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管理職になりたがらない女性が多いという悩みを、多くのお客様の所で伺います。
働き方も多様な選択がどんどんできるようになった為、管理職になる事だけを目的にする必要はありませんが、女性たちには、自分を成長させる為にチャンスがあれば是非挑戦して頂きたいと思います。長く勤務した会社を2度退職した経験から、正確に言えば、最後は自分自身にどれだけ力がついているかという事だと思います。成長の機会があれば、どんどん掴んで行って頂きたいと心から思います。

 

ひと昔前のように就職をして、職場でだんなを探して、20代後半から30歳ぐらい結婚して専業主婦でゴールとか、結婚を選択せずに40歳を過ぎたら、職場がちょっと若い女性ばかりで「お局」なんて言葉が頭をよぎるけれど、もうこれで定年まで、「こんな感じでいいや」的な考え方は非常に女性にとって危険だと思っています。定年は延長され、いまや65歳まで働くのは当たり前です。30歳のワーキングウーマンが「そろそろ私も頭打ち」なんてつぶやいていたのは、過去の話です。30歳なら65歳まで働くとして、「あなたあと35年この会社で何するの?」と逆に聞きたいです。40歳からでも25年は働き続けるのです。

 

お金持ちの伴侶の方を見つけるのでしょうか?未婚の方も増えています。そして、結婚した場合でも、今時、ご主人の給料に頼るなんて、正気の沙汰とは思えません。どんな大手企業も突然倒産、大量リストラというのを何度も目にしているはずなのに、自分だけ助かると思うのは不思議ではないですか?お恥ずかしい話ですが、私は前の主人は、京都大学卒の優秀な人でしたが諸事情によりいきなり会社を辞めて1年家におりましたし、今の主人も50歳を過ぎてから本人の能力とは全く関係のない会社の人員整理で、これまた1年家におりました。(その後無事外資系水産会社の部長職になりましたが、もはや定年です)全く、ダブルインカムでないとリスクヘッジ不能です。

 

98年に私は働く女性を応援するホームページ、「目指せ!!上級管理職!! -働く女性応援します」を開設しました。当時私は、38歳で同年の3月に息子を出産したばかりでした。
今思い出しても、商社ウーマンとして、とてつもない量の仕事をしていましたが、なかなか課長に昇進できないでいました。この当時は、今より女性が管理職になる事への抵抗は激しく、もし女性が上を目指すならば目の前のハードルをひょいと飛び越えるのではなく、わざとらしくてもいいので、誰が見ても判るように華麗に飛び越えて見せる必要がありました。そんな状況で戦う女性たちを応援したいと思ったのが、この「「目指せ!!上級管理職!! 」のサイトオープンの動機です。

 

管理職になるのかならないのかを悩む35歳から45歳ぐらいの女性を中心に、毎日ものすごい量のホームページ上でやり取りがされていました。ロールモデルが自社にいない女性たちに取っては、貴重な情報収集の場であったのだと思います。当時から現在までお付き合いしている方も多いですが、みんなで一緒に年を取り、平均年齢も50歳を超え、いまや部長職以上の方が殆ど、役員の方も多いネットワークとなっています。

 

私自身は、結果的に、「40歳までに課長にならなきゃ意味がないんです(辞めてやる的な)」今にして思えば意味不明な会社への直訴で、40歳を目前にして課長に昇進しました。
問題は、そこからです。男性中心の水産商社の中で女性の管理職は、かなり浮きました。
本人の管理職としての資質の問題と職場の管理職として浮いた結果、メンバーを掌握して成果を共に出して行くまでに、辛く長い時間を過ごしました。一番辛かったのは、役職は管理職でも重要な決定は、つねに上長と部下の間で話合われ、私は決定してから驚くというのが繰り返された事でした。「私は必要ないんですか?」というのが、常に頭に渦巻いていました。当時の私を今、振り返ると一番の問題点は、「根回力しゼロ、社内政治力ゼロ」だった事だと思います。今でしたら、17年前の自分に沢山のアドバイスができると思いますが、当事者としてはそれどころではなく、お蔭様で管理職トラウマになり、その後転職した会社では、最初からマネージャーになる事を断固として拒否、1プロフェッショナルとして仕事をする事を選択しました。その時点で、管理職になる事だけを目的とするのではなく、多様な働き方の選択の中で自分自身を磨き、成長させようと偉そうな事を考えて、管理職を目指す事を目的としてあげていた同サイトはクローズしました。

 

ひるがえって、昨今の女性活躍推進の盛上りや、女性管理職比率目標の影響で、管理職を目指した場合、当時よりチャンスが広がっている事をとても羨ましいと感じます。出産や育児との両立も手厚い制度を作る企業も増えています。しかし、出産・育児サポートへの注目度合いに比べ管理職になってからの環境整備という意味では、まだまだこれからのように思います。女性活躍推進は、受け手の男性管理職のマインドチェンジ等、女性管理職誕生後のサポートにも目を向ける事が重要ではないでしょうか?