました。これは、みなさん沢山使って下さったので、とても良かったと思います。

 

講師としてのWebセミナーの準備

①予備回線

回線は、停電などのダウンに対応する為に、PCを2台用意して1台は光回線、もう1台はポケットwifiの回線につなぎました。この予備のPCは別のアカウントでミィーティングルームに入って置き、ダウンしたら即切り替えて研修が途切れないようにしました。結果的にこの予備のもう一台で自分の実施している状態がどのように受講者に見えているのかを確認できたので良かったです。Zoomでの予備PCは、オーディオをオンのままにしておくと、確実にハウリングを起こすので、ミュートボタンのプルダウンの所にある「コンピュータのオーディオから退出」にチェックを入れる必要があります。これを忘れると始まってから予備のPCから自分の声が聞こえてくるという間抜けな状態になります。尚、室内Wifiで光回線を飛ばしていましたが、更に安定させる為に次回からメイン回線は、ルーターからケーブルで直接つなぐことにしました。

②機材系の準備

必要なものは、PC、ヘッドセット、WEBカメラ、ライト、高速の通信回線、そして静かな部屋です。

PCにつける解像度の高いカメラは、ロジクール ウェブカメラ  60FPS というカメラを注文しましたが、まだ手元に届かないので、4台あるPCの一番画像が綺麗なものを使用しています。このカメラが届いたら上下及びチルト設定が細かく出来る為に無駄に高いと思っていたEIZOのモニターの上に設置して、ちゃんとカメラ目線になる位置にセットしてお話させて頂きたいと思っています。ここではじめてEIZOモニターが本領を発揮します。

セミナーは、みなさんとの対話とパワーポイントを共有する事を繰り返す為に、パワーポイント画面は別のモニターに映しています。本当は皆さんのお顔をギャラリービューで大型モニターで映したいのですが、そうすると話すときに「カメラ目線」にならないので、現在は13インチのPCの画面に全体を映しています。対面でお話するときと同じで「カメラ目線」は重要ですよ。ギャラリービューは、便利ですが、スピーカービューも使い分けながら、ここぞという時は、画面の自分は見ずにカメラを見てしっかりお話する事が重要です。

他には撮影用ライトを使っています。講師の顔はきちんと映したいからです。かなり大型のライトを使っています。

③バーチャル背景

Zoomには、後ろの背景を自分好みの壁紙に設定する事ができます。白背景であればそのまま設定可能ですし、緑の幕を使ったりすると綺麗に使えるそうです。試してみたのですが、手を早く動かしたりしたときに、バーチャル背景だと一瞬画面に渦のような歪みがでます。通常は気になるレベルではありませんが、講師は、受講者からどう見えるかを常に万全にしたいので、私はバーチャル背景は使わない事にしました。普通に白背景の壁の前にPCを移動してセミナーをしています。

④ピンポーン対策

宅急便がセミナー中に来るとカッコ悪いので、玄関に「只今の時間呼び鈴ご遠慮ください」のメモも忘れずに。また、リアル研修では携帯の電源をオフにする事など当たり前のようにしていますが、オンライン・セミナーの場合沢山のPCを使うので、メール着信やSNSのポップアップの音などはすべて消しておくことを忘れずに。

あなたの会社のWeb会議は大丈夫ですか?

さて、本日のWeb会議・セミナー運営のコツはお役に立てましたでしょうか?急にWeb会議が増えて、とにかくやるしかない、現在模索中ですという方が非常に多くて驚いています。弊社では法人様向けの効果的なWeb会議を運営する為のコツをご紹介するセミナーをご用意しております。

本日ご紹介させて頂いた会議主催者のコツだけでなく、リモートで働く部下を巻き込んだ効果的なWebミィーティングやWeb面談をする為のコツをご紹介するセミナーです。ご人数によって60分(100名様まで)から90分での実施となります。ご興味のある方、価格のお問合せは、こちらのお問合せフォームからどうぞ。https://pygmalion-hrd.com/contactus/ 尚、事前にビデオ会議が円滑にできる通信環境はご用意下さい。

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