In セミナー/講演

今週は、従業員約3000名のIT企業様の新入社員研修で2時間のワークショップをさせて頂きました。100名様を超えるご人数でしたので、なんと4部屋ぶち抜きで、スクリーンを4枚もご用意頂きました。私は、とにかく沢山の方の声を拾ってインタラクティブ(双方向)に進めたいので、端から端までマイクを持って走り回りました。

2時間でしたが、講師が一方的に話す講演形式ではなく、経営理念の「理解」「共感」「行動」の浸透の3つのレベルを押さえた研修設計にして、自分事で考える為のワークをどんどん入れて行きました。最終的には、この組織でビジネスパーソンとして成功し、成長する為の経営理念に関連付けられたビジョンと行動宣言を2つ作成して頂きました。詳しくは、事例を公開するご許可を頂いているので、また別途ご紹介させて頂きますが、ご担当者様より「新入社員には、勿体ないくらいだった」とお褒め頂き疲れも吹き飛びました。

 

さて、経営理念がカードになって配られている企業様も多いと思います。特に大手企業様だと、かなりの確率でカードが作られています。新入社員が入ってくると、経営理念の紹介の講話があって、最後にカードが配られて終了という事はないでしょうか?果たして、それで読んでもらえるでしょうか?そして、読んだり、聞いたりというだけでは、翌日までに80%忘れてしまいます。勿体ない話ですね。そもそも配られたカードがそのままになってしまうのは、新入社員に限った事ではありませんが。

こちらの企業様では、一歩踏み込んで昨年までは、経営理念の説明の後に、自分自身の行動宣言を書いてもらうというワークを実施されていたそうです。カード渡すだけより、説明だけより数倍良いですね。新入社員研修では、最後に決意表明を書かせる、目標(ビジョン)や行動計画を書かせるというような研修設計も多く見られますが、しかし決意や目標を書き上げると言っても、実は、簡単ではありません。

すべての方がそうであるとは言えませんが、なんとなく受身な気持ちで講義や講話を聞いていたら、最後にいきなり決意や目標を書きましょうと言われてビックリ!!というような研修構成も実は多いのではないでしょうか?

そうなると、何を書けば良いのか頭は纏まらず、まして、最初に聞いたはずの、経営理念や経営方針、行動指針の話など、すっ飛んでしまって、決意や行動目標というよりは、「私の夢」のような成果物となってしまいます。息子が小さい頃からずっと見ていたテレビアニメ、ワンピースの主人公が、「海賊王に俺はなる!」と毎週叫んでいましたが、それに近いものがあります。

そのように大きな事をぶちあげても、ざっくりしていて且つ現実味も薄く、まして組織のビジョンとも関連はなく、結果としてそこに向かってどう進めばいいのか、さっぱり判らなくなり、ついにその目標が放置される事で、見事にビジネスパーソンとしての明確な目標も行動計画もないまま、新生活のスタートとなります。

経営理念は、その組織において新入社員がビジネスパーソンとして成功する為の、成長する為のゴルフで言うフェアウェイ(球が打ちやすい様に芝を短く刈ってある所)みたいなものです。そのフェアウェイも一昔前の規律的な狭いフェアウェイの企業は少なく、個々人の才能を活かす、イノベーションを起こす、主体性を活かすなど、かなり自由度の高いものが多くなっています。ゴルフ用語で言えば、結構思い切り打ってもOB出にくいです。

せっかくでしたら、入社後すぐに、成功して成長するためには、ここからここまでの間に球を打つと次が楽ですよ、こっち向いて打つとOB出ないですよ、という事を教えて上げて頂きたいと考えます。経営理念・行動指針に常に立ち返る、それを拠り所にするという、組織で協働して行くための

ルールを意識した上での目標設定であり、行動計画であり、決意表明にした方が、個人にとっても組織にとってもお互い幸せだと私は、考えています。

今回も最初は、コンプライアンスや福利厚生の説明を聞くという講義スタイルから、いきなりインタラクティブ(双方向)な研修のスタートをした為に、「何が始まるのだろう?」戸惑いを見せる感じの方もいらっしゃるようでしたが、グループワークやペアワークで、どんどん自分事に落とし込んで行き、2時間後には、成果物である「所属組織における自分のビジョンと行動宣言」をびっしりと書き上げて頂きました。

そして、決意しただけでは実行できなかったという事の無いように、最後はビジョンと言えば、私の鉄板ネタの「私は、これで目的をもって生きる事の大切さを学びました」のタラバガニの下敷きになった話で終了しました。しかし、2時間で演習3本でカニの話までするのは、きつかったです。

因みに、この50億ってインパクトありそうな絵面気になりますよね。