In 事例 ソリューション MR研修 掲載, 営業(MR職), 導入事例, 管理職

2020年6月から外資系製薬会社さんで、MR(医薬情報担当者)職向けオンライン研修をはじめました。正確にはMRさんをご教育されるエリア・マネージャーの方向け研修です。その仕事に続き7月、8月、9月は、日系製薬会社さんの営業所長向けのMR職育成研修を90分、8名3グループで18回実施させて頂きました。前回の外資系製薬会社さんでは、実際の医療の現場に即した研修でしたが、今回は、より「育成」という部分にフォーカスした、あくまで「指導法」に力点を置いた研修となりました。ここ数か月は、製薬会社さんのお仕事ばかりとなりましたが、自分は業界の人間ではないからという言い訳もそろそろ通じなくなるほどノウハウが積みあがってきましたので、今回はMR職育成についての知見を共有します。

E-detailingへの転換

まず、今製薬会社さんが抱えるMR職育成にあたっての課題は、これは日系、外資系製薬会社に関わらず、コロナ禍で大きく変わってしまった環境にどのように対応すべきかという事です。しばらく待てば落ち着くのではという楽観論ではすでに状況を乗り切ることができず、E-detailing(オンライン面談をはじめとするITツールを駆使した先生への情報提供))への転換が急務となっています。ちなみにこの業界では先生に対して何かを提案すること、ひとつひとつの行動をone detailingと言います。detailingの質を上げていくことが処方誘因、処方増につながります。

そもそも先生のアドレスを頂くもの大変なのですがE-detailingをはじめてみて現場のみなさんが直面している課題は、特にオンライン面談で1度目のアポは取れるものの、2度目のアポが兎に角取れないという事です。そりゃそうです、添付文書が更新されて新しい効能追加が毎月あるようなアグレッシブな製薬会社さんや製剤はまれで、多くの製剤はそのような変化は連続して起きないからです。新しい効能追加や重大な禁忌(キンキと読みます、命に係わるやっちゃダメということです)があれば、先生に対するアポの必然性も高まりますが、多くのMRさんは、「それ先月聞いたから今はいいよ」というブロックにあっています。そもそもそれで良かったのかという疑問は残りますが、「接触回数=処方量アップへの期待」というこれまでの手法は通用しません。つまり、先生との関係性そのものを新しい形にしないと、今の人数はいらないという事になります。そのような「もうここまでコロナも長引くと何をしてよいか判らない」という不安の中にいるMR職のモチベーションを高め、新しいdetailingの手法とE-detailingの秘訣を指導できるようにするのが、このような研修のひとつの大きな目的になります。

研修タイトルは、withコロナで成果を掴む人材育成「育成力」です。研修ゴールと各回のテーマは以下の2点です。

  1. メインゴール:部下を変える  ~営業所長の部下育成力の強化
  2. サブゴール :自分が変わる  ~新しいやり方への挑戦を営業所長から
  • Day1 : リーダーとしての信頼性を高める
  • Day2:影響力の拡大/ 価値共創とは何か?
  • Day3:本音を引き出すMR育成の対話
  • Day4:MR育成の対話 実践練習
  • Day5 : StoryTellingリーダーの伝える力
  • Day6:モチベーションコントロールとビジョンの作り方

結果は、最終回のご満足度が4.63と過去最高を記録しました。

研修は厳しい事もズバズバと

どの研修にも言える事ですが連続研修の初回は、かなり厳しめの話からスタートします。つまりMR職は営業職である、なぜ他の業界の営業のように数字(処方量)にこだわらないのか?それが患者様のQOL向上につながるという使命感だけでなく、数字にこだわって欲しい、プロパーからMRへの転換で業界ルールが変わったことを言い訳に、他の業界の営業に比較したときに、一言で言えば「のんびりし過ぎじゃないですか?」という事です。

弊社のガツガツ感のなさを外部の方に指摘され、改めて実感しました。

講師の言葉で、もっと数字に対してガツガツしてもよいのでは?という意見が印象的です。数字には非常にこだわりが強いと感じました。

講師の先生が実例(他社での変革)を挙げられたりされて、価値共創のステップへ変革を進めていることなど、環境変化と共に熟考した営業活動を進めて行くことの必要性を痛感した。

