In 導入事例

株式会社NTTデータフロンティア様でビジネス・スキルとしての説得力「伝える力」研修を実施させて頂きました。2時間15分の研修を2回実施、約80名様がご参加、対象は直接お客様と接する立場のプロジェクトマネージャー及び、サブ・プロマネジャーと呼ばれる方々です。手上げてはなく、各部門から指名された方が参加されました。本日のご紹介させて頂くのは、その研修風景やご参加の皆様のご反響と研修を設計する際の、直接的な課題と本質的な課題についての考察です。

NTTデータフロンティア様は、従業員数11万人超、グループ総売上1兆円超という日本最大の専業システム・インテグレータであるNTTデータグループの一翼を担われ、優れた技術力・開発力を武器に、特に金融業界向けシステムの開発・保守運用に強みを持たれる企業です。昨今は、お客様の多様なニーズに応え、従来のシステムの枠を超えた様々なシステム開発やサービスの提供で事業を拡大されておられます。社員ひとりひとりに問われるのは、「得意技」と呼ばれる個々人の「技術力」です。IT業界は非常に変化と技術の進歩が著しい業界ではありますが、最新の高い技術や高品質なサービスを、社名でもあるフロンティア精神(開拓者精神)を持って、常に身に着け、お客様に提供し続けていらっしゃいます。

技術を伝える為の「伝える力」研修に

しかし、せっかく素晴らしい技術をお持ちでも、それがお客様に伝わらなければ「価値」生み出す事はできません。今回の研修は気軽にご参加頂けるように午前中の約2時間を使い、その「得意技」と呼ばれる皆様が持つ技術をお客様に判り易くお伝えし、新らたなビジネスを生み出す為に、社員の伝える力の向上「『伝える力』メインの研修を」と言うご依頼を頂きました。

社員の方のヒアリングでも、かなり伝えるには、苦手意識をお持ちと伺っており、2時間で「伝える力/プレゼン力」という事であれば、コンテンツは豊富にありましたので、難なく研修を設計できると考えましたが、本当に「伝える技術」の伝授だけで「売れる」だろうか?お客様との価値共創ができるだろうか?と私の中で常に渦巻いている「売れるか売れないか」的営業マインドが頭をもたげました。

事前にご面談の機会を頂いた服部社長様からは、「ひとりひとりが、とても良い技術を持っている。それをお客様に伝えられるようにしたい」と言うリクエストを頂き、経営企画本部のトップで同社取締役でもある、ご教育責任者の方には、「価値創造」という言葉を頂いていました。この価値創造という言葉が、営業職ではなく、高い技術を自らもつ技術者の方々、開発者の方々がお客様との対話の中で、「新しいヒントや価値」をお客様と共に生み出す姿が未来の姿としてイメージできました。

その結果直前まで悩みに悩んで、お節介にも「価値創造」をなぜしなければならないのか?というという技術職の方向けコンテンツと、お客様のニーズを的確に把握する為の「聴く力」のコンテンツを無謀にも2時間の枠の中に入れ込みました。(研修構成は、価値創造→聴く技術→伝える技術)毎回なぜこんな時間との闘いとなる、スリリングな研修を設計してしまうのかは、本当に謎です。以前の会社のようにコンサルタントと講師が分業されている会社では、間違いなくNGです。

研修は、冒頭から「みなさん、営業じゃないからとお客様との係わりをしないのは、皆さんの技術力の損失ですよ、服部社長もおひとり、おひとりが素晴らしい技術を持っているとおっしゃっていましたよ」というような、これからの技術はお客様と共に創る、その為には、技術を持つ皆様ご自身がお客様との接点をもっと増やさなければならないし、チャンスがある時に、その技術をお客様に的確に伝えられなければならない、それが「ものを売る」世界での流れである。営業の世界ではそれがもう現実に起こっているというお話をさせて頂きました。

結果的に、このコンテンツがすべての方に伝わったのかは不明ですが、短い時間の中ではありましたが、本気で皆さんの為に考えて来ましたという講師の姿勢と熱意が伝わったのは確かなようでした。アンケートでも「この先生はオレの味方だ」となぜか思えた。」というような思わず苦笑いをしてしまうコメントも頂いてしまいましたので、よほど自分も冒頭部分熱が入っていたのではないかと思います。

そして、いつもの事ですが、受講者の方と対話をしながら、気づきを深めて行きます。それは、それは、しつこく腹落ちするまで、次から次へと。演習でお願いしている方との対話がもうひとつの場合は、愛情を持ってとは言え、かなりの毒舌でダメ出しをまき散らしながら、会場中の方と対話をして行きます。特に「聴く」のパート、傾聴の演習では、上手くできない方が続出、出来ない事を糊塗する事なく、参加者の皆で笑い飛ばしながら学びを深める事ができました。

受講者の方の発言でとても心に響く発言がありました。「相手の事を考えて今まで話して来なかった、これからは相手の事を考えながら話す」という視点です。2日目の受講者の方のご発言でしたが、会場にいらっしゃった皆さんの心に響く、とても良いご発言だったと思います。

「得意技」を1分で紹介する

「伝える力」のパートでは、冒頭で、まずみなさんのお持ちの技術について、私のような素人にも判るように1分間でプレゼンをして頂きました。普段あまり人前で話す事がないという皆様、ここからすでに大苦戦です。傾聴のパートでも同じことが言えましたが、ここでも驚いたのは、素直に出来ない事を認められた方が多かった事です。優秀な方が多く、優れた技術もお持ちの皆様は、出来る「ふり」をするというような、へんな虚勢を張る事もなく、逆に学ぼうという姿勢に一気に入られて素晴らしかったです。

アンケート結果(10点満点の平均値)

