In セミナー/講演

ビックサイトや幕張メッセでは、1年中大型展示会が開催されています。私も商社時代、そして前職の研修会社時代で20回以上出展者として参加しました。このような展示会を単に「会社や商品の知名度アップ」というような漠然とした目標ではなく、「新規顧客を〇〇件以上獲得して販路を拡大する事」というような具体的な目標を達成する為には、明確な戦略が必要になります。

展示会で新顧客を獲得して販路を拡大する

先週は、東京ビックサイトで秋に開催される「危機管理産業展2017」出展企業向けの5時間セミナーを開催致しました。参加者は、29名で営業職の方は、3分の1程度でほとんどが経営者の方と営業職以外の方でした。今回はかなり専門性の高い展示会でしたので、事前に関連する大型展示会である、メンテナンスレジリエンス2017「事前防災・減災対策推進展」を視察に行きました。そこで判った事は、食品などどはアプローチの方法が異なるということです。

食品などは、誰彼構わずとにかく試食を出す事で接触回数を増やす事を最初の目標にしますが、専門性の高い展示会の場合、誰彼構わずではなく「興味のある人を見つけて話しかける」必要があるのです。なるほど、現場を見ないと判らない事は多いなぁという感想でした。これを踏まえて今回の5時間セミナーを構成しました。まずは、アンケート結果です。営業職でない方も多く、最後のご挨拶で会社から言われ止む無く参加という方もいらしたにも係わらず、高いご評価を頂きました。

  • ご満足度 9.15
  • 理解度 9.12
  • 活用したい度 9.26
  • 研修推薦度 9.15
  • 講師評価 9.26

セミナーの構成(学んで頂いた順序)は以下の通りです。

  1. 「伝える力」を強化する
  2. 「信頼される声」になる
  3. 伝わる「プレゼン構成力」
  4. 会場での来場者対応のポイント
  5. 商談につなげる来場者対応「聴く力」
  6. 販促物作成のポイント

まずは弊社の伝える力のフレームを使って、どのように魅力的に自社を、自社商品をプレゼンするかの特訓から始めました。弊社の伝える力研修のフレームである「トークの間」「対話」「声の質」に加え、普段は営業職でない方も多いのでそもそものプレゼン構成、トーク構成の仕方を学んで行きます。語るべき事が明確になり、その基本トークスクリプトが出来上がると、とりあえず興味を持ってブースを訪れて頂いたお客様に対して対応ができるようになります。ちなみに、技術的な背景をお持ちの方がこの対応力を身に着けると、そこらの営業マン、営業ウーマンより、よほど説得力が生まれます。営業職としてはうらやましい限りです。

来場者対応 ~呼び込み~

セミナーの中で特に参加者の方に喜んで頂いたのが、呼び込みです。せっかくですので、ブログをお読み頂いているみなさんにもその秘訣をお伝えします。

呼び込み等ど聴くと、それだけで営業職でない方は、伊勢海老のように前を向いたまま、シュッと後ろへ後ずさりしてしまいますよね。または、そんなこと、サポートのバイトにさせてよ~とか、泣き言のひとつも言いたくなるかも知れません。でも、先ほども申し上げたように、営業職でなくても、技術や商品の事に詳しい方こそ、この役割を果たすのにふさわしいのです。興味のある人がブースにいらしたら、商品プレゼンですが、では不特定多数のお客様から、自社にふさわしいお客様を引き寄せるにはどうしたらよいでしょうか?

ポイントは、お客様の心理状態を考えてアプローチすることです。

誰もそうですが、売り込みされるのは、嫌ですよね。では、通り過ぎるお客様を眺めていれば良いかと言えば、それでは来て頂きたいお客様も通り過ぎてしまわれます。そこでお客様の「耳」に自分の会社や商品のアピールポイントを届ける事だけにまずは集中します。売り込みは嫌なお客様に自ら面白そうと思って頂きます。

