In 導入事例, 管理職

日本生命保険相互会社 代理店業務部様で、上級職への昇格者様向け「初級マネジメント研修」を80分で実施させて頂きました。対象者の方々は、AP(エージェンシーパートナー)と呼ばれる、代理店様のサポートをされる方々の上級職への昇格者の方、約100名、全員女性の方です。今回はご昇格者様が対象でしたので、これまでお会いしたAPの皆様よりは、若手の方でしたが、まさに営業職というオーラが素晴らしい方々です。

3年前にはじめてAPの方向けに研修をさせて頂いた時も、受講者の方との気持ちのシンクロで会場全体がひとつになり、当時の私の表現で「村祭りの公民館の様」に、旧知の間柄のように打ち解け、言いたい事をスバズバ言い合い、ワイワイガヤガヤと研修が進行し、自分でもその初めての感覚に感動しましたが、今回も同じような「営業の仕事って本当に楽しいよね、私たちって素晴らしい仕事してますよね」という根底の価値観の所で繋がれる幸せのようなものを強く感じました。

研修構成は、以下の3つのコンテンツを入れさせて頂きました。

  1. マネジメントの仕事とは何か?(挑戦した方が得な理由は何か?)
  2. 部下育成の為の対話(明日から使える対話のスキル)
  3. モチベーションをコントロールする(スランプ脱出の秘訣)

人生100年戦略における管理職へのチャレンジ

人生100年時代の到来と言われていますが、頭の中が昭和なままでは、これからの時代を乗り切れません。結局最後は自分にどれだけ力がついているか?どれだけ、学び続け成長し続けられるか?ポータブル・スキル(持ち運びできる、どのような業界に行っても、どこにいても食べて行けるスキル)で武装できているか?常に自分に問いかけながら、年を重ねる毎に成長して行く自分を、明確にイメージしてキャリア形成をして行く必要に迫られています。どこへ向かいたいのかは、それぞれの方の自由ですが、実は、マネジメントスキルは、ポータブル・スキルの宝庫です。だからこそチャンスが来た時には是非挑戦して頂きたいのです。

短い時間での研修ですので、出来る事は限られていましたが、今回は自分自身がマネージャーになって苦労した事や、前職でマネージャーを拒否して失ったものなど、やってみた場合とやってみなかった場合の結果を体験談で両方ご紹介させて頂きました。チームマネジメントのフレームは、ご紹介させて頂きましたが、難しい論理を振りかざすよりも、その方がイメージをして頂き易いのではと考えた為です。

そもそも、私の課長職時代のマネジメントスタイルは、それは、ひどいものでした。それこそ自分で断言できますが、日本の管理職の最低水準。トッププレイヤーが必ずしも優秀なマネジメントをするとは限らない見本です。(トッププレイヤーと自分で言い切る事をお許し頂ければですが)

兎に角いつも時間が惜しくて、チームではなく自分が沢山売上を上げたいものだから(会社の電話12本のうち半分は柏が保留でお客様をお待たせしているような状態)、部下に話しかけられても、「何?なんか用?2分で話せる?」というような状態でした。ですから失敗談は、それこそ山のようにあります。

そんな私ですが、子育てと並んで部下を持った経験は、自分の人生の中でも後から振り返ればとても貴重な経験だったと実感しています。ありていな言葉で言えば、自分自身も成長できる貴重な機会。だからこそ、チャレンジする機会があれば、見逃して頂きたくありません。

経験のない事に挑戦する怖さを払拭する

しかし、チャレンジしましょうと言われても、営業職に自信があればあるほど、そのような「内向きの事」は、私は苦手だと思っておられる方も多いものです。「内向きの事」という表現は、まさに課長代理時代の30代の私が心の中で使っていた言葉です。「マネジメント軽視ここに極まれり」という感があります。

また、人は経験のない事は出来れば避けたい、恐ろしい等と感じるもの、チャンスが来ても「私にはできないかも知れない」と思われる事は、キャリア形成において完全に無駄ですので、そこだけは最低限ご理解頂きたいポイントです。その為、この研修は「部下との対話はお客様の対話と同じ」という毎日の現場にシンクロさせてマネジメントスタイルを学ぶ設計になっています。このコンセプトこそが、まさに今回の研修の構成の肝になっています。

使わせて頂いているパワーポイントの投影資料の70%ぐらいは営業研修と同じですが、話している事がすべてカスタマイズされています。毎日の現場にシンクロさせて学ぶ事のメリットは2つあります。ひとつは前述の「いつもやっている事を部下育成に応用できる(つまり私でもできる)」という事。もうひとつは、明日の現場ですぐに使える秘訣を学べるという事です。研修では実際に部下との対話をご体験頂きました。

すべての方と楽しいやり取りを

研修スタイルは、インタラクティブ(双方向)です。80分の研修ですと、普通は研修とは言わずに「講演」と言う事が多いと思いますが、弊社の場合はそのような場合でもあくまで「研修」に、こだわります。一方的に話すのではなく、ご参加の皆さんとのライブ感覚のやり取りをご一緒に楽しむのです。演習もどんどん入れて行くのですが、演習をしている間もできるだけ講師が沢山のテーブルを回って、皆さんとのご交流を楽しみます。どのテーブルでも笑顔が弾けます。その根底は、やはり「営業職は、大変だけど楽しいよね」と言う共通の想いです。

参加された方々が一気に元気になられて、笑顔でお帰り頂ける研修。終了後に「私、先生と年が一緒なの。最近ちょっと疲れちゃっていたんだけど、またがんばろうって思えたわ」と廊下で私より明らかに10歳は若く見える、とても綺麗な方にお声がけ頂きました。そのような、「私が、まさに思い描いていた皆さんのゴール」を、気さくに口にして頂けた事が、とても嬉しく、まさに疲れが吹き飛びました。

強く、美しく、しなやかに、そして時には肩の力を抜いて思いっきり笑って、年なんか関係ない、活き活きと生きて行く為にこれからも一緒に頑張ろう、そんな女性たちとの研修でした。