In Blog, 理念浸透

戦略を超えて パーパスの時代

2022年1月10日発売のHBR(ハーバード・ビジネス・レビュー/ダイヤモンド社)が定期購読のため、早く届きました。特集は「アジャイル化するプロジェクトマネジメント」いつもなら袋を開けるまでに1週間ぐらい放置されてしまうテーマなのですが、その最後の最後の論文が素晴らしい。このブログは、パーパスに関わる方は、是非今月号のHBRを購入されるか、発売後論文ダウンロードで、この論文を購入すべきですというお知らせです。

その注目の論文は、「経営者の役割が変わる 戦略を超えて パーパスの時代」(Changing the Role of Top Management:Beyond Strategy to Purpose)ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授のクリストファー A. バートレットとロンドン・ビジネススクール教授のスマントラ・ゴシャールの1994年の論文です。この時代にすでにパーパスについてのここまでの見識が発表されていたことに驚きです。なぜHBRは2019年3月号のパーパスの特集の時にこの論文を出さずに、今なのか?実は英語版には特集の時点で掲載されていたのでは?と疑ってしまうレベルです。

困難な状況での浸透の方法

沢山の示唆を私達に与えてくれる論文ですが、今ちょうど私は、来週からのミッション・ビジョン・バリュー浸透の3ヶ月プロジェクトのスタートを控えているので、浸透に関する彼らの示唆を紹介します。

たとえば、大企業の場合いくら現場に課題があっても、おおもとの経営理念はそうそう変えられません。その場合は、それを意識しながら、たとえば部門のパーパスを作りませんか?という提案をさせて頂くのですが、以下はまさにそのプロセスをまとめています。

会社の理念が曖昧で一貫性に欠けていても理念を従業員に吹き込むのは困難な挑戦ではあるが不可能ではない。筆者らは研究をもとに、トップ・マネジメントにとっての3つの教訓を引き出しています。

  1. 自社の既存の理念や心情を描くとして新たな哲学を揚げると良い
  2. 従業員を長年に渡ってこの活動に熱心に関わらせ続けること
  3. 後半な哲学的目標を測定加納な目に見えるゴールに置き換えるのが望ましい

来週からスタートする私の関わるプロジェクトは、今、3まできています。

また他、会社の目標を従業員にとって意味のあるものにすのは容易ではないとしながらも、従業員の注意と関心を引くための事例をあげ、組織を巻き込み、機運を盛り上げる方法について述べています。

最終的に、従業員が会社のために働いていると感じる関係性から、会社の一員であると自覚するような関係性へと移行するのが目的なのだ。

まさに、合意、まさにその通り。想いをエネルギーにして、日々活き活きと、この組織にいて良かったと自分自身の存在意義と成長を感じられるような、そんな環境を「経営理念作り」や「経営理念浸透」で作るべきなのです。経営理念の中でいま、もっとも注目されているワード「パーパス」のネーミングに引きづられることなく、最終的な浸透のデザインまで設計されたいと思うなら、必読の論文です。

 

弊社では、他にも沢山の経営理念策定の事例があります。ご相談は、いつでもお受け致しますので、お手数ですが、ホームページのお問い合わせ欄からお願いします。

パーパスをリモートワーカーのエンジンに!~社員モチベーションは競争力の源泉だ~

経営理念とパーパスの違いとは?~HBRより