厳しいことを連打したものの、ご参加の皆さんには、受け入れて頂いたという印象です。第2回あたりになるとアンケートにもそのあたりが現れ、終了後すぐに行われるアンケートの回収も早く、講師への質問が山のように来るようになりました。あまりご反応が良いので、毎回8名×3グループの全アンケートが回収後に、みなさんのアンケートコメントをまとめた振り返りメールと皆さんへの質問の回答をメール配信をはじめましたら、ますますアンケート回収が速くなりました。2回目あたりで成長の為にみなさんと一緒に走っているというような熱い感覚を強く感じました。

2回目になると受講者にも気持ちの変化が

今までの研修は当たり前の事を自分目線だけで話をする講師が多く、MR活動や製薬会社向けではなかった気がするが、今回は目線を合わせて進めてくれていたので聞きやすかった 時間もちょうどよい感じで、6回に分けてもらっているので一つ一つを確認しながら受講できると思う

研修という型にとらわれず、「考えて」の回答や「用意した回答ではない「素」の回答が求められるやり取りは緊張感のある率直な意見の出来る研修であったと感じる

(研修に対する)改善点はない。今まで研修を受けてきたが、一番引き込まれ勉強になる。

この研修の学びは決して上司、部下の研修ではなく社会を生き抜くための研修の様なので、是非所員にも聞かせてあげたいと思います。

柏さんの経験談は現実のものであり、より参考になると感じています。失敗談、成功談を研修の合間に入れていただくと嬉しいです。

頭で理解した事を行動につなげる難しさ

実際に部下育成の対話のスキルについて学ぶ場面においては、理系出身100%のみなさんは、とにかく論理とエビデンス(証拠)。組み立ても必ずエビデンスを示して進める方が、腹落ちしやすいようですが、とにかく行動につなげる所は、頭で考えすぎてできないと先に決めているのかと疑ってしまうくらい苦手です。いったん左脳を使うのを止めて頂きたいと思う瞬間です。思い切った時間の使い方でしたが、Day3は、Day2で学んだ部下との対話をより具体的な事例でロープレすることにしました。

振り返りの部分での傾聴ロープレは正直難しかったが
良い気付きにもなり、自身の現実が見えた。

共感(シンパシー)が大変大事であることはわかっていたが、外部内部ともエモーショナルインテリジェンスが弱くなっている業界で、そのスキル、ミラーリング・傾聴のレベルUP手法で価値観を知るところの重要性を再認識させられ、同時に難しさ(出来てない)実感を痛切に感じた。

傾聴についてはこれまで何度も研修であったが、実際に即座にケース対応を迫られるとこんなに対応できないものかと感じた

聴く力は漠然とある方だと思っていましたが、全くそうでなかったと感じた。そのプロセスが全くなっていませんでした(汗)

営業所長としての新たなチャレンジへの決意

営業職であることを深く再認識する研修でした。笑顔・声・抑揚など、まだまだ他者からの意見に耳を傾け、自身のオリジナルに頼り切っていた自分から脱却する努力が必要と感じました。毎回、厳しい中にも元気を体感させて頂きありがとうございます。

自分自身が進めていた営業所の運営が、自分中心であった事に気づかされる良い機会でした。今後も傾聴姿勢に磨きをかけて問題解決に生かしていければと考えております。

言葉は違えど、これまで自分に影響を与えてくれた上司は同じ事を言っていたのではないかと気付かされ、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちを抱くことが出来ました。

所員を変えるのではなく、自分が変わる事を意識し営業所運営を行っていこうと思いました。所員が変わらないのは自分のせいであると認識し「物事のきっかけ」を社内外問わず意識していこうと思います。

オンライン研修への評価

リモート研修ではありましたが、集合以上の集中力で受講出来ました。 柏さんの画面越しからでも伝わる熱意を見習い所員を熱く(厚く)時には冷静にバックアップし成長の後押しすると共に自分自身も成長していければと考えています。 6日間ありがとうございました。

1日研修より今回のような短時間の6回コースの方が毎回集中して受講できるし、復習もできるので良かったと思います。 分かりやすい講義、本当にありがとうございました。

リモートも慣れないのにそれで研修?どうなるの?と思っていましたが新しいニューノーマルの形を体験できた、しかも非常に心地よかったのでよかったです。

これまで多くの研修を受けたり、読書したりしてきたが、それらを統括した内容であった。実践に活かす環境を作ってくださり、大変有意義な研修期間であった。

所々で出てくる柏さんの失敗体験?(成功体験)が非常に興味深かったです。リモートでしたが、集合研修より集中して取り組めたと感じてます。

最終回のアンケートでは、講師へのあたたかい言葉が

ご自身が失敗し成長されてきた経験談を踏まえた柏さんのお話しにお人柄が表れており、とても親しみやすい印象で終始、良い意味で心地よい研修でした。

新しい学び、気づき、再確認など多くのものに接することができました。これを意識して習慣にして自分のものにしていきます。ありがとうございました。楽しいご講義でした。それと、やっぱり柏さん、何より「パワー」を頂きました!