カラーバス効果というのをご存知ですか?人は、意識していれば自分の興味のあるものを自然とキャッチするからです。私は妊娠した時に、「いつの間に中央区には、こんなに妊婦が増えたんだ!!」と驚きましたが、それは単にそれまで興味が全くなかった妊娠ということに興味を持ったからに過ぎません。また、朝、「今日は赤色を意識するぞ」と歩き出すと、普段は気が付かなったポストの赤や、花壇の赤い花に目が向きます。これがカラーバス効果です。展示会にいらしている方、そしてアプローチすべきお客様は、なんらかの情報を得たいと思って来ているはずですから、そこへキーフレーズを投げるのです。ここでは、繰り返しの連呼で良いので、10秒程度のフレーズを連呼、もしくは通りがかりの方につぶやき続けます。

では、それをいつまで続ければよいのでしょうか?どこかで、興味のある人をブースに招き入れ、お名刺を交換し商談(プレゼン)に入る必要があります。どのように判断するのでしょうか?まずは、通り過ぎるお客様をよく観察することですが、判りやすいポイントがあります。

それは、視線です。視線が合ったら、それが合図です。

不特定多数の呼び込みをプレゼンに切り替えるポイントは、「視線が合ったかどうか」です。視線が合ったら、すぐに「こんにちは~」と話しかけてみましょう。

この話かけるトークについても、最初に話すべきお客様を引き付けるパターンを幾つか作っておく必要があります。実はポイントがありまして、セミナーの中では「効果的なトークの作り方」をまずは、レクチャーさせて頂き、その後、各自で作ってみた短い呼び込みトークを、実際に実戦さながらでやっていただきました。実際営業職でなくても、場面場面でお客様に伝える事とそのさいの場面ごとの伝え方が判っていれば、まったく恐れる事はありません。むしろ営業職だけに対応させようと思うと、どうしてもお客様集中時に対応ロスが生まれますので、全員参加で展示会で勝つことを考えられたほうが、効果です。

 

アンケートのコメントより

印象に残った事

  • 展示会に対しての研修など聞いたこともありません。それゆえ超実践的な内容で得るものも多かったです。
  • 意識不良、準備不足を痛感しました。これから社に帰って取り組みます。
  • 体験型セミナーで具体的に理解することができ、大変勉強になりました。
  • 話し方でビジネスが良い方向に行くことは考えてもいなかったので、これから練習しようと思いました。
  • 営業にかかわる人は、全員受講したほうが良いセミナーだと思いました。
  • 呼び込みとプレゼンの練習がとてもタメになりました。
  • 何も準備が出来ていなかったことを強く通関しました。またプレゼンにしろ呼び込みにしろ、その難しさを強く感じました。
  • ものすごくわかりやすかったです。
  • 配布物の作成を含め、普段の営業とは違い、展示会には展示会のやり方があることを学びました。
  • 展示会に特化した内容ではありましたが、多様な場面で活用できる技術を学ぶことができました。
  • ワークショップ付きのリアルな体験・体感空間の創り方がすばらしく、楽しかったです。販促物の作り方、「セールスで成果を上げる為の13の徳目」がとても勉強になりました。

活用したいこと

  • プレゼン・カタログにまず反映し、技術屋が主体の会社でロープレとかはやったことがないので、実践してみたいです。
  • プレゼン構成を見直し、お客様目線での対応をする、さっそく展示会で呼び込みの実践。
  • 展示会以外でも出展することは、何度もあるので、人を引きよせるような声掛けをしたいです。
  • 自社の営業力の強化につなげていきたいと思います。
  • 呼び込みの準備は、しっかりしていきたいと思う。それにともなって発声練習や腹式呼吸法の練習をやっていきたい。
  • 呼び込みフレーズの決め方など、呼び込みの仕方は新鮮でした。しっかりと内容を決めて共有の上、挑むことが重要。それを繰り返す事がより重要だと改めて認識しました。

こちらのお仕事は、展示会出展でのアドバイスとセミナー、展示会の会場で個別にプロモーションセミナーを実施される企業様向けの個別プレゼンテーション指導と、盛沢山の内容で対応させて頂きましたが、大型展示会での効果をもっと上げられたい企業のご担当者様いらっしゃいましたら、一度ご相談下さい。

 

2017年10月21日(土)営業力を強化されたい方の為の、公開コースが開催されます。どなたでもご参加頂けます、詳しくは、こちら