In 営業力強化

新しいオンライン研修を立て続けに実施した激務の5月をようやく乗り切りましたが、また6月の研修もハードなものがあります。継続して取り組んでいる経営理念のプロジェクトは、いよいよフェーズ2に突入、そしてなんとはじめてのMRの方向けの90分オンライン研修が6回あるのです。テーマは、MR生産性の向上です。MRというのは、製薬会社さんで働く医薬品情報をドクターに提供するmedical representative医薬情報担当者という意味です。この領域は、情報提供に関しても厳しいガイドラインがある為に、うっかり手を出せないと、これまで避けに避けて来たのですが、ついに進出です。

これまでお断りして来たくせに腹を括ってやるぞと決めた途端、自分の中に気持ちの良いくらい物凄い勢いで新しい情報が入って来て驚きました。お客様に製薬会社さんが多いので、よく考えたら幾らでも教えて貰えるのです。恐らくこのブログを読まれて軽く追加で片手ぐらい、どうして俺に聞かないんだと半分怒りを感じる程中の良いMRの方、MRをトレーニングされて来た方、MR部門を統括されて来た方がいらっしゃることと思います。そのような恵まれた環境におりますので、今回の研修実施企業のMRの方だけでなく、他の製薬会社さんのMRの方からも、現在のリアルを伺う事ができました。そして色々勉強して行くと、すべてではありませんが、実に「普通の営業」と近いものがあることに気が付きました。

Web面談のアポを取るのは簡単ではない

MRという職種は、歴史的に途中でプロパーからMRへという職種の位置づけの大きな変化があったのですが(もの凄く簡単に言うと自分の所の製剤を売り込んではいけなくなりました)、客観的に見るとその変化の中で、本来の営業職の持っていた、伸ばすべき素養や営業基礎スキルの優先順位が下がってしまったのではないかと感じています。他の営業職とは全く違うという位置づけ故です。誤解を恐れず平たく言いますと、医薬情報を、客観的に科学的根拠をベースに提供、私見や感情は挟まない、他社と比べない、添付文書以外の事は話せないなどのルール(情報提供ガイドライン)の為です。あくまで、ここまでの私見で、素人が何を生意気なというご反論があるのは、承知の上です。

そのような状況の中、AIだのネットで情報収集だのと環境も変化、さらに各施設ともにMR訪問規制の厳しさを増す中で、コロナで更に厳しい訪問規制となり、今後はWEB面談も増えて行くとしたならば、並みの営業職でも相当なレベルの高い人だけが生き残れるような状況に直面されており、今後どのように動けば良いのか不安に感じておられるMRの方も多いという事のようです。ベテランマネージャークラスは、これまでの経験の蓄積で乗り切れるのだと思いますが、訪問件数=仕事の成果というようなマインドでこれまで仕事をしてきた経験の浅い方などは、少ない訪問件数で処方量アップという成果を掴むには、どうしたらいいのか改めて考えておられるのではないでしょうか?

恐らくそこからの一つの到達地点は、時間のあるこの時期に論文を読もうとか、製剤の勉強をしようとかになると思いますが、その時間をもっと今後の処方量アップにつながる「自分自身のMR生産性向上のスキルアップ」にも、投入した方が良いと思います。

想像するに今後は確実にWeb面談も増えてくると思います。しかし、人間関係の出来ていない先生とWeb面談のアポイントが取れる確率というのは、よほど先生の興味のある有効性や優れた安全性を誇る製剤か、画期的な処方例が見つかったというような状況でもない限り低くならざるを得ないと思います。そこで、原点に返って一度は優先度を下げた営業としての基礎スキルの見直しが必要になってくるのではないでしょうか?

MRって何ですか?

ここからは、私が製薬業界と係わるようになった、きっかけの話です。はじめてMRという言葉を知ったのは、今から12-13年前の目黒雅叙園の2階の廊下です。当時エンブレルというリューマチの製剤などで有名だった ワイスさんという会社の(現在はファイザーさん)MRトレーニングを統括されているO部長が、とても気さくな方で親しくお付き合いさせて頂いていましたが(と書くとご本人毒舌なので、お前と親しく付き合った覚えは断じてないと言われそうですが)、「MRってなんの省略系かわかってんの?」と私に笑いながら投げ掛けて来られまして、実は私は見事に判りませんでした。ひどい営業です。

今の私の研修に来たら、こういうたいして勉強もしないで勢いだけで売れた気になっているペラペラな営業はギリギリ詰めまくると思います。一応、製薬会社さんの営業職というところまでは、理解していましたが、前後関係は忘れてしまいましたが、部長にそんな投げかけをされるぐらいですから、ピンとのずれたことを言ったに違いありません。しかし、なぜに子供の誕生日すら覚えられないのに、10年以上もエンブレルという製剤名を記憶領域に留めているのかは、謎です。

モニターって何ですか?

製薬会社さんには、MR以外に、一般では聞き慣れないCRA(臨床開発モニター)という仕事があります。MRという言葉をようやく覚えたその少し後に、今度はそこを深堀することになります。当時、息子と同世代の近所の小学生を学童保育が終わってしまう時間からお母さんが帰宅するまでの間一時預かっていたのですが(私でなく当時リストラされて1年程家にいた主人が)、そのお母さんが、自宅から徒歩10秒の勝どきに当時オフィスのあったクインタイルズ(今は合併されて別の名前、オフィスも移転)というCRO(クリニカルリサーチ)の会社でコントラクトモニター(契約社員の製剤上市に係わる情報収集をする仕事)をしていたので、そうとうな時間をかけてマンツーマンで上市に係わるプロセスや先生との係わりなどを教えて貰いました。このレクチャーは、私の人生の中でも1、2を争う素晴らしいレクシャーでした。上市を「じょうし」と読むというレベルから製剤の開発phaseの話まで幅広く教えて貰いました。このあたりが、私がその後製薬業界のお客様とお仕事をしていく上での、基礎になっているのだと思います。

案ずるより産むが易し VS 袋叩き

しかし、そこから10数年を経てまさか自分がその分野の講師をするとはです。管理職向け説得力向上の研修や医療従事者の皆様への講演などはやっていましたが、まさかの展開です。やってみて案ずるより産むが易しというブログを書けるのか、素人が何言ってんだという事で「袋叩きにあいました!」というブログが書かれるのか、神のみぞ知ると言った所です。

因みに、研修中に袋叩きにあわないのが、素晴らしい講師かと言えば、実は全然そうでないことをつい先日、目の当たりにしました。この体験は、もう感動レベルでしたので、また別途書かせて頂きたいと思います。