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建設会社様のカスタマイズの営業研修を実施させて頂きました。スキル系の営業研修は、はじめて実施されるという事でして、研修タイトルはシンプルに「お客様に価値を提案する為の営業力強化研修」、部長様3名を受講者に含む22名様のご参加でした。

建設会社様と言っても、主力の建設から、不動産売買、住宅販売、土地活用と営業場面は多岐に渡ります。個人向け顧客と法人向けの営業の方の比率は、8:2ぐらいです。

ご経営理念のカードを皆様お持ちなのですが、その中のお客様への基本姿勢の中に、「お客様の声に耳を傾け、お客様の立場にたち、お客様の表面的に表れないニーズやご不満を感じ取る努力を続ける」というような意味を持つ、まさに提案型営業は、これだ!というようなフレーズがありましたので、今回は、そちらをメインに研修の設計をさせて頂きました。

アンケートでのご評価は、10点満点で、満足度  8.67、理解度 8.86、実行意欲 8.95、研修推薦度8.9、講師評価 8.71でした。機材トラブルでパワーポイントがほぼ使えず、私的には、ちょっと残念でしたが、受講者の皆さまにはご満足頂けた様で安心致しました。ただ、お一人全部6点の方がいらっしゃって、もっとお声がけさせて頂けばよかったなぁと、反省致しました。

私自身、こちらの会社が、スキル系の営業研修は、今回が始めてという事にかなり危機感を持ちましたので、受講者の方がたには、申し訳なかったのですが、120%ぐらいの厳しめ進行。早く成果を掴んで頂く為には、致し方ありません。

今回の研修で絶対お持ち帰り頂きたかったのが、ニーズの聞き取り方です。
お客様の本当に大切に思っている事を掘り下げの質問を駆使して、洞察して行くという部分です。
建設会社様なので、掘下げ質問の画面写真は、パワーショベルで。

はじめて営業研修という事で、例文がのちのち営業のトークスクリプトになるように、テキスト内にも例文豊富に投入致しまして、写真がそのトークの練習風景です。若手のホープが賢明な演習中。それを両側から挟み込んでいるのが部門責任者の部長さんと私です。
まるで受験生の息子に面接の仕方を熱血指導中の父と母のようです。(笑)

この演習では、本当に皆さんと熱い時間を共有させて頂きまして、良い気づきを持ち帰られた方も沢山いらっしゃいました。実は、無意識に自分もやっていたという事例について共有して下さる方もいらっしゃいました。

ある若手の方の気づきの事例をご紹介しましょう。その事例のお客様は、ご夫婦共に働かれていたのに、なぜかとても賃貸価格にこだわられた。「お金は沢山持っておられるご様子なのになぜだろう?」そこで担当されていた営業の方が、思い切って「失礼ですが、なぜ今回、お客様は価格にこだわれるのですか?」という質問をしたのだそうです。

その質問をきっかけにして、お客様が本当に大切に思っておられる事を共有させて頂き、お客様は単なる表面的なスペックや価格ではなく、本当に心から望んでいる事を語って下さったそうです。

実は、そのお客様は、お子様にこれから、こんなことも、あんな事もと沢山お金を使ってあげられたい時期だったそうです。

結果的に、他社が気づかないお客様のニーズを明らかに出来て、とても良いご提案が出来たそうで、今考えると、それが「掘下げ質問」だったという受講者の方ご自身の大きな気づきです。
そうかぁ、こういう場面で、なぜ?と質問をすることで、ニーズを掘り下げられるんだなと、ご自身で気づかれたのは、大きな収穫ですね。

因みに、このように、短い研修の時間内でも、自分の事にすぐに置き換える事の出来る方というのは、いわゆる営業センスのある方です。場数が少なくても、飲み込みが早い進化の速いタイプの方です。でも、センスがなくてもご心配なく、センスがあるなし関係なく、経験と練習を積めば、いずれ、どなたでも、できるようになります。

問題は、現代では、バブルの頃やリーマンショック前のように溢れる程の経験や練習のチャンスが、そこかしこに転がっているわけではないと言う点です。ここが現在管理職を務める世代とこれから成長する世代の最大のかい離点なのです。ただ、沢山訪問して来い!だけでは、若手が成長しない理由がここにあります。

そこで、必要になるのが想像力です。言い換えればシュミーション力です。実務での体験が少ない分は、研修や勉強会などの機会に、できるだけ自分なら、自分の場合は、と考えながら、シュミュレーションをしながら聞くとより良い結果を掴めますので、おすすめいたします。

さて、今回の研修は、私の営業心得帖「セールスで成果を上げる13の徳目」をご紹介しました。

あくまで、私の成功例で丸々真似しても駄目ですよという前提ですが、はじめて営業研修なので、まず真似して頂くのも良いかと思い、ちょっとしっかりご紹介させて頂きましたので、アンケートにも、自分なりの13個を作ってみたいという意欲的なコメントが目立ちました。

私は営業と言う仕事が大好きですので、それこそ、無意識にウキウキと楽しそうに、そしてパワフルに13個を紹介させて頂いているのだと思いますが(笑)、案の定と言いますが、アンケートの中には、「柏さんの、売ったら楽しい」という言葉が印象に残りました」というコメントがありました。

この方、社長様にも「売って楽しくなる体験がしたい」とお話されたようで、社長様から早々にお喜びのメールを頂きました。自社の営業から、そんなセリフを聞いたら、もう嬉しくなってしまいますね。研修に参加された皆さんが、「営業楽しい!」と思っていただけると私も嬉しいですので、私もまた頑張ろうと思います。