In 事例 ソリューション MR研修 掲載, 営業(MR職), 導入事例

営業所長、エリアマネージャー向けのMR研修が続いていましたが、今回ご紹介させて頂くのは、現場のMR職、それもかなり上位レベルで成果を上げているハイパフォーマーの方向けの研修です。2020年11月にスタート、月1回ペースで2021年2月に終了しました。

15名を2グループに分けて毎回午前午後で実施、2時間×4回コースですが、毎回終了後に課題をこちらから出し、参加した研修の参加したグループ単位での勉強会を開催して頂く構成で、都合8回のコースとなっています。製剤特性が異なる参加者をナレッジ共有の為にあえて混ぜたかったので、毎回グルーピングも変えました。初回から、学んだことのない事の連続だったようで、満足度も他業種の営業研修より高得点となりましたが、特に講師評価は、5点満点の4と5のみの平均4.6という最高点に近い所まで行きました。

最終回はなぜかお一人だけが満足度3点で平均4.54、厳しい指導で個人的に触れられたくなかったこと、いわゆる地雷でも踏んだのでしょうか?外部講師として厳しい事もあえて申上げる必要を感じる事もあり、ぜひご自身で奮起して頂きたいと願うばかりです。

研修構成としては、本来初回に概念的な話をして、これまでの仕事のやり方を「変えなければ!」と思って頂く必要があるのですが、オンライン実施で初回に興味を強く持って頂く事が重要と考え、オンライン面談のコツというのも、無理やりday1に入れました。結果的に初回のアンケートに以下のようなコメントも見られ、構成的に成功したようです。

概論的な話にとどまらず、コロナ禍でのリモート面談のトピックなど、すぐに実践できる講義も聴くことができ有意義だった。

細かい商談技術を引き続き教えてほしいです。

大変分かりやすく自分自身のスキルアップに繋がっていると実感しています。

『ディテーリングの質を変えるMRスキル』研修コンテンツ

今回の研修コンテンツは以下の通りです。すぐに使える具体的なスキルを次々にレクチャーしていきました。

Day1
価値共創型のMRを目指す為のパラダイム
2回目の面談機会を掴む為の効果的なアプローチE-detailing オンライン面談で成果を掴むコツ

Day2
先生と長期的な関係を構築する為の実践トーク
訪問規制の中でも関係性を作る「共感」の作り方
先生のインサイトを引き出す「聴く力」

Day3
ファクトではなく熱意を「伝える力」
先生のYes を引き出す判りやすいトーク構成

Day4
アポ取りの極意
E-detailingツールを使いこなす
売れるMRの5つの要素とスランプの楽々脱出法

弊社のMR職向け研修は、会社ごとに内容が変わっていきます、なぜなら製剤特性によってロープレが変わる為です。今回は、営業部門のトップの方と人事部門、MRを支援するマーケティング部門と連携を取りながらカスタマイズを進めていきました。特に最終回のday4は他業種の営業から学ぶ電話でのアポ取りの工夫を学んだあと、今、製薬会社各社で人気の先生のアドレスがなくともコンタクトが取れるeディテール・ツールの使いこなしというユニークな構成となりました。

電話でのアポは嫌がる先生もいらっしゃいますし、そもそも他業種でも飛び込みアポの成約率は1%未満、それなら現行の会社側で用意してくれているeディテールのツールをもっと大切に使おうという趣旨です。もちろん私の飛び込み電話セールスの面談獲得率は30%近くと、とんでもない記録を持っていますのでアポ取りもスキルとしてそのポイントを伝授させて頂きました。

今回はマーケティング部門に研修設計にご協力頂きました。eディテールのツールの使いこなしに関しては、やり取り履歴を差し支えのない範囲でご共有頂き、業界外部からそれを見たときの「なんでそうなる?」を指摘していく生々しい展開でしたが、多くの方に「自分もやってる」「これはまずい」とお感じ頂けたようです。