6回の研修ありがとうごいました。柏さんの元気ある講義は、中身だけではなく、準備することの大切さや話し方、示し方と非常に学びの多い研修でありました。今後自分たちで、できることを日々実践して参りたいと思います。

今まで受けてきた他研修は何だったのでしょう?と言う位の真目・心眼を持った講師に教育されたことは必ず自身の成長に繋げ、ビジョン作成から実行へ、そして成果物の獲得をメンバー全員にて拘って行きたく思います。本当に有難うございました!

簡潔明瞭な講義、ありがとうございました。対人コミュニケーション能力を極める事は生半可な経験では出来ないと改めて感じさせられました。柏先生が社内の導火線につけてくださいました「熱意の炎」を伝えていければと思います。 熱の込められた講義、ありがとうございました。

毎週の受講が楽しみでした!毎回盛り沢山でしたが必ず毎回気づきのある研修でした。りんごの例は非常にストンときました!楽しく実りある研修ありがとうございました!

あっというまに研修が終わり少し寂しさが残る一日となりました。1WAYで聴くだけの研修が多いな中、参加者が参加しRPや意見を言える良い研修であったと思います。ありがとうございました。

本当に長い間ありがとうございました。 今の○○製薬バージョンに常に変更を加え、講義してくださるお姿には大変感激しました。 個人的にコンサル?コーチング?をお願いしたいほどです。 引き続き、弊社の他の研修でもお会いできることを楽しみにしております。 ひとつでも多くマスターできるよう実践ベースに落としていきます。本当にありがとうございました。

6回すべて充実していて、大変勉強になりました。この気持ちを継続し、そして教えて頂いたことを私なりに咀嚼し所員へフィードバックし、育成に繋がて行きたいと思います。社内で受けたすべての研修の中で、自分のやるべき事や足りない事が一番明確になり、まだまだ成長していきたいと思いました。柏さん、本当にありがとうございました。

毎回毎回、私たちに理解できるよう弊社の事から業界のことまで調べ、具体性のある講義ありがとうございました。 また受講できる機会を心待ちにしてます。 所員に未来を投げかけ育成して参ります。

統括部長職へのご報告会

このようにオンライン少人数、分割開催という恵まれた状況の中、いつにもまして、皆様との深い人間関係とご信頼関係を構築でき、最終回は15分拡大スペシャルという事で時間をプラスしての開催になりましたが、どのグループとも「お別れが非常に辛かった」という印象深い研修となりました。ぜひお正月スペシャルなどと銘打って特番的にまたこのメンバーとディスカッションを続けたいと思っています。

また今回は、ご予算を別途お取り頂きこの営業所長24名の上司である統括部長さんへのご報告会を90分間で開催しました。ここでは、アンケート結果の分析とそこで参加者がどこに響き何を感じたかを共有させて頂き、そのポイント毎にご参加の みなさまとディスカッションをさせて頂きました。このようにやる気に火のついたメンバーに対して、サポートをして頂くための施策も研修を一過性のもので終わらせるのではなく、継続した成長への支援として位置付けると有効だと考えます。さらに、社内運営で成果発表会のような場を近日設けて頂くこととし、実践支援の仕組み化をマーケティング本部主体で、進めて頂くことにしました。ここで私は講師としての役目をいったん終えますが、今後も引き続き成果を出して頂ける仕組みを残せたように感じています。

MR職は、現在非常に厳しい環境変化に直面しています。研修内事例と言えば自身の失敗事例ばかりでお恥ずかしい限りではありますが、この状況を乗り切り、新しい時代の先陣を切るためのノウハウを今後もお伝えしていこうと思います。

尚、こちらのブログへ沢山のアクセスを頂いておりますのでMR職育成に関する情報を効率的にご覧いただける特設ページを開設しております。合わせてご覧ください。

 

製薬会社 MR(医薬情報担当者)研修