希望者の方の手上げでのご参加ではないので、各回2~3名は、「もっとプレゼンをする人たちに絞って受講させるべき」というご意見を頂き3点、4点を残念ながらつけられた方がいらっしゃったなかでのこの点数で、体感的(手ごたえ)には数値以上のものがありました。アンケートコメントに関しても一部ご紹介させて頂きます。

この研修で最も印象に残った事

  • 心地よいトークの間で必要となるポイント
  • 気を付けているようで、実践できていないことがわかった
  • 相手に伝える姿勢・気持ちを持つことが大事
  • 相手の立場に立って話をするということ
  • 考え方だけはなく、「意味がない間」など、実践的なテクニックや練習方法など定着の仕方も教えてくれたのが良かった
  • 相手の言っていることを、そのまま受け止める事の難しさを実感しました
  • もともと人前で話すことが苦手で話す内容がまとまらないことが多くあったが、話す内容の構成や伝え方が良くわかった。
  • 相手への伝え方について、心地よく聞いて貰う方法がとても勉強になりました。
  • 伝えるより先に聴く力が必要とされるという事
  • 相手に伝える為にまず聴く事が大切だとわかりました。その後伝えるためのテクニックも理解することができました
  • 伝えたいという気持ちを持って、相手の聞きやすいテンポを意識する
  • これまで伝えたいと思えば思う程、自分目線になっていたと思うので、今後はまず相手目線の傾聴から行おうと思いました
  • 聴く事の難しさを知った。人の話を聴いているつもりでも、自分の意見をついつい伝えてしまっているので、注意したい
  • 傾聴にもポイントがある事を学べた。(あまり意識していなかった)
  • 傾聴は相手の気持ちを受け止める事が大切なこと。

活用されたい事

  • お客様のニーズを会話でこれまで以上に引き出す
  • 部下との会話において、傾聴を取り入れる、共感する
  • 日頃の打合せに応用できればと思います。伝えたい内容を“どう”伝えるのかを、きちんと考えて臨みたいと思います。
  • 一分間フリートークを試してみたいと思います。会話の瞬発力がないので、身に着けたいと思います。
  • チーム内での打ち合わせや勉強会の場で生かしたい。
  • 大小を問わず会議の場で「明るく、皆が興味を持つ説明」をする為に活用したいと思います。
  • システムトラブルの対応として、お客様と話をする機会が多い。プレゼンとは違うが、信頼を得る話し方が必要となるので、活用したい。
  • 顧客との折衝場面、要件の詰め等、活用できる場面は多いと思う。

講師を受講者の方からお褒め頂きました。

  • 柏さんのお話の仕方が、講義を体現していました。とても参考になりました。
  • 研修のテーマ通りしゃべるのが上手、プレゼンが上手な講師の方で説得力があった。
    そこが一番具体的でよかった。
  • 何よりも柏先生の熱意、伝える力で充実した研修になったと思います。
  • AMから、このように活気が出る研修はなかなかないと思いました。
  • 講師の方の話し方がすばらしく、まさに「この研修は受けるとためになるぞ」という事が伝わってきて、いつもの研修以上にまじめに取り組んでいる自分に気づきました。
  • 伝える力のポイントで知らなかったスキルが多く、柏先生のプレゼン(説明)に説得力があるので理解しやすかった。
  • 講師の話し方がとてもよかったです。
  • 講師の方の話や進め方が非常に良かった為、色々なことを学ぶことができた。

私自身、ものを売る営業という仕事を始めてから来年で40年ですが、このように営業という仕事で学んだ事を一般化して営業職ではない皆様にもお伝えすることで、より多くの方に喜んで頂けるというのは自分自身改めてやりがいのある仕事をさせて頂いているなと感謝しました。

学びへの意欲がとても高い受講者の方々

  • 自分の中で意識していた課題(結論を早く求める、話が判りにくい)という部分に刺さりました。
  • もっと長めの時間をとってガッツリやりたい。
  • 配布資料を見る事がほとんどなかった。内容に集中できたと感じる。
  • 発声練習を行うのはめずらしかった。ニーズ把握に特化した研修も受けてみたいと思いました。
  • 普段の仕事が話をするのがほぼないので、2Hですが、とても内容が濃く疲れました。(笑)
  • もう少し長い時間を取っても良かった気がします。
  • 3時間(1.5時間×2)ぐらいの時間があっても疲れを感じないかと思いました。
  • もう少し長い時間の講義でよかった。
  • あっという間に時間が過ぎました。話す、プレゼンをする立場の人は受講したほうが良いと思います。
  • 説得力の根底にある信頼や熱意についても聞きたかったです。(講師の実体験など)

以上のように結果的にとても熱い研修となりました。直接的な課題は「伝える力の強化」ということでしたが、現場でどうすれば新しい技術をお客様と生み出せるかを徹底的に考えた結果が、このような好結果に繋がりました。これは、何より初めてのお付き合いである私にアポなしで気軽に会って下さったメンバーの成長を心から願う服部社長様や、ご面談開始1分で、「あなたなら大丈夫、これは任せて大丈夫だ」と、まず、最初に絶大なご信頼を私にお寄せ頂いた、経営企画本部のトップの方のお陰だと思います。ご期待に応えるべく、考えに考え抜いて設計致しましたが、プラスに作用したようでなによりでした。私にとっても心に残る研修となりました。
(2018年2月実施)

会社名株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・フロンティア
所在地 東京都港区港南1丁目9番36号 アレア品川ビル25階
従業員数656名
資本金
売上
資本金:2憶8000万円
URL
事業内容情報処理システムの開発、販売、運用および保守
情報処理システムに係るソフトウェアおよびハードウェアのコンサルティング、開発、販売