最終回アンケート結果

最終回のアンケートがどのようになったのか、今回も徹底的なカスタマイズで実際のコメント部分はほとんどご紹介できない為に、ご感想部分ですが一部をご紹介しましょう。

全体を通してのことであるが、ドクターの考え方をきちんと聞き出し手正しく理解するためのスキルが大変有用であった。MRが示すべきレスポンスとして具体的なスキルを身に着けることができた。学んだスキルを実際に活用していきたい。特に価値共創のコンセプトがおおいに役立った。

オンライン面談のポイントやアポ取得のコツなど、すぐに実行できる内容や、スキルアップのために日々のトレーニングで身に着ける手法など、短期的にも長期的にも勉強になる研修でした。

毎回2時間があっという間に過ぎてしまうような内容でした。また、同じ時間に受講したメンバーですぐに振りかえりをすることにより理解度を高めることができました。

柏さんのお話には、毎回引き込まれてしまった。そこが柏さんのすごさだと感心していた。私たちが教わった話し方のスキルを全てにおいて実践しておられた。私自身も柏さんのような優れた話し手になりたいと思った。

この講習を通じ、価値共創のマインド、アプローチ、自身の苦手な事が顕在化されたこと、日々自身が行っていた訪問準備の改善点等、多くの事が学びとなりました。

アンケートを拝見すると講師を、お恥ずかしいくらいのべた褒めですが、これは、私の能力と言うよりも、やはり分割研修で講師と受講者の人間関係が出来上がっていったのではないでしょうか?1日研修、2日研修など従来の一気に学ぶリアル研修より、分割の方がこのような場を作ることが容易です。

良かった点と反省点

良かった点は、社内での自主勉強会を開催して頂いた事です。毎回終了後に課題を出して毎回研修内で学んだグループで振り返りとテーマディスカッションをして頂きましたが、こちらも記憶定着と実践サポートの施策として、非常に有効だったと思います。もともとできる方々を集めている為、テンポも速い研修なので響かない所が流れてしまう危険もあるのですが、多様なメンバーの意見を聞きながらの振返りとテーマ毎の実践練習で、かなり定着が進んだように感じました。

反省点は2つあります。ひとつは、5回コース、勉強会を含め10回コースにすべきだったという事です。新しいスキルをものにしようという意欲は素晴らしく、みなさんの学びたいという事を次々研修にしていったと言えば聞こえが良いですが、スタート時点で全体をカチッと決めていないために、最後「あと2時間あったら」という想いを強くしました。もう一押しモチベーションの維持の部分も入れたかったというのが本音です。

2つ目の反省点は、あまりに凝った作りにしすぎ結果的に研修内で製剤名を間違えたことです。主力製剤で部門が分れていた為、HPを訪問する製剤組とGPを主に訪問する製剤組を前述の通り、あえて混ぜて実施したのですが、コンテンツ毎にリアルな事例で私が先生(ドクター)役になってロープレをするときに、受講者によって製剤が異なる事から、名簿を見てエリアと製剤を確認してロープレの課題を投げるという非常に神経を使うという展開となりました。

オンライン研修を実施するPCの前の壁に製剤毎のロープレ内容を貼りだし、できるだけ覚えるようにしていましたが、途中少々慌ててしまう場面があり、ライバル企業の製剤名を間違えました。今回は幸いにもオブザーブをされていた営業部のトップの方が、すぐに間違いを指摘して下さり事なきを得ましたが、このような失敗はそこまで築いた受講者との信頼関係を一気に崩壊させる危険もあり、注意が必要です。手に負えない程カスタマイズをして、間違えるようでは本末転倒という事だと思います。

今後の展開は、モチベーション

現在、MRスキルから離れてMR職がモチベーション高く、ターゲットをクリアする為の目標設定とその達成の方法についてのワークショップが日系製薬会社さん展開中です。長引くコロナ禍で、訪問がかなわず気持ちも沈みがちなMR職に活を入れていこうと思います。こちらは私のもうひとつの専門である経営理念と関連付けての9回実施で3月末までには納品が完了しますが、3回終わった時点でも、もの凄い手ごたえを感じていますので、また情報を共有させて頂きます。

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