In 導入事例

株式会社インテージ様は、マーケティングリサーチ分野で売上高国内第一位、25期連続増収の記録を更新中のインテージグループ(従業員数約2500名)の中核企業として、保有する膨大なデータとマーケティングプラットフォームを武器に幅広く深い生活者インサイトを提供している業界のパイオニアです。今回は、そのインテージ社の一部門、18名様に向け営業力強化の2時間研修を実施させて頂きました。タイトルは『いきなり30憶セールスの「聴く力」~ソリューションセールスを極める』です。

研修実施の課題と構成

今回の課題は、インテージ社のビジョンにもある、顧客との価値共創です。インテージ社のビジョンは、こちらです。

Create Consumer-centric Values

お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する

単に既存サービスを売るだけでなく、それまでの仕事が一気に変わるような、新たな価値をお客様と共に創り出すことを目指されています。もしこれまで、それぞれの営業の方が、業界NO.1の信用と膨大な保有データ、独自の分析手法等で「売り込まなくても売れる」状態であったとしたならば、このビジョンに掲げているように、今後はお客様企業新しい価値をCreateして行かなければなりません。

今回研修を実施させて頂く事になった部門では、このビジョンを推進して行く為に、部長職の方と3名のマネージャーの方が、部門メンバーの為のトレーニング・プロジェクトを立上げられました。ゴールは、「メンバーの相互理解」「顧客理解とビジネス基礎力」「提案力強化」3つのプロセスを経て、営業力を強化する事です。

私がサポートさせて頂いたのは、「顧客理解とビジネス基礎力」のパートです。ご参加の皆様が、ソリューション・セールス(課題解決型営業)としてお客様に頼りにされる為の秘訣と、お客様のニーズを掘下げ方、そこから発展して自分自身でビジネス基礎力を向上される工夫、新しいスキルを学び続けるきっかけを掴んで頂く設計としました。

  • パート1.これからの売れる営業
  • パート2.相手の本音を「聴く力」
  • パート3.継続して成果を出すコツ

マーケティング業界向けカスタマイズ

冒頭これからのソリューションセールス(提案型営業)は、どうあるべきかという部分では、せっかくでしたら「もう一歩」、プロフェッショナルを極めて頂きたいという親心的な愛を込めて、失礼は承知で「そんな事も判らないとまずいのでは?」という若干厳しめのスタートをさせて頂きました。ニコニコしながら、ズバズバ指摘、「こんな事も判らないでどうしますか?」と笑い飛ばして行く、かなり性格の悪い講師です。

因みに、なぜ厳しめのスタートであったかと言えば、今回は部門丸ごとで若手の方も多いとお聞きしましたので、「もっと成長の為に勉強しよう」と思われるきっかけになればと思った為です。研修の進行もマーケットリサーチを生業とする会社ですので、マーケッティング用語と営業研修を融合する形にカスタマイズして進めました。つい2年前にMBAを取得する際に大学院で学んだマーケティングと統計で苦しんだ経験がここで役に立ちました。

今回入れ込んだ要素は、マーケッティングの4P、サービスマーケティングの7P、価値共創、顧客経験価値、ラダリングなどです。ラダリングというのは、消費者が商品やサービスを選んだ根本的な価値観を明らかにするマーケティングの分析手法です。テキストもオリジナルで、ラダー(はしご)も入っています。2時間という短い研修時間にも係わらず完全研修スタイルで、テキストもかなり作り込みました。掘下げ質問で相手の本音を探るのに、「価値観を掘下げる」とお伝えするより、「セールス・ラダリング」という造語を作ってしまって、「ラダリングで顧客の本音を探りましょう」とお伝えしたほうが、馴染みがあるので記憶に残りやすいと思います。

でも、この方のように、びっしり書き込みをして下さると、私も頑張った甲斐があったというものです。

継続学習への布石

継続して自分自身の専門性を磨く、勉強をする続けるという事に関しては、実際、自分自身も含めて、たとえば保険会社さんの営業職のように、自分自身の創意工夫が売上につながる、自分自身の勉強力がお客様への提供価値を高めるというように、最初からマインドセットされている業種と異なり、会社が持っている解決策をお客様のニーズに合わせて提供するのが仕事とされたきた業界では、その最初の一歩、営業とは自分自身でなんとかできる(英語で言うManage)仕事だから、常にアンテナを張って、プロフェッショナルとしての自分の価値を高めようという意識が希薄な場合が多いのです。このあたりは、意識すれば長い間に、もの凄い知識の差となって自分自身にかえって来るのは自明です。

楽しく学ぶ「顧客の本音を聴き出す技術」

顧客の本音、つまりニーズを聴かなければいけないというのは、誰しも判っているのです。そのやり方が判らないだけです。効果的に聴く為に「共感」→「相手目線(傾聴)」→「洞察(ラダリング)」という順に学んで頂きました。皆さんが積極的に発言して下さるので、研修は笑い声が絶えないとても素晴らしい状態が続き、学びもどんどん深まって行きました。楽しく学ぶと言うのは、本当に大切なポイントです。もともと、私のエネルギーレベルは低い方ではありませんが、会場のエネルギーを吸収して、どんどん私自身もパワーアップして行きます。

セールスで成果を上げる「13の徳目(秘訣)」

今回は、久しぶりに2時間枠にも係わらず、講師の私、柏がスランプの時に考え出した「セールスで成果を上げる13の徳目(秘訣)」をご紹介させて頂きました。そもそも前職の米国FranklinCovey社のコンサルタント時代、リーマンショック後に心肺停止になりそうなスランプに陥った時に、これを愚直にやれば絶対売れるという事を13個考えて、毎週その週に意識を向ける事、やるべきことを選び、実践して乗り切ったという、自分自身の思い出したくもない経験とセットでのご紹介です。

そもそもは、米国建国の時代に数々の偉業を成し遂げたベンジャミン・フランクリンの逸話から来ています。米国では富を得る為、成功する為には、ベンジャミン・フランクリン・ウェイと言って、有名な方法です。

私の13の秘訣は、「自己投資は最大の顧客サービス」というような心構え系から、「3日以内のアポを取る」「数字を加えた言葉を話す」のような営業実践編まで、様々です。ただし、これは私の場合です。売れなくなると、つい車を月に何台売ったとか、英語教材を○○人に提供等の売れた人の営業本を買いたくなりますが、参考にはなりますが、これだけでは売れません。なぜなら人の方法だからです。人の自慢話を聞いても、それだけでは売れないのです。本気で継続的に成果を出す為には、「自分の方法」を編みだす必要があります。

今回の研修では、私の13の徳目(秘訣)をご紹介させて頂いた後、みなさん自身の13の徳目という事で、「これをやれば成果が上がる」という事を書き出して頂いたのですが、これが、みなさん物凄い勢いで書かれていて2度程時間を延長させて頂きました。感動的に学びの姿勢の強い部門です。

ここに至って「これはすごい、このチームは、もっともっと高みを目指せる」と確信しました。もうこうなったら、書き出せるだけ書いて頂いて、テキストの最終ページにはチャレンジ目標を2つ書く欄も作ってありましたので、最後にそこから2つ「これは!」というものを選んで頂こうと直感して、インストラクションの方向を想定と変えました。因みに、当初は学んだ事から2つ選んでチャレンジ目標を設定する予定でした、自分でキリキリと考えて、思いついたものの方がより、やる気がでますよね。かのベンジャミン・フランクリンでさえ、人から言われて付け加えた13番目の謙虚が最後まで、できなかったと自伝の中で言っている程ですから。

アンケート評価(5点満点の平均)

研修満足度      4.83
プログラム構成    4.61
理解度        4.71
ビジネスへの役立ち度 4.6

非常に高い点数を頂きました。今回は綺麗にどの方も気づきとご満足をお持ち帰り頂けたようです。研修の良かった点に関するコメントの一部をご紹介させて頂きます。

  • 良かった点/ご感想
    ・営業として持つべき商談スタイルを具体的に提示してもらったのが良かった
    ・相手目線でいること、会話のラダリングなど、頭では理解しているのにこんなに出来ないものかと衝撃的でした。
    ・経験則だけでやってきたが、体系的かつ具体的に理解できたことで、実践につなげやすいと思った。
    ・聴く力に関する3つの要素はどれも今後すぐに活用できると思われ印象に残りました。
    ・自分に足りないことを見つめる良い機会になりました。
    ・「聴く力」は重要だと認識していたが、商談の場ではどうしても商品の特徴、強みを一方的に話してしまうことが多かったと感じた。
    ・わかりやすい言葉と説明、テンポ良い構成で集中して考え、発見に気づくことができました。
    ・実際に成績を残されている方は、目標をしっかり持って、徹底して意識して実践するという努力をされていて結果としてできるようになるんだと思った。

 

  • やってみようと思われた点
    ・WHYを追及する事の重要性とそれをやるべきという認識はあったが、具体的にどうすれば良いのかという部分が
    今回のセミナーで学び、実際に行動してみようと感じた。
    ・いざロールプレイングを実践してみると、できないことが多く力不足を実感。営業セクションとしてもっと努力しなければと危機感がわいた。
    ・傾聴のためには、ただ聞くのではなく相手の言葉、表情、気持ちから共感をし、本心をくみ取ることが重要であり、それを実現するために学んだことを活かし工夫したい。
    ・自分がお客様の所に行って、お客様が話している事を、興味を持って聴いて、うなずいているだろうか?これから努力したい。
    ・1回できたことを、3回、5回とできるようにする。
    ・「型」「再現性」という点が最も印象的で役立ちそうに感じています。

定着化でさらなる成果を

今回は、2時間という短い研修でしたが、1日コースでしか使わない「掘下げの具体的方法」と前述の「セールス・ラダリング」をご紹介させて頂きました。2時間では流石にこの演習ができなかったので、社内プロジェクトでやって頂きたいロールプレイを宿題として、お伝えしました。せっかくの社内トレーニング・プロジェクト、やっぱり全部プロに任せようではなく、是非ご継続頂きたいですね。研修後にそのままフィードバックミィーティングをさせて頂き、部内でロールプレイ以外についての振り返り法をご決定頂きました。

  1.  研修で作成した2つのチャレンジ目標を全メンバーで共有する(コミットメントと他者からの刺激)
  2.  毎月の部下で学びを活かして実行し、上手く行った商談、行かなかった商談などを3分で4名から5名が発表する

営業という仕事を楽にできるようにするには、「再現性」へのこだわりが重要だと私は考えています。一度できた事は、二度、三度出来る、三度できた事は五度出来るという再現性です。その再現性を高める為には、なぜ上手く行ったのか、上手く行かなかったのを、その都度自分が考えて見る事が大切です。この部門のように、それを全員で共有して行けると、速い速度で成功の型を捉える事ができるようになります。

インテージ様からは、さっそく秋にも次の研修「伝える力と提案力(仮)」をご計画頂いておりますので、成長された皆様にお目にかかるのが、今からとても楽しみです。以上、楽しく学べた2時間営業研修のレポートでした。

2018年7月実施